「HP ZBook Firefly G10 A」は仕事のパフォーマンスを常に発揮したいハイブリッドワーカーに適したモバイルワークステーションだ(1/4 ページ)
日本HPが発売したモバイルワークステーション「HP ZBook Firefly G10 A」(G10 AMDモデル)は、AMDの最新APU「Ryzen PRO 7040HSシリーズ」を搭載するエントリークラス製品だ。今回はRyzen 7 PRO 7840HSを搭載し、LTE通信機能も備える「スタンダードPlus LTEモデル」の実力をチェックしていく。
テレワークとオフィスへの出社を組み合わせた「ハイブリッドワーク」という働き方が広まりつつある。その中にあって、多くの企業が抱えがちな悩みの1つが「ハイブリッドワークに最適なPCが見つからない」という問題だ。
以前なら「オフィスで働く(≒外回りのない)人や部署にはデスクトップPC」「外回りが多い人や部署には、軽くて持ち運びやすいノートPC」といった使い分けが多かった。それに対して“仕事場”が一定しないハイブリッドワークを前提とすると、ノートPCを支給することが多い……のだが、高い処理能力を求められた際に力不足を感じることもある。処理能力の高いノートPCも存在するが、「サイズや重量面で持ち運びに適するもの」となると、それほど選択肢は多くない。
そんな中、日本HPが14型モバイルワークステーション「HP ZBook Firefly 14inch G10 A」をリリースした。内蔵グラフィックス(GPU)の性能に定評のある、AMDの最新APU「Ryzen PRO 7040HSシリーズ」を搭載して処理能力を確保。その上で、長時間のバッテリー駆動を実現しつつも、本体重量は約1.5kgに抑えている。ハイブリッドワークでも“パワー”が必要な用途にピッタリだ。
この記事では、APUとして「Ryzen 7 PRO 7840HS」(3.8GHz~5.1GHz/8コア16スレッド)を搭載し、LTEモジュールも備える「スタンダードPlus LTEモデル」(3年オンサイト修理保証付き、税込み直販価格27万600円~)の実力をチェックしていく。
サステナビリティーに配慮したシンプルなボディー
HP ZBook Firefly G10 Aの外観からチェックしていこう。本体カラーは、少し濃いシルバーだ。デザインこそシンプルだが、高級感も持ち合わせた仕上がりになっている。
ボディーはプレス加工されたアルミニウムでできている。本機は従来モデルと比べてリサイクル素材の利用率が高まっており、アルミニウムは50%、プラスチックは75%がリサイクル素材由来だという(いずれも質量ベース)。社会的に関心の高まっている「サステナビリティー(持続可能性)」に配慮した格好だ。
ボディーサイズは約315.6(幅)×224.3(奥行き)×19.9(厚さ)mmで、重さは実測値で1504gだった(公称重量は約1.5kg)。14型モバイルPCと比べると少し重めではある一方で、サイズはA4用紙より一回り大きい程度なので、多くのビジネスバッグにも問題なく入る。
省電力でパワーのあるRyzen PRO 7040HSシリーズを搭載
本機のAPU(GPU統合型CPU)は、先述の通りRyzen PRO 7040HSシリーズを採用している。搭載するAPUはモデルによって異なり、今回レビューしているスタンダードPlus(LTE)モデルは上から2番目のRyzen 7 PRO 7840HSを搭載している。
Ryzen 7 PRO 7040HSシリーズは「Zen 4アーキテクチャ」のCPUコアと、「RDNA 3アーキテクチャ」のGPUコアを統合しており、現世代のモバイル向けCPU/APUとしては高いパフォーマンスを発揮することが特徴だ。プロセスルールが7nmから4nmに微細化されたことで、消費電力当たりの処理能力(いわゆる「ワッパ」)も向上している。
レビュー機に搭載されているRyzen 7 PRO 7840HSは、CPUコアが8基16スレッド構成で、最大5.2GHzで稼働する。モバイル向けCPU/APUとしてはかなり高スペックで、1世代前のデスクトップ向けCPUに匹敵するパフォーマンスを発揮できる。
同APUのGPUは12コア構成の「Radeon 780M」で、これもモバイルCPU/APUに統合されたGPUとしてはハイスペックである。内蔵GPUということでグラフィックスメモリはシステムメモリと共有することになるが、より高速なDDR5規格のメモリを採用することでボトルネックの軽減を図っている。
なお、本モデルのメインメモリは16GB(16GB×1)となっている。
続けて、ストレージ、ディスプレイやWebカメラのスペックを確認していこう。
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