企業は生成AIのビジネス活用をどう考えるべきか 生成AI開発基盤を提供するデルの取り組み(1/2 ページ)
デル・テクノロジーズが、報道関係者向けに生成AI関連の勉強会を実施した。そこで出た生成AIの取り組みをまとめた。
9月29日、デル・テクノロジーズが報道関係者向けに生成AI関連の勉強会を行った。そこでは同社でAI関連の業務を担うシニア・ビジネス開発マネージャ AI Specialist CTO Ambassadors 増月孝信氏と、Data Centric Workload & Solutions 山口泰亜氏が登壇した。
勉強会に登壇したデル・テクノロジーズ シニア・ビジネス開発マネージャ AI Specialist CTO Ambassadors 増月孝信氏(左)と、デル・テクノロジーズ Data Centric Workload & Solutions 山口泰亜氏(右)
ビジネスとしての人工知能 デルのAI戦略とは
増月氏はこれまでの人工知能の歩みを振り返りつつ、「2000年代までは、人工知能をやっていますとお伝えすると、白い目で見られる場合もあったが、機械学習~ディープラーニング(の技術発展)が2010年代に爆発して今の状況ができあがった」と述べた。
そして「ビジネスとしての人工知能について何ができるのか。データから学習してパターンを識別して予測を行うのが従来型のAIだったが、注目が集まっている生成AIでは創造的な探索やコンテンツ作成といったアクションが実行できるようになった」とし、「今こそ冷静になってAI活用を再考するときだ」と主張した。
生成AIを活用することで、従来業務の自動化で生産性を向上させたり、チャットボットが進化して自然なコミュニケーションを行えるようになる一方で、「AI活用においては、国内と海外で温度差がかなりあると感じている。特に日本では具体的な事案を既に抱えている顧客は少なく、まだふわふわしているのが現状だ。今後は、国内のAI市場の立ち上げが加速するだろう。製造業が多い国内はだからこそ、あらゆるところで利用が広がるはず」と見解を述べた。
では、生成AIのビジネス活用についてどこから手を付ければいいのか。増月氏は「OpenAIやMicrosoftを使うのもありだし、自分たちで生成AIを作るのもありだし、既存の物をカスタマイズするのもありだ。しかし大規模な生成AIを1から作ると、サーバを含めて数十億円規模の投資が必要になる。そこで、汎用(はんよう)のサービスを使ったり、事前学習済みのモデルをカスタマイズして活用したりするのが一般企業では現実的になる」とし、同社の取り組みを説明した。
増月氏は「キーとなるのはユースケースで、これが決まらないとどのモデルを作ればいいのかも分からないし、必要なデータも分からない。そこで、まずはユースケースをいくつか決めてロードマップを作成してからアプローチする」と流れを解説した。
「生成AIは特にデータが大要で、ライセンスフリーであることを立証できること、著作権問題がクリアーになっていることが重要だ。また、AI倫理のような社内ルールを作るのもポイントで、生成AIを作るときは承認を得るプロセスが当社内にはある。こういったプロセスを一般企業でも作るのが大事になるだろう」(増月氏)
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