アドビがWebブラウザで使える「Photoshop」を正式リリース 生成AI「Firefly」も実装:今後も機能追加を継続
アドビのレタッチツール「Adobe Photoshop」のWeb版を正式リリースした。正式リリースに合わせて、同社の生成AI「Adobe Firefly」も統合し、デスクトップ版と同様に「生成塗りつぶし」や「生成拡張」を利用できるようになった。
アドビは9月28日、レタッチツール「Adobe Photoshop」のWeb版を正式リリースした。本リリースには同社のコンテンツ生成AI「Adobe Firefly」も統合しており、デスクトップ版の最新アプリと同様にFireflyに由来する機能を利用できるようになった。有料サブスクリプションサービス「Adobe Creative Cloud(Adobe CC)」のうち、Photoshopを含むプランの契約者は追加料金なしで利用できる他、7日間の無料トライアル版も提供される。
Web版Photoshopの概要
Web版のPhotoshopは、Webブラウザから利用できる。インターネットにつながる環境があれば、アプリをインストールせずに利用可能だ。ファイルはAdobe CCのクラウドストレージに保存したものだけでなく、ローカルにあるものも扱える。
このサービスを利用できるWebブラウザは以下の通りだ。なお、システムメモリは8GB以上、ストレージ容量の空きは6GB以上が必要となる。
- Microsoft Edge(バージョン102以降の64bit版)
- Google Chrome(バージョン102以降の64bit版)
- Mozilla Firefox(バージョン111以降)
Webブラウザから操作することを前提に、UI(ユーザーインタフェース)はデスクトップ版からアレンジされているが、大きく変えているわけではないので、デスクトップ版を使ったことがある人ならすぐに習熟できる。デスクトップ版と同様にチュートリアル機能も実装されているので、使い方を学びながら慣れていくことも可能だ。
なお、チュートリアル機能の一部は「Adobe ID」でログインしなくても(≒Adobe CCの契約がなくても)アクセスできる。
Web版Photoshopの編集画面。Webブラウザで使うことを想定したUIとなっているが、デスクトップ版から大きく変えているわけではないので、すぐに慣れる(画像はWindows版「Microsoft Edge」で表示したもの、以下同)
生成AI機能も利用可能
正式版のリリースに当たり、Web版PhotoshopにもFireflyが統合された。デスクトップ版と同様に、画像の選択した範囲を生成AIが塗りつぶす「生成塗りつぶし(Generative Fill)」と、画像のキャンバスサイズ(解像度)を拡大する際に生成AIが空白を埋める「生成拡張(Generative Expand)」を利用可能だ。塗りつぶしや補完に関する指示が必要な場合は、日本語を含む100超の言語のプロンプト(言葉)で行える。
生成塗りつぶしや生成拡張で使われるデータは「Adobe Stock」由来のもので、撮影(制作)者の情報も記録されている。不正な改ざんへの対策として、これらの機能を使って作られたコンテンツには、元データの情報を含む権利情報も保存される。
機能実装は今後も続く
Web版Photoshopは、デスクトップ版の“全ての”機能を搭載しているわけではない。使っているWindows PC/Macにデスクトップ版アプリをインストールしてある場合は、編集画面の「デスクトップアプリで開く」をクリックすることでデスクトップ版で編集を継続できる。
アドビでは今後、Web版でもニーズの高い機能を順次実装する方針で、「パッチツール」「ペンツール」「スマートオブジェクト」や「多角形選択ツール」は近日中に追加される予定だという。
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