「HP AI Studio」や「NVIDIA AI Enterprise」搭載ワークステーション投入などAI推し! フォルダブルPC「Spectre Foldable」も日本で発売:HP Imagine 2023(1/3 ページ)
HPが米国でイベント「HP Imagine 2023」を開催した。その際に、HyperX/Polyブランドを含めて新製品を一挙に発表したので、その概要を紹介する。特に注目したいのは、フォルダブルPC「Spectre Foldable」と、サステナブルなインクカートリッジが使える新型プリンタだ。
HPは10月5日(米国太平洋時間)から、本社がある米カリフォルニア州パロアルトにおいて「HP Imagine 2023」というイベントを開催している。本イベントにおいて、HPはPCやプリンタに関する発表を複数行った。この記事では、その概要をお届けする。
AIアプリ開発促進ツール「HP AI Studio」(2024年提供開始予定)
HPは2024年から、AI(人工知能)開発を行う開発者を対象とする新しいソフトウェア「HP AI Studio」の提供を提供する予定であること明らかにした。同社のワークステーション「Z by HP」上での動作を想定しているという。
Z by HPは、PCベースのワークステーション本体(デスクトップ/ノートブック)の他、ディスプレイやVR HMDなど周辺機器も展開されている。今回発表されたHP AI Studioは、Z by HPでAI開発を行う開発者やデータサイエンティストを支援するソフトウェアプラットフォームという位置付けとなる。
通常のAI開発では、データサイエンティストが学習しやすいようにデータを整形し、それをプログラマーが作成したAIモデルに読み込ませて学習させる、という手順を踏むことが多い。HP AI Studioを使うと、この手順を1つのプラットフォーム上で行うことが可能となり、AIアプリの構築をより高い効率で行えるようになるという。
同時に、作成したAIアプリをユーザーに展開する機能や、AIの開発コストを予測して、コスト効率を高めるための支援を行う機能なども用意されているとのことだ。
またHPは、NVIDIAが提供するAIソフトウェア開発環境「NVIDIA AI Enterprise」をプリインストールしたPCワークステーションを今後数カ月以内に提供開始することも明らかにした。
同社は、2024年にNVIDIAとのさらなる協業を行うことや、Z by HPのラインアップを2024年にアップデートする計画も明らかにしている。
画面一体型PCとフォルダブルPCの新製品
今回のイベントに合わせて、HPは2つの新型PCを発表した。その概要は以下の通りだ。
HP Spectre Foldable PC(日本展開決定)
HPは9月、17型のフォルダブル(画面折り曲げ対応)PC「HP Spectre Foldable PC」(Spectre Foldable)」を発表し、米国とイギリスでは既に販売を開始している。
米国仕様の場合、CPUはCore i7-1250U(Pコア2基4スレッド+Eコア8基8スレッド)で、メモリは16GBを備える。SSDはPCI Express接続で、容量は1TBだ。ディスプレイは17型のフォルダブル有機ELパネルで、最大解像度は1920×2560ピクセルとなる。輝度は最大500ニト(HDR表示時)で、DCI-P3の色域を99.5%カバーしている。
- →製品情報(米国)
HP Imagine 2023の開催に合わせて、同社は本モデルを以下の国/地域でも順次発売することを発表した。
- オーストラリア
- フランス
- インドネシア
- 日本
- 韓国
- マレーシア
- ニュージーランド
- フィリピン
- シンガポール
- タイ
- ベトナム
ご覧の通り、日本も発売国に含まれている。続報に期待したい。
HP Envy Move(米国では発売済み)
「HP Envy Move 23.8-inch All-in-One PC(Envy Move)」は、23.8型のIPS液晶ディスプレイを一体化したデスクトップPC(いわゆる「AIO」)の新モデルだ。米国では既に直販サイト(HP.com)で販売が始まっており、価格は899.99ドル(約13万4000円)からとなっている。
ディスプレイの解像度は最大WQHD(2560×1440ピクセル)で、sRGBの色域を100%カバーしている。その下部にはBang & Olufsen(B&O)の監修を受けたスピーカーを、上部には顔認証対応で500万画素のWebカメラを備える。
画面占有率はスピーカー込みで88.1%、スピーカー抜きで99.3%となっており、スピーカー以外はほぼ画面というのが従来のAIOモデルと比べた際の大きな特徴となる。
名前にMoveが付くことからも分かる通り、本機は家庭内(屋内)での持ち運びを意識した設計となっている。
本体背面には持ち運びに便利なハンドルが付いている上、付属のワイヤレスキーボードを収納するためのポケットも備えている。Bluetooth接続のワイヤレスキーボードの右側にはタッチパッドが搭載されており、マウスなしで各種操作を完結できることも魅力だ。
さらに、本体に83Whのバッテリーも搭載されており、約4時間の連続駆動に対応する(「MobileMark 25」による自社計測値)。
CPUは第13世代CoreプロセッサのUシリーズで、モデルによってCore i3-1315U(Pコア2基4スレッド+Eコア4基4スレッド)またはCore i5-1335U(Pコア2基4スレッド+Eコア8基8スレッド)を搭載する。メモリは8GBまたは16GBで、SSDは256GB/512GB/1TBから選べる。
ボディーサイズは約552(幅)×149(高さ)×367(奥行き)mmとなっており、重量は約4.1kgだ。カラーは「Shell White」のみとなる。
HP傘下のゲーミング機器ブランド「HyperX」や、ビジネス向け音声デバイスブランド「Poly」からも、新製品が登場する。
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