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今度のSUPERはどうだ? 17万円切りで4Kでも快適に使える「GeForce RTX 4080 SUPER」を試す(4/4 ページ)

NVIDIA製新型GPU「GeForce RTX 4080 SUPER」を搭載するグラフィックスカードの販売が解禁された。日本未発売の自社設計カードを使って、本GPUのパフォーマンスをチェックしていく。

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クリエイター向けアプリでの性能をチェック!

 最近のGPUに求められるのはゲームの性能だけではない。クリエイター向けのアプリケーションを快適に動作させるのにも、高性能なGPUは求められている。簡単ではあるが、クリエイター向けアプリケーションでのパフォーマンスのチェック幾つか行ってみよう。

Blender Benchmark

 まず、2D/3Dアニメーション製作ツール「Blender」をベースとしたベンチマークテストアプリ「Blender Benchmark」のWindows版を用いて、パフォーマンスの比較を行った。今回は「Monster」「Junkshop」「Classroom」の3つのシナリオにおいて、1分間当たりの生成サンプル(オブジェクト)数を計測した。結果は以下の通りだ。

  • Monster
    • GeForce RTX 4080 SUPER:4501.148281個
    • GeForce RTX 4070 Ti SUPER:3674.178380個
    • GeForce RTX 4070 SUPER:3265.508743個
  • Junkshop
    • GeForce RTX 4080 SUPER:2129.966019個
    • GeForce RTX 4070 Ti SUPER:1765.212391個
    • GeForce RTX 4070 SUPER:1546.673981個
  • Classroom
    • GeForce RTX 4080 SUPER:2177.976374個
    • GeForce RTX 4070 Ti SUPER:1842.948375個
    • GeForce RTX 4070 SUPER:1624.561205個

 4080 SUPERはクリエイター向けアプリケーションでも圧倒的な性能を発揮する。差を見てみると「4070 SUPERと4070 Ti SUPER」よりも「4070 Ti SUPERと4080 SUPER」の方が大きい。

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 3Dモデリングは仕事はもちろんのこと、個人でも3Dプリンタで印刷するデータの作成に使う機会も増えている。より精密に、より高速にモデリングを行いたい場合は、GeForce RTX 4080 SUPERは魅力的といえる。


Blender Benchmarkの結果

Adobe Premiere Pro(4K動画書き出し)

 続けて「Adobe Premierer Pro」を使って、4K動画のエンコードに要する時間を比較してみよう。今回は「GoPro HERO 10」で撮影した数本の4K動画を30分ほどにまとめて書き出すのに要した時間をまとめた。結果は以下の通りだ。

  • GeForce RTX 4080 SUPER:7分6秒
  • GeForce RTX 4070 Ti SUPER:7分16秒
  • GeForce RTX 4070 SUPER:7分20秒

 今回テストしているGPUは同一のエンコーダー(NVENC)を搭載しており、4080 SUPER/4070 Ti SUPERには2基搭載されている。4080 SUPERの方が4070 Ti SUPERよりも若干速いのは、グラフィックスメモリの帯域の差(10%)がきちんと出た結果だと思われる。


Adobe Premiere Proの動画書き出し時間

4Kでゲームを楽しみたい人に最適なGPU

 GeForce RTX 40 SUPERシリーズの中で最後発となったGeForce RTX 4080 SUPERだが、最後を飾るには相応しいだけの高性能なGPUであることには間違いない。特に4K解像度でのゲームプレイ時の性能は高く、超解像技術のDLSSを使わずとも十分なフレームレートで遊ぶことができるパワーは魅力的だ。

 消費電力はOS起動後のアイドル時で85W、3DMarkのTime Spyを実行した際のピーク時で503Wだった。4070 SUPERと比べるとピーク時で130Wほど高い電力になるが、性能の差を考慮に入れると許容範囲といえる。


消費電力の比較

 ハイエンド志向でPCを選ぶ際には多数のパーツの中から主役としてGeForce RTX 4080 SUPERを選び、他のパーツで予算内に収まるようバランスを取っていくのがいいだろう。

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