「GeForce RTX 4070 SUPER」は実売9.6万円程度から買える“ちょうどいいGPU”だった ゲーマーやクリエイターにこそお勧め:先行レビュー(1/3 ページ)
CES 2024に合わせてNVIDIAが発表した「GeForce RTX 40 SUPERシリーズ」を搭載するグラフィックスカードが、1月17日から順次発売される。この記事では、日本未発売の同社純正カードを使って、本GPUの性能をチェックしていく。誰にお勧めなのだろうか……?【訂正】
NVIDIAが1月9日(米国太平洋時間)に発表した新型GPU「GeForce RTX 40 SUPERシリーズ」を搭載するグラフィックスカードの販売が、1月17日から順次始まる。
その第1弾として登場する「GeForce RTX 4070 SUPER」は、その名の通り「GeForce RTX 4070」の後継モデルという位置付けだ。搭載するグラフィックスカードの日本における想定販売価格は9万54800円からとなる。
今回、同社から自社設計のグラフィックスカード「GeForce RTX 4070 SUPER Founders Edition」(日本未発売)を借用できたので、その実力を検証していく。
【訂正:1月23日16時40分】初出時、GeForce RTX 4070 SUPER搭載のグラフィックスカードを「8万6000円から」としていましたが、NVIDIAから価格の訂正について連絡があったため、タイトルと本文の一部を訂正いたします
GeForce RTX 4070 SUPERのスペック
一部おさらいとはなるが、GeForce RTX 4070 SUPERのスペックをチェックしていこう。
先述の通り、本GPUはGeForce RTX 4070の後継となるGPUで、1080p(フルHD/1920×1080ピクセル)〜2160p(WQHD/2560×1440ピクセル)の解像度でのゲーミングを想定して開発された。本グラフィックスカードに搭載されているチップ(=定格仕様)における主なスペックは以下の通りだ。
- GPUコア:Ada Lovelaceアーキテクチャ
- SM(Streaming Multiprocessor):56基
- CUDAコア:7158基
- Tensorコア(第4世代):224基
- RTコア(第3世代):56基
- L2キャッシュ:48MB
- グラフィックスメモリ:12GB(GDDR6X/192bit)
- メモリ帯域幅:毎秒504GB
- 稼働クロック:1980MHz(基本)〜2475MHz(ブースト)
- 動画エンコーダー(NVENC):第8世代×1
- 接続インタフェース:PCI Express 5.0 x16
- 消費電力:最大220W(平均200W、推奨電源容量は650W)
GeForce RTX 4070と比べると、各種コアがおよそ1.2倍に増えている。これに伴いピーク時の演算性能はシェーダーが36TFLOPS、RTコアが82TFLOPS、Tensorコアが568FLOPSまで向上している。先代の「GeForce RTX 30シリーズ」(Ampereアーキテクチャ)において上から2番目のスペックとなる「GeForce RTX 3090」と比べても、ピーク時の性能は最大で1.5倍になるという。
よりパワフルになったことに伴い、消費電力はGeForce RTX 4070(Founders Edition)の200Wから220Wに微増している。それでも、GeForce RTX 3090(Founders Edition)比で消費電力は最大で130W削減している。ある意味で「省エネ」なGPUである。
グラフィックスメモリ回りや接続インタフェース回りの仕様は、GeForce RTX 4070と同様だ。
1世代前(GeForce RTX 3070)と2世代前(GeForce RTX 2070)とのスペック比較。3070とはTGP(最大消費電力)は同じだが、シェーダーでは1.8倍、RT(リアルタイムレイトレーシング)では2.05倍の演算能力を備え、Tensorコアの処理回数(TOPS)に至っては約3.5倍となっている。見逃してしまいがちだが、L2キャッシュが11倍になっていることにも注目したい
GeForce RTX 4070の平均フレームレートは、GeForce RTX 3090を上回るという。これは超解像技術「DLSS(Deep Learning Super Sampling)」を使わない状態だが……
次のページでは、ベンチマークテストを通して実力をチェックしていく。
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