PCの累計生産台数5000万台突破目前! 「島根富士通」が出雲にある理由(2/4 ページ)
富士通クライアントコンピューティング(FCCL)の子会社として、ノートPCやデスクトップPCの生産を担う「島根富士通」。2024年度第3四半期(2024年10~12月)にもPCの累計生産台数が5000万台を突破する見通しとなった。これに合わせて、5000万台記念モデルの製作計画をスタートしたという。
「5000万台記念モデル」はどうなる?
今まで“節目”で特別モデルを製作したのと同様に、島根富士通では累計生産5000万台の記念(特別)モデルも製作する方向で検討を開始している。同社の神門(ごうど)明社長によると、2024年度第3四半期(2024年10月~12月)には達成できそうとのことで、思ったよりも早く披露される可能性もある。
5000万台記念モデルについては、島根富士通社内で既に「プロジェクトチーム」が立ち上がっている。まだコンセプト作りの段階だが、同社が創業して以来培ってきた「メイドインジャパンの匠の技」、約35年間に渡り出雲市で行ってきた「出雲でのモノづくりを未来に継承」、将来に向けて地域と共に発展していく「モノづくりの発展と地域共生への願い」の3点を踏まえながら検討を進めていくという。
歴史ある出雲市には、多くの地元工芸品がある。4000万台記念モデルが天板に八雲塗を施したように、5000万台記念モデルも、地元の工芸技術を採用することを想定している。出雲市では「出雲ブランド」商品の認定を進めており、FCCLのPCもその1つに認定されている。こうした出雲ブランド同士でのコラボレーションもあるかもしれない。
例えば「出西窯」や「出雲黒柿」、組子細工、ガラスは、出雲市でも人気の地元工芸品だ。もちろん、PCの天板やボディーに陶器やガラスを採用するといったことは考えにくい。ただ、「利用」ではなく「展示」を前提として考える場合は、一般の常識には捉われない発想で検討が進むことも考えられる。
現在同社は「ワーキンググループ」の設置に向けた準備を進めており、新年度が始まる2024年4月から記念モデルの本格的な検討を開始するという。「出雲にこだわり、驚くものを作りたい」と、同社は意気込む。
どんな特別モデルが完成するのか、2024年秋を楽しみにしたい。
関連記事
「ボクが言うのもアレだけど、難しいよね」 島根富士通でFCCLの齋藤会長が20組の親子とPC組み立て教室に参加して漏らしたつぶやき
富士通クライアントコンピューティング(FCCL)と島根富士通が、夏休み恒例となるPCの組み立て教室を開催。2022年の大隈健史社長に続き、2023年は齋藤会長が20組の親子に交じって組み立て教室に参加した。予想外のポイントで“悪戦苦闘” 「縁結びのまち」で小中学生と共に富士通LIFEBOOKを組み立てる(後編)
富士通クライアントコンピューティング(FCCL)と島根富士通が、約3年ぶりにPCの組み立て教室を開催した。この記事では、実際に組み立てる過程をレポートする。千葉県からの参加者も 「縁結びのまち」で小中学生と共に富士通LIFEBOOKを組み立てる(前編)
島根富士通と富士通クライアントコンピューティングが、約3年ぶりとなる「パソコン組み立て教室」を開催した。編集部を代表して、筆者も小中学生とその保護者に混じって教室に参加してきたのでその模様をお伝えする。まず、島根富士通と教室の概要について紹介する。約3年前のノートPCのSSDを換装する 効果のほどは?【実践編】
PCのパワーアップやリフレッシュの手段の1つとして「ストレージの換装」というものがある……のだが、どのくらいの効果があるのだろうか。実際に試してみよう。今のPC市場で「匠の技」は本当に必要か 富士通の島根工場を訪ねて
富士通のPC事業が富士通本体から独立し、FCCLとなって1年。ノートPC製造拠点の島根富士通を公開し、長年培った「匠のモノづくり」をアピールした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.