約3年前のノートPCのSSDを換装する 効果のほどは?【実践編】(1/4 ページ)
PCのパワーアップやリフレッシュの手段の1つとして「ストレージの換装」というものがある……のだが、どのくらいの効果があるのだろうか。実際に試してみよう。
日々PCを使っていると、内蔵ストレージ(HDDやSSD)の容量不足、あるいはスピード不足に悩まされることが多い。以前、ここ数年のノートPCであれば内蔵SSDの換装(取り換え)が良いチューンアップ方法ではないかということで、その方法を簡単に紹介した。
方法の紹介から少し間が空いてしまったが、筆者手持ちのノートPCで“ちょうどよい”サンプルが用意できたので、SSDの換装を実践してみようと思う。果たしてうまく行くのだろうか……?
おことわり
ユーザー自身による内蔵M.2 SSDの換装は、メーカーやモデルによっては保証対象外の「改造行為」に該当する場合があります。「メーカー保証が無効化されるのは困る」という人は、保証規定を確認してから作業を行ってください。
また、M.2 SSDはノートPCとの「相性」で正常に動作しない場合があります。この記事は相性問題は考慮に入れていませんので、その前提で読み進めてください。
3年前のノートPCのSSDを換装する
今回SSDを換装するのは、富士通クライアントコンピューティング(FCCL)から2020年10月に発売された「LIFEBOOK UH90/E3」だ。主なスペックは以下の通りとなる。
- CPU:Core i7-1165G7(最大4.7GHz、4コア8スレッド)
- メインメモリ:8GB(LPDDR4X)
- ストレージ:512GB SSD(PCI Express接続)
- OS:Windows 10 Home→Windows 11 Home→Windows 11 Pro
本機は、WindowsのHomeライセンスからProライセンスへの変更や、島根富士通の取材を一緒にこなしてきたパートナーだ。導入から3年3カ月ほど経過したが、自分の手元にあるPCとしては珍しく買ってから一度も手を加えていない。OSのアップグレードはもちろん、ライセンスの変更も再インストールなしで済ませている。
このマシンに搭載されているSSDは、Samsung Electronics(サムスン電子)製の「MZVLQ512HALU-00007」だ。PCメーカー向けに出荷されているSSD「PM991シリーズ」の512GBモデルの1つで、公称スペックは以下の通りとなる。
- 接続インタフェース:PCI Express 3.0 x4(NVMe)
- 形状(フォームファクター):M.2 Type 2280
- シーケンシャルリード:毎秒2200MB
- シーケンシャルライト:毎秒1200MB
PCI Express 4.0接続のSSDが主流となる中、結構控え目なスペックなような気もするが、当時のM.2 SSDの主流がSerial ATA接続からPCI Express(3.0)接続に移行する中で出てきたモデルである。これでも、Serial ATA接続と比べれば十分に高速だ。
普段使いをする上では、このスペックでも全く問題ない。しかし、データストレージの残量が少なくなってきたせいか、書き出し速度が遅くなってきた。他のストレージにデータをバックアップして、空き容量を増やせば速度が回復するのは分かっているのだが、どうせだったらより容量の大きなSSDに移行して、速度低下を防ぐ方が、後々のことを考えると快適だろう――そう考えて、より大きな容量のSSDへの移行を検討し始めた。
このSSDの速度を「CrystalDiskMark 8.0.4」で計測した結果。シーケンシャルリードはおおむね公称スペック通りなのだが、シーケンシャル書き込みがかなり遅くなってしまっている。残り容量が少なくなってきた影響を受けている可能性がある
問題は、換装するSSDだ。
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