AI時代だからこそ読み書きスピードが重要――Micronが新型SSD「Micron 9550」「Micron 2650」を紹介
Micronが、データセンター向けSSD「Micron 9550」とクライアント機器向けSSD「Micron 2650」を相次いで発表した。この記事では、両製品の特徴を紹介する。
Micron Technologyは7月31日(日本時間)、同社製のNANDやSSD製品の最新情報に関する説明会を開催した。この説明会では、7月23日(米国山岳部標準時間)に発表されたデータセンター向けSSD「Micron 9550 NVMe SSD」と、7月30日(同)に発表されたクライアント機器向けSSD「Micron 2650 NVMe SSD」の特徴が紹介された。
速くて省エネな「Micron 9550 NVMe SSD」
Micron 9550 NVMe SSDは、同社のデータセンター向けSSDとしては初めて、PCI Express 5.0接続に対応している。「データセンター向けSSDとして世界最速」をうたっており、読み出し性能を重視した「Micron 9550 PRO」と、読み書きどちらも多い用途向けの「Micron 9550 MAX」の2シリーズが用意される。フォームファクターはU.2/E1.S(※1)に加えて、同社としては初めてE3.Sも取りそろえる。
(※1)Micron 9550 MAXと、Micron 9550 PROの30.72TBモデルはE1.S形状を用意しない
生成AIの流行を背景に、データセンターでは扱うデータ量と消費電力が増大している。そのため、データセンターで使われるストレージ(SSD)は「より高速な読み書きの実現」と「消費電力の削減」というある意味で“二律背反”な進化を求められているという。
Micron 9550 NVMe SSDは、そんなニーズに応えるべく登場した新モデルだ。読み/書き両方の高速化を図りつつ、用途にもよるが消費電力を同等スペックのSSD比で最大43%抑制したという。主なスペックは以下の通り(特記のない限り、MAXとPROで共通)
- NAND:Micron製(232層3D TLC)
- インタフェース:PCI Express 5.0 x4
- OCP:対応(2.0 r21)
- 容量:3.84TB~30.72TB(PRO)/3.2TB~25.6TB(MAX)
- シーケンシャルリード性能:最大毎秒1万4000MB
- シーケンシャルライト性能:最大6000MB~1万MB
- ランダムリード性能:2800~3300KIOPS
- ランダムライト性能:280~400KIOPS(PRO)/600~900KIOPS(MAX)
世界初の第9世代NANDを採用した「Micron 2650 NVMe SSD」
Micron 2650 NVMe SSDは、同社が同時に発表した新型TLC NAND「Micron G9 TLC NAND」を初めて採用したM.2 SSDだ。PCI Express 4.0接続で、物理サイズはType 2280/2242/2230の3種類、容量は256GB/512GB/1TBの3種類を用意している。
本製品が搭載するMicron G9は、世界初の「第9世代NAND」で、ピーク時に毎秒3.6GBの伝送が可能となっている。これは、従来の(第8世代)NANDと比べると最大1.5倍の速度だ。実装面積も最大28%削減されるため、より大容量のSSDを実現しやすくなるというメリットもある。
本製品の主なスペックは以下の通りだ。
- NAND:Micron製(Micron G9:第9世代3D TLC)
- インタフェース:PCI Express 4.0 x4(M.2)
- 容量:256GB/512GB/1TB
- シーケンシャルリード性能:毎秒5000MB(256GBモデル)/毎秒7000MB(その他)
- シーケンシャルライト性能:毎秒2500MB(256GBモデル)/4800MB(512GBモデル)/6000MB(1TBモデル)
- ランダムリード性能:370KIOPS(256GBモデル)/740KIOPS(512GBモデル)/1000KIOPS(1TBモデル)
- ランダムライト性能:500KIPOS(256GBモデル)/1000KIOPS(その他)
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