レビュー

「AirPods 4」はより小さく、より多機能に! 「AirPods Pro 2」は数億人の生活の質を変えうるデバイスに 林信行氏が速攻レビュー(1/4 ページ)

Appleのスペシャルイベントで登場した完全ワイヤレスイヤフォンの新モデル「AirPods 4」と、機能強化の「AirPods Pro 2」、そして「AirPods Max」の新色を林信行氏が試してみた。

 2016年、最初のAirPodsが登場した時、ケーブルもないバラバラの小さなピースがケースから取り出すだけでiPhoneとペアリングされる魔法のような体験に、そして身につけていることをほとんど感じさせずにユーザーを音楽で包み込む体験に世界が驚かされた。

 中には、当時はまだ珍しかった利用する姿を茶化す人もいた。しかし、世界中のファッションセレブやトップアスリートが身につけている姿がニュースやスポーツ中継で当たり前に見られるようになった頃には、もはやそんな声は目立たなくなった。

基本モデル「AirPods 4」に込められたAppleの優しさ

 2024年秋、この世界で最も人気のあるヘッドフォンが全面リニューアルされた。今回、最新の「AirPods 4」と「AirPods Max」を先行して試す機会を得たのでレポートしたい。

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 まずは、最も大きな変化を遂げたAirPods 4から見ていこう。

 AirPods標準モデルの4世代目となるAirPods 4だが、実は今回から2種類のバリエーションが用意されることになった。ほぼ従来通りの機能を提供するAirPods 4の基本モデルと、AirPods Proに迫る数々の機能を備えた「アクティブノイズキャンセリング搭載モデル(以下、ANCモデル)」だ。


Appleにおける完全ワイヤレスイヤフォンの標準モデル「AirPods 4」。2万1800円の基本モデル(左)に加え、新たに2万9800円でノイズキャンセリング機能(アクティブノイズキャンセリング)を備えたモデル(右)が追加された。ただし、両者とも外見はほとんど一緒だ。充電中やペアリング状態を示すLEDインジケーターの穴が無くなり、内側から光を透過するようになった。再ペアリング用のボタンもなく、フタを開いた状態でケースの正面を2度指の腹で叩くと再ペアリングモードになる。

 AirPodsと言えばヘッドフォンと耳の隙間を埋めるイヤーチップがない、ソフトな装着感のオープンイヤーヘッドフォンだ。このオープンイヤーヘッドフォンでノイズキャンセリングをするのは技術的にもかなり難しいはずだが、Appleはこれをやってのけてしまった。

 だが、基本モデルとANCモデルの違いはこのアクティブノイズキャンセリング(ANC)だけではない。本体を紛失した際に、iPhoneを使って探すことができる「探す」機能の対応や、USB Type-Cのケーブルをささないでも充電器に置くだけで充電可能なワイヤレス充電にも対応する。Qi(チー)という規格のワイヤレス充電機に加え、Apple Watch用充電機、iPhone用のMagSafe充電機にも対応している。


Qi準拠のワイヤレス充電にも対応した。Apple純正品はもちろんだが、MagSafe(iPhone用)/Qi(汎用)/Apple Watch用充電機能がある「Anker MagGo Wireless Charging Station(3-in-1, Foldable Pad)」の3つの充電端子全てで試したが、どれでも充電できた。ただし、マグネット吸着するのはApple Watch用だけだ(ケースが小さいためMagSafeにはくっつかない)

 これだけの違いがあって、基本モデルの価格2万1800円に対して、ANCモデルの価格は2万9800円と両モデルの価格差はたったの8000円だ。積極的に基本モデルを選ぶ理由はほとんどない。ただ、8000円の価格差を大きく感じる人もいるだろう。そうした人が基本モデルを購入したとしよう。実は両者の外観はほぼ一緒なので、装着している状態で見分けることはできない。これはAppleの優しさなんじゃないかと感じた。


AirPods 4の強化ポイント
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