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Fire TV内蔵でリモコンも付属する新型スマートディスプレイ「Echo Show 15 第2世代」 1.6倍になった価格に見合う? 試して分かったこと山口真弘のスマートスピーカー暮らし(4/4 ページ)

Amazonから、壁掛けにも対応したスマートディスプレイ「Echo Show 15」の新モデルが登場した。従来機からの変更点や進化点を実機を使って比較してみよう。

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Fire TVをほぼそのまま内蔵してリモコン操作にも対応

 さて本製品のメインの機能の1つが、冒頭でも紹介したFire TVとしての機能だ。従来はメニューの中に「ビデオ」とあったのが、今回は「Fire TV」となり、使い勝手も統一されている。画面サイズも15.6型ということで、スマホやタブレットと比べてもかなりの迫力がある。

 また本製品にはAlexa対応の音声認識リモコンが付属し、Fire TV関連の操作はこのリモコンを使って行えるようになっている。ちなみに、通常の画面でも音量調整やAlexaへの呼び掛け、さらにホーム画面とFire TV画面の切り替えなど一部操作については、このリモコンを利用できる。機能としては明らかに後付けなのだが、主要な操作だけはこのリモコンを使えるようにすることで、製品としての完成度を高めている格好だ。


メニューから「Fire TV」を選択すると表示される画面。Fire TV Stickなどのホーム画面と全く同様で、リモコンによる操作性も共通だ

ちなみにホーム画面にも小さく「Fire TV」というアイコンがあり、これをタップしても起動できる。機能としてかなり優遇されていることが分かる

付属のリモコン。Fire TV以外の操作も部分的に対応する

Alexaボタンを押し続けることで音声入力が行える。ウェイクワードで呼び掛けなくとも音声入力が行えるので便利だ

ホームボタンを一度押すとFire TVのホーム画面が表示される

もう一度ホームボタンを押すと、本製品のホーム画面が表示される。電源ボタンを押した場合もFire TVの画面が終了し、この画面に戻る

 ただし、気になる点もなくはない。1つはサウンドが必ずしもよいとはいえないことだ。本製品のスピーカーは側面と背面の間にある、ナナメになった面に配置されており、音は背後に抜けてしまうため、人の声などは全体的に聞き取りにくい。メーカーによると低音を強化したそうだが、全体的にくぐもった音になってしまっている印象だ。

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 特に壁掛けではなくスタンドに立てた状態では、音が壁に跳ね返らないせいか、この傾向は強くなる。しっかりと音を聞きたければ壁掛け設置が望ましいのだが、動画を観るのであれば壁掛けよりもスタンド設置の方が角度や向きも変えられて便利だったりする。

 いずれにしても本製品において、どのように設置するかは、ある意味で製品の評価そのものに影響しかねない重要なポイントだ。事前に考えていた設置場所ではどうもフィットしない場合、思い切って設置方法ごと変えてみるくらいの思い切りは必要になる。またそのためには、いざという時に設置のやり直しができるようにしておくのがベターだろう。

定まった製品の方向性 ネックは価格か

 以上のように、ハードウェアとして大きく変わっているわけではないのだが、Fire TVを内蔵し、動画再生端末としての性格がより一層強くなっている。いまひとつつかみどころのなかった第1世代と異なり、ユーザーのニーズが分かったことで製品の方向性もしっかりと定まってきた印象だ。わざわざリモコンを追加したことからも、それは明らかだろう。

 その分、実売価格は4万7980円とそこそこのお値段になった。同等サイズのモバイルディスプレイの多くが2~3万円台で、そこに音声アシスタントやFire TV相当の機能を搭載していることを考えると妥当ではあるのだが、従来モデルはリモコン別売とはいえ2万9980円だったので、やはり割高な印象は否めない。

 本製品のターゲットユーザーは、既にEchoを始めとして家庭内にAlexaが使えるネットワークが構築されているおり、既存のEchoでは満足できない人ということになるだろうが、セールで安くなる機会もあまりない製品だけに、予算面ではちょっとした覚悟が必要になりそうだ。


本製品と同じく壁掛けの「Echo Hub」(2万5980円)とのサイズ比較。スマートホームデバイスの操作が目的ならばこちらを選ぶ手もあるだろう
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