M4チップが載った新型「MacBook Air」に見る、AI時代に向けた進化とAppleの戦略 光の加減で色調が変化する新色スカイブルーにも注目:本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/3 ページ)
随所にAppleが示す戦略的なメッセージが感じられる。改めて製品仕様を振り返った上で、実機による評価を進めよう。
スペースグレイに代わる、新色スカイブルー
さて、前述したようにスカイブルーがMacBook Airに新色として投入された。
個人的な感想を言えば、これまでAppleが投入してきな染色アルミの中でも、もっとも上品な風合いを持っている。淡いメタリックブルーのボディーは光の加減で色調が変化し、シルバーに近い輝きを感じる一方、ターコイズブルーの落ち着いた水色も感じる。
見る角度や環境光によって微妙に色味が変化するが、一貫しているのは“控えめ”であることだ。派手すぎず、主張はしない。そして爽やかな印象は、パーソナル向けの製品として、間違いなく人気の選択肢になるだろう。
外観デザイン自体はM2世代で刷新されたユニボディーを踏襲しており、薄型軽量でファンレスという特徴に大きな変更はない。
なおスカイブルーの追加によって、定番カラーだったスペースグレイが廃止された。シルバー、スターライト、ミッドナイトを加えた4色構成となる。
画面上部のノッチ(カメラ配置部)や大きなファンクションキー+Touch ID内蔵キーボードも健在だ。つまり、新モデルの外観上のトピックは、スカイブルーの追加以外にはない。
しかし、内蔵カメラは1200万画素のセンターステージ対応カメラにアップデートされており、AIを活用したリアルタイムの追尾機能を備え、ユーザーの動きに合わせて自動的にフレーミングを調整する。また、デスクビュー機能が追加されたことで、会議中に手元の資料や書き込みを簡単に相手に共有できるようになった。
あらゆるユーザーの用途をカバーする万能モデル
MacBook Airはミニマルな構成が魅力な“文房具的”モバイルコンピュータとして登場し、その後、エントリークラスの製品として定着した。
しかし、M1 MacBook Air以降において、薄型ノートブックの性能、機能が強化され利用領域が広がり、今回のM4 MacBook Airでは、日常的な用途から本格的なクリエイティブ作業までを幅広く快適にこなせる万能性を備えるに至った。
CPUやGPUの底上げはもちろん、将来に向けてのAI性能の大幅な向上、新色スカイブルーの美しい仕上がり、内蔵カメラの機能向上、外部ディスプレイへの拡張性など、外観に大きな違いが少ない反面、ユーザーが実際に手にしたときに体感できる進化が詰まっている。
M1 MacBook Air以前のユーザーはもちろんだが、M2 MacBook Airからでも違いは感じられるだろう。
こうした基本性能の向上に加え、Appleは外部ディスプレイへの対応強化という形で、本機の万能性を高めている。MacBook Airはこれまで、外部ディスプレイを1台しか接続できなかったが、今回からは2台を同時接続できるようになった。動画編集や画像編集、プログラミング作業といった用途で、デスクの上での作業性が大幅に向上するはずだ。
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