1年で大幅進化した「Insta360 X5」先行レビュー センサー大型化と新映像エンジンの実力を“X4”と比較した:武者良太の我武者羅ガジェット道(1/3 ページ)
「Insta360 X5」が登場! 大型センサーと新エンジンで画質向上、8K30fps、5.7K60fps HDRに対応。レンズ交換も可能に。
2024年4月に旧モデルのInsta360 X4が発売されてから約1年、早くも「Insta360 X5」が登場しました。いまや360度の全天球カメラカテゴリーで、もっとも注目されているシリーズの最新作です。
気になるお値段ですが、日本では8万4800円(税込)からとなっております。円相場の兼ね合いもあるでしょうが、年々高くなってきましたねえ。とはいえ、これはコロナ禍以降のデジカメ全体にいえること。
新たに全天球カメラを求めるのであれば、最新こそ最良ゆえ、今買うべきベストなモデルとなりますが、Insta360 X4などの旧モデルを持っている方は買い替えるかどうか悩むところでしょう。
そこでInsta360 X4との比較を踏まえながら、Insta360 X5の先行レビューをお届けしましょう。簡単にまとめると「買い替えても満足できる! センサーサイズ大型化が効いてる!」なのですが。
サイズ/重さはあまり変わらないが、スペックは段違い
Insta360 X5における最大のトピックは、新型センサーの導入です。ボディーサイズはほぼ同じでありながら、Insta360 X4が1/2インチのセンサーを搭載していたのに対し、Insta360 X5は1/1.28インチ、つまり144%も大きいセンサーを組み込んできました。
センサーサイズの大型化による好影響はみなさんご存じだと思いますが、メーカーとしても自信があるのでしょう。「13.5ストップのダイナミックレンジを実現した」とアピールしています。筆者の知る限り、コンシューマー向け全天球カメラで、ダイナミックレンジの数値を公開するのは初めてのはず。
映像エンジンの刷新もInsta360 X5の大きなセールスポイントとなっている模様です。以前から使われてきたであろう5nmのAIチップに加えて、ノイズリダクションと画像処理のための「デュアル・プロ・イメージング・チップ」を組み込んできました。
メーカーサイドに確認したわけではありませんが、“デュアル”ということは、前後のカメラセンサーが出力するそれぞれの映像信号を1枚ずつ処理する回路を導入したものと考えられます。
Insta360 X4と比較した、その他のアップデートポイントも見てみましょう。
| センサーサイズ | 画像処理チップ | 360度動画最大解像度/フレームレート | アクティブHDR | 連続撮影時間 | レンズ交換 | 防水性能 | 急速充電 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Insta360 X5 | デュアル1/1.28インチ | トリプルAIチップ(デュアル・プロ・イメージング・チップ+5nm AIチップ) | 8K30fps、5.7K+30fps、5.7K/60fps | 5.7K60fps | 180分(5.7K/30fps耐久モード) | 可能 | 15m防水 | 20分で80%まで |
| Insta360 X4 | デュアル1/2インチ | 5nm AIチップ | 8K30fps、5.7K+30fps、5.7K60fps | 5.7K/30fps | 135分(5.7K/30fps、ラボ環境) | - | 10m防水 | - |
映像そのものの最高画質は8K/30fpsと同等ですが、HDR撮影時の最高画質が5.7K/30fps→5.7K/60fpsとなりました。また、外観がスリット状のパネルから幾何学的な形状に変化しています。連続撮影時間が135分→180分と大幅に伸びているので、放熱効果も高くなったのでしょう。
本体の防水性能も耐えられる水深が10m→15mと向上しました。キープコンセプトな形状ですが、内部構造を含め大幅に進化しています。
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