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新品は絶滅、中古は高騰──「令和にMDを聞きたい」と願った筆者が、理想の再生環境を整えるまでの一部始終(1/3 ページ)

1枚の古いMDに刻まれた20年前の記憶──。サブスク全盛の今、あえて「MD環境」の復元に挑んだ筆者の記録をコラム形式で紹介したい。

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 音楽を聞こうと思い立ったとき、真っ先に手に取るのはスマートフォンだろう。Apple MusicやSpotifyといったストリーミングサービスへの加入は今や珍しくなく、PCでも利用できる利便性から、外出先のみならず自宅での視聴もストリーミングに頼るのが一般的となっている。

 また、YouTubeには多くのアーティストが公式チャンネルを開設し、ミュージックビデオやライブ映像を無料で公開しているため、視覚と聴覚の両面で音楽を楽しむスタイルも定着している。

 しかし、そんな時代の潮流に逆行するように、筆者は数年前から「MD」(ミニディスク)の再生環境を整えることに没頭している。きっかけは久々に見つけた、1枚のMDだ。

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四半世紀前に録音された1枚のMD。これを再び聞きたいと思ったのが全ての始まりだ

ここにしかない、1枚のMD

 自宅で見つかったそのMDには、あるラジオ番組の最終回が録音されていた。日付は「2002年3月31日」。今から四半世紀近くも前に録音した音源が入っている。

 少々青臭い、こっぱずかしい話をすると、このMDは筆者が学生時代に交際していた相手に貸していたMDだ。録音されている音源は当時筆者がハマっていたバンドがパーソナリティーを務めていた番組で、彼らの音楽を聞いて一緒にハマってほしい一心で、彼らのCDや、CDから録音したMDと共に貸していた。

 その相手とはいろいろあって別れてしまったのだが、このラジオの最終回が録音されたMDだけは「そのMDでしか聞けない」ということで、お互いに会うことに気まずさを感じながらも返してもらい、今も筆者の手元にある。

 返却してもらった当時は、既に普段の音楽再生環境がiPodといったDAP(デジタルオーディオプレーヤー)に移行していたが、自宅のMDコンポやポータブルMDプレーヤーで聞けた。

 だが、現在はそうしたMDを再生できる機械は手元にない。現代でこのMDを聞くにはどうしたらいいか。

 録音されている中身は決して音質がいいとはいえないラジオ番組なので、安価なMDを再生できるラジカセのようなものでも買おうと考えたのだが、令和の時代にMD再生に対応した新品の製品は存在しない。

 いろいろ調べてみると、一般向けの製品は2010年代前半から半ばごろを最後に生産終了となっていた。業務用であれば比較的最近まで生産/販売されていたようだが、そこまで高価なものを買うのは、1枚のMDに対して割く予算としては現実的ではない。

 ならばということで、筆者が頼ったのは中古だ。

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