13.3型の電子ペーパー「BOOX Tab X C/NoteMax」を試す “巨大サイズ”が最大の魅力、2機種の違いは?:「目指せ↑ワンランク上の仕事術」デジモノ探訪記(1/2 ページ)
企業や組織のIT部門を支援してきた石黒直樹氏が、実際に使っていて仕事に役立つと思ったものや、これから登場する新製品、新サービスをいち早く試してレビューする連載。
筆者は以前から電子ペーパー端末を愛用しており、カラー/モノクロ問わずさまざまなサイズの製品を試してきました。これまでに多くのレビューも手掛けています。
今回は13.3型の「BOOX TabXC」(カラー)と「BOOX NoteMax」(モノクロ)を試用する機会に恵まれました。
正直、持った瞬間に「デカっ」という印象だったのですが、使い始めると「そうそう、このサイズって書きやすいんだよなー」ということを思い出しました。昔を振り返ってみると、2017年に発売されたソニーのA4サイズ電子ペーパー「DPT-RP1」も、まるで紙に書いているような感覚でメモを取れる点が印象的でした。この大画面の利便性を理解されている方には、今回試用したBOOXの電子ペーパーは非常におすすめです。
「TabXC」と「NoteMax」、似ているようで細部は違う
BOOX TabXCとBOOX NoteMaxは、いずれもAndroidを搭載した13.3型電子ペーパー端末です。
発売時期は、TabXCが2025年5月、NoteMaxが2025年1月と、カラーのTabXCがニューモデルとなります。
価格については、TabXCが13万8000円、NoteMaxが12万4800円となっており、両者に大きな差はありません。しかし、いずれも気軽に購入できる価格帯ではないといえるでしょう。
これらの端末を比較すると、一見すると「カラーの方が優れている」と思われがちですが、実際には甲乙つけがたい点も存在します。
他のサイズの電子ペーパー端末と同様に、カラーモデルのTabXCは150PPI(Pixels Per Inch)であるのに対し、モノクロモデルのNoteMaxは300PPIと、モノクロの方が表示がより精細で美しいです。また、TabXCの方が画面がやや暗く感じられます。モノクロでよりはっきりとした鮮やかな表示を求めるのであれば、NoteMaxの方が適しているでしょう。
しかしながら、TabXCにはフロントライトが搭載されており、多少暗く感じても、ライトで明るさを補うことが可能です。一方、NoteMaxにはフロントライトが搭載されていません。
両モデルともに本体はスリムなデザインです。TabXCは厚さが約5.3mm、NoteMaxに至っては約4.8mmと非常に薄型です。カメラが搭載されていないため、背面は完全にフラットで、机に置いてもぐらつきません。これは個人的に非常にうれしいポイントです。
使用できるペンの種類も両者で異なります。TabXCは充電式の「BOOX InkSpireスタイラス」に対応しており、4096段階の筆圧感知、傾き検知、そして触感フィードバック機能を備えています。
一方、NoteMaxはこれまでのBOOX端末で採用されてきた充電不要の「BOOX Pen Plusスタイラス」に対応しています。さらに、消しゴム機能付きの「Pen 2 Pro」も利用可能です。
写真の通り、黒いペンがInkSpire、白いペンがPen Plusです。個人的には、充電不要なPen Plusの方がやはり手軽だと感じます。もちろん、InkSpireも本体にマグネットで接着すれば充電できるため、実際に困る場面は少ないでしょう
どちらのモデルもmicroSDメモリーカードスロットがない点には注意が必要です。内蔵ストレージは両モデルともに128GBです。
比較対象として、13インチiPad Proを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実は物理的なサイズは13インチiPad Proの方が小さいです。
重さについても、TabXCが約625g、NoteMaxが約615gと、ずっしりとした重さを感じます。これは、最新の13インチiPad Pro(M4)のWi-Fiモデルが579gであることを考えると、iPad Proの方が軽量です。同機の厚さも約5.1mmと遜色なく、あらためてiPadの完成度の高さを感じさせられます。
従って電子ペーパー端末の方が常に小さくて軽いというわけではない点には留意する必要があるでしょう。
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