約10万円で買えるWindows on ARMの検証機として「Lenovo IdeaPad Slim 5x Gen 9」はちょうど良い(3/4 ページ)
「検証機の調達コストをある程度抑える方法はないのだろうか」と考えていたところちょうどいいデバイスを見つけたので紹介したい。
IdeaPad Slim 5x Gen9のパフォーマンスをチェック!
外観チェックはこれくらいにして、廉価モデルとなるSnapdragon X Plusのパフォーマンスをいくつかのベンチマークテストを通してチェックしてみよう。なお、今回手元に用意したIdeaPad Slim 5x Gen 9の主なスペックは以下の通りだ。
- CPU:Snapdragon X Plus X1P-42-100 8コア(マルチコア時最大周波数3.2GHz、シングルコア時最大周波数3.4GHz)
- GPU:Adreno GPU(1.7TFLOPS)
- NPU:Hexagon NPU(45TOPS)
- メモリ:LPDDR5X-8448(16GB)
ベンチマークテストの参考値として、Snapdragon Xシリーズの最廉価モデルのSnapdragon X X1-26-100を搭載した「Zenbook SORA」で測定した結果と比較しているので参考にしてほしい。Zenbook SORAの主なスペックは以下の通りだ。
- CPU:Snapdragon X X1-26-100 8コア(マルチコア時最大周波数3GHz)
- GPU:Ardeno GPU(1.7TFLOPS)
- NPU:Hexagon NPU(45TOPS)
- メモリ:LPDDR5X-8448(16GB)
Geekbench 6
まずはクロスプラットフォームに対応し、Arm版Windowsにも対応したGeekbench 6で、CPU性能とGPU性能を測定した。結果は以下の通りだ。
- IdeaPad Slim 5x Gen 9
- CPUシングルコア:2367ポイント
- CPUマルチコア:1万1379ポイント
- GPU:1万31ポイント
- Zenbook SORA
- CPUシングルコア:2038ポイント
- CPUマルチコア:1万386ポイント
- GPU:9595ポイント
IdeaPad Slim 5x Gen9に搭載されているSnapdragon X Plus X1P-42-100は、シングルコア時の最大周波数が0.2GHz高く、マルチコア時の最大周波数は0.4GHz高いこともあって、シングルコア性能は約16%、マルチコア性能は約10%高いスコアを示している。
Zenbook SORAは約899gとかなり軽量なモバイルノートPCだが、その分、実売価格は約15.8万円と高価だ。IdeaPad Slim 5x Gen9は重量を犠牲にする代わりに、実売価格10万円以下で購入できることに加えて優れたパフォーマンスを発揮するため、検証機として考えるとコストパフォーマンスの高いモデルと言えよう。
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