レビュー

SSDだけが選択肢じゃない! ゲーミング“HDD”「WD_BLACK P10 Game Drive」の実力を検証ポータブルストレージの道(2/3 ページ)

ゲーマーは何事もスピードが命だ。よって「ゲーム用ストレージはSSD以外考えられない」という考えもあるだろう。しかし、「ゲーミングHDD」という製品が世の中に存在していることを知っているだろうか。今回はコストパフォーマンスとスピードのバランスの良いとされる「WD_BLACK P10 Game Drive」を検証していく。

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写真も動画も編集作業には問題なし

 検証に使ったのは、普段使いしている「ONEXPLAYER X1 Mini」だ。これは、8.8型ディスプレイにAMD Ryzen 7 8840Uと32GBメモリを備え、着脱可能なゲームリモコンとキーボードを備えた、ゲームもビジネスもこなせる3in1 PCだ。

 インタフェースにUSB 3.2 Standard-A×1基、USB4×2基を備えているので、P10 Game Driveに付属するケーブルをそのまま使える。

 下準備として、P10 Game Driveにデジタルカメラで撮影した未加工のデータを200枚(約989MB)、また記事に掲載するような短い動画を複数本保存しておく。ちなみに、写真データをP10 Game Driveに保存するのにかかった時間は14秒だった。

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 そして、そこから編集作業を行い、読み出しや書き込みにどれだけ時間がかかったかを見てみたい。

写真編集では気にならない速度

 P10 Game Driveに保存してある写真を16枚連結したところ、14.1MB、1万9756×1万4892ピクセルの画像を作成できた。作成した画像をP10 Game Driveに保存したところ、かかった時間は約5秒であった。


16枚の画像を連結した。写真と写真の間に100ピクセルの余白を入れているので、2万ピクセル近くのサイズの画像が出来上がった

 その画像にテキストや図形を複数挿入し、ファイルサイズが14.3MBと微増したものを別名でP10 Game Driveに保存したところ、約6秒かかった。


サイズの大きな画像にテキストや画像などを入れていく

 PC内ストレージと異なり、1拍置いてから保存されているという印象は拭えないが、5秒や6秒であれば、全くストレスを感じない。そもそもWebメディアへ寄稿する筆者の場合、写真1点の容量は300KB未満に抑えている。10MB超えのデータを保存するということはほぼない。そのため、P10 Game Driveであれば、撮影した写真を取りあえず保存しておき、そこから直接読み出して編集するという使い方が現実的なものであるということが分かった。

編集した動画を保存するのには時間がかかる

 たまに発生する動画編集作業についても、リアルで使えるかどうかを試してみたい。29.9MB、84.1MB、96.7MBの動画ファイルを、Adobe Premiere Proを使って各動画にトランジション(クロスディゾルブ)をかけて1本に仕上げていく。作成した約1分尺の動画を保存するのにどれほど時間がかかるかをチェックしたい。


3つの短い動画をつなげて編集しているところ。P10 Game Driveに保存してあるファイルを直接読み込んで作業している

 ファイル容量323MB、尺は1分7秒のものが完成し、P10 Game Driveに保存するのにかかった時間は約35秒だった。なお、プロジェクト保存にかかった時間は3秒未満だ。

 1分から2分程度の短い動画を扱うのであれば、P10 Game Driveから直接読み出して、完成したものを保存するという運用もありだと感じた。

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