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わずかな光で充電できるワイヤレスキーボード「Signature Slim SOLAR+ K980」を試す もうUSB充電はいらない(3/3 ページ)

ワイヤレスデバイスの宿命ともいえる「バッテリー切れ」の生じないキーボードが登場した。ロジクール「Signature Slim SOLAR+ ワイヤレスキーボード K980」だ。じっくり試す機会を得たので、本当にバッテリーが切れないのか、また専用アプリケーションの使い勝手も検証する。

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アプリケーションごとにキーカスタマイズできる

 フルキーをカスタマイズできるキーボードは市場で珍しくないが、K980は23個のキーしかカスタマイズできない。物足りなく感じるかもしれないが、Logi Options+では、開いているアプリケーションごとにそれらのキーをカスタマイズ可能だ。

 例えば、K980の「ロック」キーを押し込むと、通常はPCがロックされスリープに入るが、Zoom起動中であれば録画アプリを一発で起動するといった設定が行える。


Zoomを開いている間だけ、ロックキーを押し込んだときに録画アプリが立ち上がるようにした。会議中に勝手にスリープに入るという事故も防げるので一石二鳥だ

 このアプリケーション別カスタム設定は、デフォルトで「グローバル設定」の他、「Microsoft Teams」と「Zoom」が登録されているが、アプリケーションを追加することもできる。

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 試しに筆者が追加したのは「Chrome」で、「Insert」キーを押すことで、「Shift」+「D」のショートカットが実行されるようにした。よく使うGoogleフォトのショートカットキー「ダウンロード」を1つのキーで行えるようにした。


アプリケーション用カスタム設定を追加するには、まず「+」をクリックしてPCにインストール済みのアプリケーションリストを開く

ここではChromeを選んで、「確認」をクリックした

「デバイスが構成されました」と表示されるが、カスタマイズはこれからだ

ほとんど使うことのない「Insert」キーを選んでから「キーボードショートカット」として「Shift」+「D」を割り当てた。なお、キーを押すだけでこのように「Shift+D」が入力される

 一体、いくつのカスタム設定アプリケーションを登録できるのだろうかと試したところ、“いくつでも”追加登録できた。PCにインストール済みのアプリケーションほとんど全て、少なくとも51個まで確認できた。


14のアプリケーション用カスタム設定アイコンが登録されている状態で、試しにどんどんとアプリケーションを追加していった結果。合計51のアプリケーションでカスタム設定ができるようになった状態だ

 カスタム設定アプリケーションを削除するには、Logi Options+上で削除したいアプリケーションにマウスオーバーして、表示される「×(削除)」ボタンをクリックするだけだ。追加登録時と異なり、1つずつ削除していくのが地味に手間だが、必要な設定まで誤って削除することのないようにという配慮なのだろう。


マウスオーバーして表示される「×」をクリックする

削除して良いかたずねるダイアログボックスが表示されるので、問題なければ「削除」をクリックしてアプリケーション用カスタム設定を削除しよう

時短設定をキーボードで!

 Logi Options+には、仕事を始めやすくする機能がある。それが「Smart Actions」だ。これは複数のタスクを自動化するもので、K980との組み合わせではキーのいずれかをトリガーとして利用する。

 例えば、PCを立ち上げた後にChromeを立ち上げて、仕事用のメール、Googleカレンダー、Gmail、Googleドライブを各タブで開く、といったことが、たった1つのキーを押すだけで行える。仕事前のルーティンを自動化できるのは愉快だし、これだけで「さぁ、作業しようかな」という気持ちにさせられる。


Smart Actionsボタン

作業用や休憩用などさまざまなテンプレートがあるので、作成したいものに近いものを選んで「追加」しよう

これはGoogle Suiteで作業する人向けのテンプレートだ。新規タブにGoogle DriveやGmail、Googleカレンダーなどを自動的に開く

鉛筆アイコンのあるものは、クリックして編集できる。ここではGoogle Driveの代わりにブラウザ版Outlookを開くように編集している。タブを開いて必要なサイトにアクセスするというアクションを好きなだけ追加できるので、1日の終わりにPCをシャットダウンしても、翌日の作業開始が面倒に感じないだろう

 Smart Actionsの利用にはLogi IDの作成とログインが必要だ。これにより、他のデバイスとK980を接続した際にもSmart Actionsを“持ち運ぶ”ことができる(要設定)。なお、IDで連携できるのはSmart Actionsのみで、アプリケーション用カスタム設定は端末ごとに行う必要があるので注意したい。

接続性やチャタリングは?

 Bluetoothキーボードでありがちな悩みが、PCをスリープから復帰できない、PC立ち上げ直後の復帰が遅い、チャタリングが生じる、入力が遅れるといったものだろう。

 筆者のケースでは試用期間中にこれらが生じなかったこともあり、快適であった。PCがスリープ状態に入っていても、K980のキーのどれかを1度押せば復帰してロック解除画面まで表示できたし、何度もキーを押す必要もなかった。

 職業柄、比較的タイピングスピードは早い方だが、タイピングしていて画面への文字の表示が遅れるまたは漏れるということはなく、よく追随し、さらにチャタリングが生じるといった不具合も見られなかった。


 ワイヤレスキーボードなのに、バッテリー切れを心配する必要のない解放感、しっかり確保されたキーピッチによるタイピングのしやすさ、遅延もチャタリングもないスムーズさに加え、柔軟なカスタマイズ性をK980は備えている。

 Logi Options+を使って自分色に染めていけば、愛着のわく1台になることだろう。

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