没入感抜群の360度ドローン「Antigravity A1」を楽しむには“国の許可”が必要? 知っておくべき航空法の基礎と申請のリアル(2/3 ページ)
360度ドローン「Antigravity A1」を日本で飛ばすには、航空法に基づく機体登録や「目視外飛行」の承認が不可欠です。DIPS2.0での申請手順から練習場所の確保まで、初心者が合法的に新時代の没入体験を楽しむための重要ポイントを徹底解説します。
ゴーグルを付けて飛ばす=「目視外飛行」として国の飛行承認が必要
ただし、前段で飛行禁止空域や禁止された飛行方法があると説明しましたが、こうした空域であったり、禁止された方法で飛行させたりすることも可能です。
これを「特定飛行」といい、あらかじめ航空法を所管する国土交通省から飛行の許可/承認を得る必要があります。特にA1はゴーグルを装着し、その映像を見ながら飛行させるため、飛行方法の「目視で飛行させること」というルールに抵触します。
よって少なくとも「目視ではない=目視外飛行」の承認を受けて飛ばさないといけません。
もちろん、その他にも飛行させる場所が人口集中地区であったり、飛行範囲が第三者の人または物件から30m以内となる場合には、これらの許可/承認も受ける必要があります。
この航空法上の飛行の許可/承認を受けるには、10時間以上の飛行経験があれば誰でも申請することはできます。
ただし、例えば目視外飛行の承認を受けたとしても、承認の条件として「飛行マニュアル」を用意することになっていて、その中で、目視外飛行をするには、飛行中の機体周辺や地上の第三者の立ち入りを監視する「補助者」を配置しなければなりません。
そのため原則として、A1で目視外飛行を行うには、ドローンを飛ばす自分自身以外に、誰かに補助者になってもらう必要があります。
また、航空法上の無人航空機に該当するドローンを飛行させるには、国(国土交通省)に機体を登録し、交付される登録記号(IDのようなもの)を機体に記しておく他、飛行中は登録記号を「リモートID」として電波で送信しなければなりません。
この、機体登録を車に例えると、新車や中古車を手に入れると同時に、最寄りの陸運事務所に申請して、ナンバープレートを交付してもらい、車に取り付けておかなければならないというルールと同じような制度です。
ドローンの行政手続きは全て国土交通省のWebサイト「DIPS2.0」上で
さて、ここではA1を手に入れた人が、実際に飛行させるために必要な手続きを説明しましょう。
まず、機体を手に入れたら機体の登録を行います。この機体登録の手続きに限らず、飛行の許可/承認の申請など、航空法上の申請手続きは、「DIPS2.0」(ドローン情報基盤システム)と呼ばれる、国土交通省のWebサイトで行うことになっています。そのため、最初にこのDIPS2.0のアカウントを作成しましょう。
アカウントを作成したら、操縦者の情報を登録します。その上で、機体登録メニューからA1を選び、そこに手持ちの機体のシリアル番号を入力して登録を行います。
登録が完了すると、主に「JU」から始まる登録記号が交付されます。この登録記号はA1の機体に天地3mm以上の大きさの文字で表面に直接書くなり、テプラのようなネームシールなどを使って貼り付けておきましょう。なお、機体登録には1機ごとに900円の手続き費用が必要(申請方法によって異なります)です。
DIPS2.0上で機体登録が完了したら、今度はA1のアプリ上でリモートIDの設定を行います。この設定はアプリを操作していくと、自動的にアプリがDIPS2.0のサイトに接続する形で、交付された登録記号をDIPS2.0から読み出し、アプリを介してA1の機体に書き込みます。
この書き込みが完了すれば、ドローンが飛行すると自動的にリモートIDという形で、登録記号を電波で送信する仕組みになっています。
この機体登録が完了したら、目視外飛行について、国土交通省に飛行の許可/承認申請を行います。手続きは、機体登録と同様にDIPS2.0の「飛行許可・承認メインメニュー」から行います。「新規申請」を選択し、画面の指示に従って必要事項を入力していきましょう。
飛行の日時、場所、目的といった概要の他、操縦者、機体、飛行体制などの情報を入力していきます。この中には保険加入の有無とその内容といった情報も入力します。
なお、飛行の許可/承認申請は、飛行を希望する日の10営業日より前に行う必要があります。つまり、祝日を挟まない場合で、2週間以上前に申請しなければならないということです。
こうした申請を飛行させる度に行うのは煩雑なので、飛行の日時や場所を特定しない形で、許可/承認を受けた日から1年間有効となる、いわゆる“包括申請”も可能です。ただし、趣味で飛行させる場合は、この包括申請はできません。
飛行の許可/承認を受けたら、ようやくドローンを飛行させることができます。許可/承認を受けるような特定飛行を行う場合は、事前に飛行の日時や経路(場所)といった情報を含む飛行計画を、国土交通大臣に対して知らせなければなりません(通報と表現します)。
この通報もDIPS2.0上で許可/承認の番号や日時、操縦者や機体といった必要事項を入力します。もし、同じ時間帯に同じ空域で他にドローンを飛行させる計画がある場合は、その操縦者と調整を行うことになっています。
そして、実際に飛行させる現場では飛行の許可/承認証を携帯しておく必要がある他、申請時に提出した飛行マニュアルに従って飛行させなければなりません。また、飛行の許可/承認にかかわらず、航空法では飛行前後に定められた方法でドローンの点検を行い、飛行後は「飛行日誌」を作成する必要があります。
また、小型無人機等飛行禁止法が定める施設周辺地域の上空を飛行させる場合は、事実上、最寄りの警察署へ48時間前までに飛行を届け出なければなりません。さらに自衛隊や米軍施設周辺の場合は、自衛隊や米軍施設に対しても同じように届け出が必要です。
関連記事
Insta360初ドローン「Antigravity A1」実機レポ 360度カメラが生む“空中を自由に見渡す”没入感とは?
Insta360初のドローン「Antigravity A1」を実機レビュー。8K・360度カメラを搭載し、操縦者の顔の向きに連動する圧倒的没入感を実現。直感操作や後から構図を選べる利便性など、空撮の新境地を詳しく解説します。なぜ発売? ドローン規制が厳しい日本でInsta360の新ドローン「Antigravity A1」が登場 その背景は
クリエイターやプレス向けにローンチイベントが開催され、室内での飛行デモが披露された他、開発の背景などについて担当者が語った。“空飛ぶ360度カメラ”「Antigravity A1」日本上陸 8K撮影/249g以下、20万9000円から
Antigravityは、8K/360度撮影対応のドローン「Antigravity A1」を日本でも発売した。重量249g以下で、直感的な操作を特徴とする。Insta360、8K/360度撮影対応ドローン「Antigravity A1」発表 デュアルレンズで本体消える 直感操作と専用ゴーグルで視点自在
2026年1月に全世界で発売する。価格は未定。Insta360が360度カメラドローンに進出、新ブランド名は“反重力” 249g以下、8K対応で簡単操作の新製品も予告
8月に8K映像を撮影できる約249g以下の新製品を発売する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.