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カメラ体験の最大化からロボット掃除機、ノンフライヤー調理器まで キヤノンMJが描くファンベース戦略と少数精鋭の高効率運営で挑む次世代ビジョン(2/2 ページ)

キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は3月4日、「IR Day」を開催し、デジタルカメラやプリンタなどを扱うコンスーマセグメントの事業戦略を説明。新たに策定された「2026-2028中期経営計画」とはどのような内容なのかを解き明かした。

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プリンタの価値転換と非キヤノン製品の拡充

 一方、プリンティング事業については、「写真や年賀状印刷の減退により、市場は縮小傾向にあるが、長年培ってきた多様なプリント方式と幅広いラインアップを強みとし、用途に応じた最適なプリント環境を提供していく。お客さまの目的に合わせたちょうどいいプリンタを選んでもらえる」との基本姿勢を示した。


新たなプリント需要を喚起する

 同社ではインクジェットプリンタに加えて、電子写真方式のレーザープリンタ、昇華型方式のミニフォトプリンタを用意。ビジネス用途から家庭用途、家庭の中での趣味領域までをカバーできることを強調した。

 また、既存領域の強化として、登録することで、1年延長保証を始めとする特典が得られる「My Print With」や、プリントするたびにポイントがたまる「プリント枚ルサービス」など、プリンタの継続利用につながる取り組みを進めていることも示した。

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 「これらのサービスを通じて、周辺領域へのリソースシフトを段階的に進めている。プリンタをPCの周辺機器という枠にとどめず、プリントの楽しみ方を広げる提案を行うとともに、個人事業主やSOHO向けには、業務効率化や利便性向上につながるプリント環境を提案する。市場が縮小する中でも多様な製品群とサービスを生かし、個人の需要喚起と、ビジネス利便性向上の双方から価値を提供する」と述べた。

 また、プリンタの利用がテキストや表計算の出力用途からスタートし、年賀状、写真、Webプリント、クーポンや地図の印刷などへと拡大。インク消費によってビジネスが成立していたものの、昨今では、SNSの拡大などによりペーパーレス化が進展してきたことが逆風になっていることを指摘した。

 そして「教育分野では依然として多くの印刷が行われたり、業務用途でも拡販の余地はあったりする。だが、日本での年賀状や海外でのクリスマスカードの印刷が利用の中心になるという時代は終わった。今後は、プリンティング事業でもCanon IDを活用し、ファントゥプリントに基づくユニークな仕掛けをたくさん作ることが大切である。ハードウェア主体のマーケティングから、実用品としての用途提案を積極化する時代に入っている。プリントを必須にする新たなアイデアと施策が必要である。家庭用プリンタの需要は減少し続けているが、そろそろ底を打つ時期に入ってくる。あとは、5~10年間のサイクルで買い替えてもらえる需要が残り、安定したビジネスになるだろう」との見通しを示した。

 2つ目の「キヤノン製品以外の消費者向け商品を幅広く展開」においては、国内外のメーカーから仕入れているIT関連商品を幅広いチャネルを通じて提供してきた実績に触れながら、「かつてはPCおよびPC周辺機器が中心であったが、環境変化に合わせて取り扱い領域を拡大している。MSIに代表されるゲーミングPCやイヤフォン、スピーカーなどの音響機器、スマホ周辺機器にも展開し、今後もPCおよびスマホ関連商品に軸足を置きながらも、さらに領域を広げていく」との考えを示した。


キヤノン製品以外の消費者向けデバイスを幅広く提供する

 新たな商材として、文字起こしや翻訳機能を備えたAIノートや、マッサージガン(筋膜リリースガン)、ポータブル電源、ノンフライヤー調理器、ロボット掃除機などの取り扱いも計画しているという。

 「新たな取り扱い商材の判断基準は明確である。キヤノンMJの物流網や販売チャネル、営業体制を生かすことで相乗効果が見込めることと、幅広い商品提供により、既存取引先との関係強化や新たな販路拡大につながることの2点である。販売会社ならではの強みを生かし、幅広い展開を進める」と語った。

 3つ目の「少数精鋭・高効率な事業運営」では、2025年度の売上高1448億円、営業利益130億円を533人の体制で達成したが、2030年には売上高1450億円、営業利益130億円というほぼ横ばいの計画に対して、1人あたりの売上げおよび営業利益を高める方針だ。

 「2025年の1人あたり売上げは2億7000万円となり、5年間で14%増加した。これをさらに進化させる。BtoCはトレンドの変化が激しく、時々の商品力に左右されやすい。そのために固定費を抑え、スピードと柔軟性を兼ね備えた機動力のある組織体制が求められる。少数精鋭で、高効率な事業運営が、コンスーマセグメントの強みであり、今後も新たな価値提供と業務効率を推進し、強靭で競争力ある事業運営を進める」との考えを示した。


直近では、1人あたりの売上げと営業利益を高める方針を採る
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