自作PCを売却して「Mac Studio」へ ローカルLLMサーバ移行で得られた驚きの“ワッパ”と安心感(3/4 ページ)
クラウドAIの制約を打破する「ローカルLLM」。自作PCからM4 Max搭載Mac Studioへ環境を刷新した筆者が、応答速度や驚異の低消費電力を徹底検証する。
Mac Studioの実力は自作サーバを超えるか
さて、Mac Studioへリプレースするに至った理由はこれくらいにして、Mac Studioは自作PCをベースにしたローカルLLMサーバと比べ、どの程度パフォーマンスを発揮するのか確かめてみよう。
検証には、複数のモデルを用いて応答速度(トークン生成速度)を測定できる「llm-benchmark」を利用し、旧環境(自作PC)と新環境(Mac Studio)のスコアを比較した。
- phi4:14b
- Mac Studio:毎秒45.8トークン
- 自作PC:毎秒58.0トークン
- deepseek-r1:14b
- Mac Studio:毎秒46.0トークン
- 自作PC:毎秒49.1トークン
- gpt-oss:20b
- Mac Studio:毎秒90.8トークン
- 自作PC:毎秒105.2トークン
- gpt-oss:120b
- Mac Studio:毎秒10.3トークン
- 自作PC:毎秒12.3トークン
こうして比較すると、最も差が開いた「phi4:14b」においてもMac Studioは自作PCの約80%の速度を維持している。24GBのグラフィックスメモリを誇るRadeon RX 7900 XTXに対し、ここまで肉薄している点は特筆に値する。
驚嘆すべきは、パラメータ数1170億を超える超大型モデルの挙動だ。OSの安定性を損なうことなく、ハイエンドGPU搭載機とそん色ないパフォーマンスを発揮するその実力には圧倒された。
ベンチマークテスト中の消費電力量をチェック!
自作PCの約8割という高い性能を確認できたところで、次に注目すべきは消費電力だ。省電力性に定評のあるApple Siliconだが、ワークステーションであるMac Studioにおいてもその優位性は保たれているのだろうか。
ラトックシステム製のワットチェッカーを用いて、ベンチマーク実行中の電力消費をリアルタイムで測定した。
- 平均消費電力量:122.0W
- 最大消費電力量:134.9W
- 最小消費電力量:13.1W
負荷時の平均消費電力は122.0W、最大でも134.9Wにとどまった。Radeon RX 7900 XTX搭載機に匹敵する演算能力を有しながら、この低い消費電力で済むのは驚異的と言わざるを得ない。
単位電力あたりの性能、いわゆる「ワットパフォーマンス」において、Mac Studioは圧倒的な優位性を誇る。ランニングコストを大幅に抑制しつつ、高負荷なAIタスクをこなせる理想的な環境が手に入った。
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