ニュース

NAND高騰の逆風をアイデアで突破するSSD最前線レポート 速度競争から「付加価値」の時代へCOMPUTEX TAIPEI 2026(2/2 ページ)

原材料となるNANDの価格高騰を受けて、製品としてのSSDを作るメーカーはいろいろな工夫で消費者の購入意欲を高めようとしている。その一端を「COMPUTEX TAIPEI 2026」を通して見てみよう。

前のページへ |       

AGI:人気IPとのコラボレーションモデルを多数展示

 Agile Gear International(AGI)は、台湾を拠点とする比較的新しいストレージメーカーで、日本でもECサイトを中心にSSDやUSBメモリの販売を行っている。

 そんなAGIの“目玉”は、人気IPとのコラボレーションモデルだ。

「ダンダダン」とのコラボレーションモデル

 コラボレーション対象のIPは複数あったのだが、特に強調されていたのが、龍幸伸氏原作のマンガ「ダンダダン」のアニメ版とのコラボレーションだ。

advertisement

AGIブースで大々的にアピールされていたのは、ダンダダンのアニメ版とのコラボレーションだ

 コラボレーションモデルが用意されるのは、PCIe 4.0 x4対応のM.2 SSD「AI828」や、USB 3.2 Gen 2接続のスライド式ポータブルSSD「ED158」の2製品で、現時点では台湾/ベトナム/フィリピンなど、一部のアジア圏で展開される

 権利の都合から日本で展開予定はないが、担当者は「日本でも展開したい」と意欲を見せていた。


変身したオカルン(高倉健)がデザインされたAI828のコラボレーションモデル

ターボババアがデザインされたED158のコラボモデル

 その他、IP67の防塵(じん)/防水性能と2mの耐落下性能を備えるタフネス仕様のポータブルSSD「ED268」も展示されていた。


AGIのタフネス外付けSSD「ED268」。砂に埋もれた状態で展示されていた

まとめ:SSD価格が高騰する中で「付加価値」を模索する動き

 COMPUTEX TAIPEI 2026におけるストレージ関連の展示を総括すると、市場をけん引する2つの大きな潮流が見えてくる。

 1つは、キオクシアが発表した「第9世代BiCS FLASH」などに代表されるもうすぐ本格的に市場へ投入される最新NAND」の存在と、それに向けたSSDコントローラーの進化≫だ。PHISON ElectronicsやSilicon Motionといったトップコントローラーメーカーが、毎秒48億転送(4800MT/s)という次世代NANDのポテンシャルを前提にした新型コントローラーを続々と発表し、一般のノートPCでもPCIe 5.0本来の性能を現実的な消費電力で利用できる体制が整いつつある

 もう1つは、昨今続いているNANDフラッシュの価格高騰に対する、製品メーカー側の切実な工夫である。単純な速度や容量の競争では、どうしても価格に跳ね返ってしまう。そのため、各社は「性能以外の独自の付加価値」を懸命に模索していた。

 スマートフォンと連携するNFCロックやE Inkディスプレイといったユニークな機能、カートリッジ式やサイズ変換アダプターによる物理的ギミック、さらには人気IPとのコラボレーションなど、ユーザーの利便性や所有欲を満たすアプローチがかつてなく目立っていた

 速度の限界を押し上げる水面下の開発競争と、価格高騰の逆風にあらがいユーザー体験を豊かにしようとする製品アイデアの多様化――この両輪の進化が、今後のSSD市場をさらに面白くしてくれそうだ。

前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.