iPhone Duoだけじゃない! 折りたたみの陰に隠れたApple新製品の「本当のすごさ」:本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/4 ページ)
9月9日(米国太平洋夏時間)に行われたAppleのスペシャルイベントでは、初の折りたたみiPhoneが注目された……のだが、Apple Watch Series 12を中心に他の新製品にも注目すべきポイントがあった。それをまとめて紹介しよう。
「AirPods 5」は半日使うと“化ける”
もう1つ、ニュースとしての露出の少なさに対して、“中身”が伴っているのが「AirPods 5」である。イヤチップで耳をふさがない「オープンイヤー型」は保ちつつも、アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能を標準搭載とした上で、先代「AirPods 4」のANC搭載モデル比で最大50%多く外音を除去できるようになったという。
Appleによると、ANCの性能改善は音響アーキテクチャの刷新に加えて、ANCコンプレッサーを完全に書き直した結果だという。会場では「HomePod」で航空機のエンジン音を流しつつ、AirPods 5のANCを体感できるデモが行われていた。
今回Apple本社でスペシャルイベントに参加した報道関係者には、初日に本製品が配布された。筆者もすぐに試してみたのだが、装着した直後の印象はそこまで印象深くもなかった。
それが変わったのは、半日ほど鳴らしっぱなしにしてからだ。装着当初から低域の量感と輪郭の明らかな改善は感じられたが、時間が経過するとボーカルの明瞭さと楽器の分離も一段と改善された。
低音が出るようになったことは、ANCにも効いている。低域の遮音は、アルゴリズムだけの仕事でなく音響構造の仕事でもある。両者は同じ設計の“裏表”なのだ。
AirPods 5は、価格も魅力だ。通常モデルは2万3800円、ワイヤレス充電ケース付きモデルは2万7800円と、価格差は4000円しかない。ここで思い出してほしいのは、AirPods 4のANC対応モデルが、7月18日の価格改定で2万9800円から3万2800円となったことだ。この際、ANC非対応モデルも2万3800円と2000円の値上げとなっている。
つまりAppleは、先代のANC非対応モデルから価格を据え置きつつ、ANC対応を果たしたことで実質9000円の値下げを達成している。改訂前の価格と比べても、6000円の値下げだ。ワイヤレスケース付きモデルでも、5000円の値下げである。この傾向は米国でも同様だ。
通常モデルとワイヤレス充電ケース付きモデルの価格差は、4000円となる。両者は付属するケースだけでなく、ステムのスワイプによる音量調整の対応の有無の違いもある。この音量調整を実現するには、フォースセンサーの下に静電容量センサーを追加する必要がある。
ワイヤレス充電ケース付きモデルには静電容量センサーのコストが上乗せされているわけだが、Appleによると「(AirPods 5は)≪高品質なANCを出せる“最低価格“の実現が目的。価格帯的に(通常モデルでは)この追加コストを許容できなかった」のだという。
なお、イヤフォンの音質は2モデルで完全に同一だ。ケースの見た目の違いは、「Find My」用スピーカーの穴の有無だけである。一方、バッテリーの最長駆動時間は通常モデルが「単体で4時間/ケース込みで20時間」、ワイヤレス充電ケース付きモデルが「単体で5時間/ケース込みで22時間」という違いがある。
音を基準にして考えるなら、安い通常モデルを選んでも変わらないが、細かい違いを踏まえると、筆者としてはワイヤレス充電モデルの方をお薦めしたい。
そしてもう1つ、ケースごとAirPodsをなくした際に効いてくるのが「UWB(超広帯域無線)」だ。本製品はUWBを搭載していないため、Find Myにおける「正確な場所を見つける(Precision Finding)」を利用できない。
それでも、AirPods 5はオープンイヤー型でありながら、価格の割に良好な音質と遮音性能を確保している。iOS 27で追加された「3バンドEQ」「頭のジェスチャーで応答できるSiri」「ライブ翻訳」「動画撮影時のスタジオ品質マイク」にも対応している。
「iPhoneと組み合わせたときの総合力」という一点で、現時点でこれに並ぶオープンイヤー型ワイヤレスイヤフォンは思い当たらない。
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