レビュー

「iPhone 18 Pro」は“カメラの原点”に回帰する――機械式絞りとAI時代の“真正性”証明技術に見た新生Appleの挑戦(2/5 ページ)

Appleの新型「iPhone 18 Pro/Pro Max」は、一見すると前モデルから外観の変化が少ないように思える。しかし、その内部には機械式の可変絞りを備えたプロ仕様のカメラや、AI加工前提の時代に写真の“真正性”を担保する新技術など、革新的な進化が隠されていた。本機の実力をチェックした。

ハードだけでなく撮影機能もプロ仕様に

 標準カメラアプリの「Proコントロール」は、よく使う設定を撮影画面の上部へ配置できる。絞りやホワイトバランスをすぐ呼び出し、自分で決めて撮るための操作だ。

 個人的には、何といってもうれしいのがマニュアルフォーカスの追加だ。これまでの標準カメラアプリでは、ピントを合わせたい対象をタップして、オートフォーカスにその場所を指定していた。

 この方法だと、被写体を操作ボタンなどが並ぶエリア(つまり画面の端)に置きたい場合などに苦労があった(また、そもそも小さなアイテムなどにはピントが合わせにくかった)。

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 しかし、新たにスライダーを動かして、ピント合わせを距離で指定できるようになった。合焦している部分に輪郭が表示される。手前の被写体か、その奥かを確認して選べる。超広角/メイン/望遠のどのカメラを使うか固定する操作も加わった。これはマクロ撮影などをよくする人には特にありがたい機能だろう。

 ホワイトバランスを固定すれば、構図を変えた時にも、自動調整による色味の変化を抑えられる。暖色の照明を白く補正するのか、その場の暖かさを残すのか、撮影者が色の基準を決められる。

 ライブヒストグラムは、暗い部分から明るい部分まで、画面内の明るさの分布を示す。明部側に分布が寄りすぎていないかを見て、露出を調整する手掛かりになる。画面の明るさや周囲の照明に左右される見た目だけで判断せずに済む。

 シャッター速度も手動で選べる。標準アプリでは最長1秒、対応するサードパーティーアプリでは最長10秒。動く人を止めるだけでなく、流れる水や人の動きをぶらして残す表現にも使える。ナイトモードの合成処理にかかる時間と、1回の露光時間は別だ。


東京タワーをほぼ同じ構図で見上げ、絞りを変えて撮影した。絞りは開放で、左側の照明は丸くにじみ、長い光条は目立たない(f/1.48、1/50秒、ISO 320)

こちらは少し絞っただけで照明から放射状の光条が現れる(f/1.8、1/50秒、ISO 500)

さらに絞ると光条が長く、はっきりと伸びた(f/2.8、1/33秒、ISO 800)

絞り込むと存在感が増しているのが分かる(f/4、1/25秒、ISO 1000)。いずれもメインカメラの24mm相当で撮影。絞りによって、夜景の点光源の描き方を選べることが分かる。光条の形から6枚絞りであることがうかがえる

 これだけの操作が標準アプリにそろうと、かなりプロフェッショナルな撮影道具に近づいたと感じる。ただし、設定を保持する振る舞いには改善してほしいところがある。

 絞りやホワイトバランスを手動にすると、設定項目の一覧が黄色になり、固定されていることが分かる。一方、保存フォーマットなどは撮影画面で選んでも、何かのタイミングで元へ戻ってしまうことがあった。「設定」アプリ側の保存形式や設定保持も、確認しておく必要がある。今回は、どの操作で戻るかまでは切り分けていない。

 ナイトモードも、オフにしたつもりでも作動することがあった。筆者は仕事の撮影では、必要な時だけ明示的にオンにしたい。人の表情を捉えようとした瞬間に、想定外の撮影時間が入れば、狙った一瞬を逃しかねないからだ。

 自動で明るく撮ってくれる便利さは必要だ。しかし手動で設定した時には、撮影者が選んだフォーマットやモードを保ってほしい。操作項目の多さに加え、構え直しても同じ条件で撮れる確実さが、Proのカメラには大切だと思う。

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