インテル Core 2 Duo プロセッサー搭載PCの魅力に迫る 天野氏と対談(2/2 ページ)

» 2006年09月29日 00時00分 公開
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“アキバのカリスマ”天野氏に聞くCore 2 Duoの秘密

 インテルのエンジニアである天野氏は、最近では深夜の秋葉原で行われたCore 2 Duo発売解禁イベントに“神様”のコスプレで登場し話題を集めるなど、秋葉原のPCパーツショップ店員にも広く知られるカリスマ的な存在だ。ドスパラのPCブランド「Prime」シリーズ全体を統括する宮崎氏が、「Core 2」シリーズについてアキバユーザーが抱えている疑問を天野氏にぶつけた。

サードウェーブ 企画部部長 宮崎隆之氏

宮崎 最近ショップのお客さんからCore 2 Duoについて聞かれることが増えているのですが、一言でいえばCPUの動作クロックが問題になっていることが多いようです。売る側から見るとCore 2 Duoは掛け値なしにおすすめできるCPUだし、その性能もベンチマークテストなどではっきりと証明されている、でもユーザーにとってはPentium 4やPentium Dよりも動作クロックが下がっているのにどうして性能が高いのか分からない、というわけです。

 とくにゲーム用途などの高性能なPCを求める人は、いままでCPUの動作クロックを基準にマシンを選ぶことが多かったのでなおさらだと思います。今日はそのあたりのことを聞かせてください。


第三営業本部 チャネル事業部 チャネル・エンジニアリング部 シニア・フィールド・アプリケーション・エンジニア 天野伸彦氏

天野 そうですね。まず、インテルがデスクトップPC向けにラインアップしているCPUをざっと挙げると、Core 2 Extremeを頂点としてメインストリームに今回のCore 2 Duo、少し前まで上位にあったPentium Dがその下にきて、Pentium 4、Celeron Dと続いています。質問にあるように、Pentium 4やPentium Dよりも性能の高いCore 2 Duoのほうが動作周波数は低いのですが、これはアーキテクチャーの方向性が従来とは異なるためです。

 CPU単体の性能を上げるには大きく2つのアプローチがあって、1つは今までのNetBurst系のように動作周波数をどんどん高くしていく方法。そしてもう1つはクロックあたりの処理能力、IPC(Instructions Per Clock)と言うんですが、これを向上させる方法です。今回投入したCore 2 Duoのインテル Core マイクロアーキテクチャーは後者にあたります。


宮崎 具体的にどう変わったんでしょうか?

天野 大きな違いを挙げると、今までは1クロックで同時に実行できる命令数が3つだったところを4つにしました。これはワイド・ダイナミック・エグゼキューションという技術です。Pentium Pro以降、CPU内部の同時実行可能命令数は3つだったので、ほぼ10年ぶりくらいの大きな変更になりますね。

宮崎 素朴な疑問なのですが、クロックあたりの処理能力を増やして、さらにPentium 4の3.8GHzくらいまでクロックを維持していれば、もっともっと性能アップができたんじゃないのかなと。

天野 まあ、インテル Core マイクロアーキテクチャーがめざした方向では単純に動作周波数を上げづらい面もあります。いままでのNetBurst マイクロアーキテクチャーでは、パイプラインの段数を増やして1つ1つのパイプラインが行う処理を単純化させているため、構造がシンプルなぶん動作クロックを上げやすかった。CPUを1つの工場に見立てたとき、命令を流れ作業的に実行するベルトコンベアの前の作業員を増やして、ひとりひとりの作業内容を簡単にすれば、ベルトコンベアを高速に動かしても大丈夫ですよね。逆に、インテル Core マイクロアーキテクチャーのパイプラインはより複雑な処理が可能になっている半面、今までのようにベルトコンベアを高速に動かすのが難しいのです。

 もちろん、動作周波数とIPCのどちらを重視するかは、CPU単体の性能で見ればどちらも有効な方法と言えます。ただし、後者は別の面でメリットがある。まずクロックが低くなればそれだけで電力効率が上がるということ。CoreマイクロアーキテクチャーはそもそもPentium MからCore Duoへと続くモバイル向けCPUの流れを発展させていますから、Core 2 Duoの消費電力はPentium Dに比べるとほぼ4割減と、とても効率的なんです。

宮崎 TDPが大幅に下がったのはPCを作る側にとってはポイントですね。最近のDIY市場の盛り上がりは、Core 2 Duoの発熱の低さが自作ユーザーにもうけているからだと思います。Pentium Dでは苦労をさせられましたし(笑)。

天野 また、インテル Core マイクロアーキテクチャーではアプリケーションレベルでの処理性能も大きく変わってきます。CPU単体では動作クロックが2倍――仮に2GHzから4GHzになれば性能も2倍になるのですが、実際に使われている一般のアプリケーションでは30〜40%程度の性能アップしか見込めません。これは長いパイプラインを持つCPUに完全に最適化したコーディングが現実的には難しいからです。もちろんアプリケーションの理想はすべてのパイプラインが埋まった状態でよどみなく処理が流れることなのですが、やはりどこかで詰まったりしてうまく行かないこともあります。どうしてもロスは発生する。

 そこでCore 2 Duoのパイプラインの段数を見てみると、従来の31から14へと半分以下に減っています。パイプラインの段数が少なければ、処理がうまく行かなかったとき――パイプラインがストールする、フラッシュすると言うんですが、この“最初からやり直し”が発生したときにリカバリにかかる時間も当然ながら減ります。ロスが小さくてすむというわけです。

 最初にCPUの動作周波数を指標にしてゲーム用PCを買うお客さんがいるという話が出ましたが、実際にはゲームのプログラムもCPUに完全に特化しているわけではないので、クロックを高くする方向性よりは、クロックあたりの処理能力を強化するほうが、将来的にもパフォーマンスを上げて行きやすい、そこでインテル Core マイクロアーキテクチャーなんです。

Core 2 Duoはゲームにも最適

宮崎 40%性能アップ、消費電力は4割減――よく言われることですが、Core 2 Duoは本当にエポックメイキングな製品ですね。ただ、Pentium 4などを搭載したシステムを使っているヘビーゲーマーの中には、Core 2 Duoに乗り換えてもゲームの性能はそれほど変わらないんじゃないか、そもそもゲームがデュアルコアに最適化されていなければあまり意味がないんじゃないかと考える人もいるようです。3Dゲームでまず重要視されるのはグラフィックスカードの性能ですし。

「Vana'diel Bench 3」でGalleria XGの新旧モデルを比較した。GPUはGeForce 7900 GTXで共通。Core 2 Duo E6600(2.40GHz)とインテル P965 Expressチップセットを組み合わせた新モデルが、Pentium D 950(3.40GHz)とインテル 945P Expressチップセットの旧モデルを大幅に上回る結果となった

天野 この点についてはOSの存在を考える必要がありますね。たとえアプリケーション単体がマルチスレッドを意識してコーディングされていなくても、いまのOS、つまりマルチタスキングの環境下ではメリットがあります。ユーザーの見えないところで走っている別のタスクにもう1つのコアを割り当てることができますから。もちろん今後アプリケーション側の最適化がすすめばさらに性能は伸びるでしょう。

 また、同じデュアルコアのPentium Dと比べても、Core 2 DuoではL2キャッシュを2つのコアで共有しているのでやはり性能は向上します。たとえば片方のコアが100%で動いていて片方がさぼっているときなどは、キャッシュ容量の割り当てを動的に変更し、働いているほうのコアが占有して使えるようになっているのです。また、先ほども言いましたが、ゲームなどアプリケーションレベルの処理性能においては、インテル Core マイクロアーキテクチャーを採用するCore 2 Duoのほうが圧倒的に有利です。

宮崎 なるほど。ゲームの性能面でもCore 2 Duoのメリットは大きいんですね。というわけで、ドスパラで販売しているヘビーゲーマー向けモデルにもCore 2 Duoを搭載しています(笑)。本日は持ってきているのでぜひ見てください。

天野 CPUは……Core 2 Duo E6600ですか。

宮崎 はい。E6600を採用した理由は、まず性能を重視して4MバイトのL2キャッシュを搭載していること、そして価格とのバランスがよいことの2点です。L2キャッシュの容量が性能に大きく影響しているみたいですね。

天野 ええ、私も自宅のマシンでE6600を使っていますよ(笑)。グラフィックスカードがGeForece 7900 GTX、これもゲーミングPCとして十分な性能ですね。Core 2 Duoとの組み合わせはバランスもいい。ちなみに高い性能を発揮するためにはシステム全体のバランスもそうですが、ケースの排熱設計などのバランスも重要になってきます。このケースのように大きめのファン……これは12センチかな、

宮崎 12センチですね。背面だけでなく、前面にも搭載できます。

天野 こういう大きいファンを搭載したり、ダクトをつけてCPUの冷却に直接外気を取り入れる構造は重要です。Pentium 4以降のCPUは、温度が高くなると自動的に電圧と動作周波数を下げて運転するサーマルスロットルという機能を持っているのですが、これはユーザーが意識しないように賢く性能を落とす半面、逆の見方をすればPCの排熱設計がうまくいってないと常に隠れてさぼっている状態にもなってしまう。システムの性能を完全に発揮するためにはスペック以外の点にも気をつかう必要があるんですよね。

宮崎 そういう意味でも、Core 2 Duoは消費電力が低いし発熱も少ないので、ケース内部の排熱設計に余裕を持たせられるようになりました。ゲーム用のPCはグラフィックスカードをはじめ高性能なパーツで構成するので、比較的ケース内部の温度が高くなる傾向にあるのですが、そこに“クール”なCore 2 Duoが登場して、いつでも100%のパフォーマンスを発揮できるようになった。まさにゲームにはCore 2 Duo搭載PCが最適、ですね。


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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年10月12日