今回は、ナナオの24.1インチ液晶ディスプレイの2モデル、「FlexScan S2411W」と「ColorEdge CE240W」を比較してみたい。どちらも解像度はWUXGA(1920×1200ドット)で、前者は一般コンシューマー向け、後者は写真のプロやハイアマチュア向けという違いはあるが、ともに注目度の高いモデルだ。
液晶ディスプレイのワイド化と大画面化が進む中で、ナナオの24.1インチモデルが注目を集めている。ラインアップ上は2製品のみだが、どちらも個性的で、いわゆる“尖った”モデルと言えるだろう。
1つは、一般コンシューマー向けのFlexScanシリーズに属する「FlexScan S2411W」(以下、S2411W)、もう1つは写真のプロやハイアマチュア、画像処理や印刷関連のプロ向けとなるColorEdgeシリーズに属する「ColorEdge CE240W」(以下、CE240W)だ。
位置付けからして異なる両者だが、スペックや機能的には共通する部分が多い。逆の言い方をすると、共通する部分が多い反面、決定的に異なるところがある。そこで、“決定的に異なる部分”を中心に、S2411WとCE240Wを比較してみたい。
最初に、S2411WとCE240Wのコアスペック、および画質調整機能を抜粋した表で見比べてほしい。
S2411WとCE240Wのコアスペックと画質調整機能
FlexScan S2411W | ColorEdge CE240W | ||
画面 | 24.1インチ | ||
画面解像度 | WUXGA(1920×1200ドット) | ||
駆動方式 | VA(高品位タイプ、オーバードライブ) | ||
最大表示色 | 1677万色(10億6433万色中) | ||
視野角 | 水平178度/垂直178度 | ||
最大輝度 | 450cd/m2 | ||
コントラスト比 | 1000:1 ※コントラスト拡張時3000:1 | 1000:1 | |
応答速度 | 黒→白→黒 | 16ms | 16ms |
中間階調 | 6ms | 8ms | |
PC入力端子 | DVI-I(デジタル/アナログ)×2 ※HDCP対応 | DVI-I(デジタル/アナログ)×2 | |
内蔵スピーカ | なし | ||
USB2.0ハブ | 2ポート | ||
スタンド(ArcSwing 2) | 昇降:95mm チルト:上60度、下5度 スイーベル:左右172度 | ||
ガンマ補正 | 内部10ビット(14ビット演算精度) | ||
拡大モード(OSD項目名) | フルスクリーン拡大(フルスクリーン) アスペクト比を保持した拡大(拡大) ドットバイドット(ノーマル) | ||
OSDプリセット画面モード(FineContrast) | Custom、sRGB、Text、Picture、Movie | Custom、sRGB、CAL(Calibration) | |
OSD画質調整機能 | 輝度 | ○ | ○ |
色温度 | 4000K〜10000Kまで500K単位、9300K | 4000K〜10000Kまで500K単位、9300K | |
ガンマ | ○ | ○ | |
色の濃さ | ○ | ○ | |
色合い | ○ | ○ | |
ゲイン(RGB) | ○ | ○ | |
6色独立調整(RGB/CMY) | ○ | ○ | |
コントラスト拡張 | ○ | × | |
輪郭補正 | ○ | × | |
ハードウェアキャリブレーション | × | ○ |
拡大モードとは、WUXGA未満の画面解像度を入力したときに、どのように表示するかの設定である。フルスクリーン拡大は、どんな画面解像度も常にWUXGAに拡大して表示する(画面のアスペクト比は無視)。アスペクト比を保持した拡大は、画面解像度のアスペクト比を保ったうえで、最大限の拡大表示を行う。ドットバイドットは、画面解像度の1ドットを液晶ディスプレイ上の1ドットで表示する。ドット補完がないため、もっとも正確に表示できるモードだ。
このように、S2411WとCE240Wが採用する液晶パネルの基本的な仕様と、ほとんどの機能は共通している。いくつか異なる部分の中で、“決定的な違い”といえるのは、PC入力端子のHDCP対応(DVI-D接続時)とハードウェアキャリブレーション機能の有無だ。まずは、これらの違いをまとめてから静止画の画質と動画性能の比較へと進めていこう。
なお、S2411WとCE240Wの詳細については、掲載済みのレビュー記事をぜひ一読していただきたい。S2411Wは「動画スペックに磨きをかけた24.1インチWUXGA液晶ディスプレイ──FlexScan S2411W」、CE240Wはレビュー編の「プロ向け液晶ディスプレイ『ColorEdge』シリーズにエントリーモデルが登場──ColorEdge CE240W」と、使いこなし編の「プロ向け液晶ディスプレイ『ColorEdge』シリーズに加わったエントリーモデルの実力は? ──ColorEdge CE240W」だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:株式会社 ナナオ
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年3月31日