NECのShieldPROは「ここがスゴイのだ」タフネスライター“高橋敏也”がタスネスノートに迫る!(2/3 ページ)

» 2007年07月30日 10時00分 公開
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「耐衝撃性」「耐振動性」「防滴防塵」を明記したShieldPRO

NEC制御システム事業部第三システム部マネージャーの中野智視氏

 ShieldPROは過酷な環境に耐えうるように開発された堅牢ノートである。主なユーザーは企業や研究機関、公共団体を想定しているため、保証もしっかりした体制が整えられている。無償保証期間は3年間(ユーザー登録が必要)、さらに製造中止後6年の保守サポートが実施される。

 FCであり堅牢ノートであるShieldPROが活躍する場所は、やはり過酷な環境が多い。実際にトラブルが発生した場合、どのような対応が行われるのか? サポートを受ける場合に気になるのが、ShieldPROを使っていた環境がNECの明記する範囲内であったかどうかの判断基準である。どのようにそれを調べ、どのように対応するのだろうか? 青柳氏は次のように答えた。

「基本的には性善説に立って対応することになりますね。不自然な壊れかたや同じユーザーで同じような壊れかたをしている場合は別ですが、壊れた状況を見て調査してといったことは想定していません。保証期間内であれば基本的には無償で修理します。これはデスクトップFCでも同じです。例えば、使用環境として温度条件などを記載してありますが、利用環境が厳密にその中に入っているかは調べようがありません。NECとして設置環境条件を明示するからには、その環境条件の中で安心して使えるものを提供して行きます」

「なんと、性善説が環境条件を保証する根拠になるのでありますかっ!」と高橋敏也は不覚にも驚くのであった
「ええ、そうですよ」と中野氏はこともなく答えるのであった

 とはいうものの、ShieldPROの設置環境条件は、相当に過酷である。そんな中でShieldPROを安心して使うためには、どのような対策がなされどのように対策の有効性がテストされたのだろうか? そんな疑問に中野氏はこう語ってくれた。

「まず落下衝撃ですが、このときに最もケアしなくてはならないのが液晶パネルとHDDです。衝撃がそれらに伝わらないよう、内部がフローティング構造になっていたり、マグネシウム合金の筐体自体が衝撃を吸収してくれたりします。さらに、HDDへ衝撃が直接加わらないよう、ドライブは緩衝材で包まれるようになっています。試験では、実際に落としたときにどこへどれぐらいの衝撃が加わるかセンサーで細かく調べたんですね。HDDの耐衝撃性能を超えないように、かなり長期間に渡って落下試験を行っています。のべ1000回以上の落下テストを行いました。この試験のときは緩衝材のメーカーも立ち会っていただきました」

「ShieldPROのHDDは隔壁で仕切られた“部屋”に格納されていて、取り出すとこんな感じで緩衝材に覆われているんですよ」「ほほぅー」

 興味深いのは、ShieldPROの設置環境条件に落下時の高さなどに関する表記がないことだ。パンフレットの本文には90センチからの落下テストをクリアという紹介があるにも関わらず、だ。この疑問に対して中野氏は、次のような答えを示してくれた。

「(落下スペックを)環境に書かなかったのは、実際の利用ではテストのように、平らなところへ落ちることはまずないからです。例えば、突起があるようなところに落としてしまうことも十分ありえます。このように、落下した先の条件が拡散します。だからあらゆる条件で大丈夫ですよと(数値で)いうのは、現実的ではないんです」

 一方、温度環境などは実際の利用環境を想定できるため、条件に明示されているということだ。このようにShieldPROの耐環境性に対する保証が充実していることは、堅牢ノートのメーカーとして製品に自信があることの表れと見ることができる。

「ふぅうむぅぅ、そうか、そうなのか……」
「恐れ入りました」どんなに原稿が遅れても編集者にわびを入れない高橋敏也だが、中野氏の説明に思わず頭を下げるのであった

 ちなみに、「実際には何メートルぐらいの落下に耐えるのか」という問いに対しては、「そんなに余裕はないです。というよりギリギリですね。軽量化を極限まで図り、そのうえで可能な限り落下衝撃への耐性を追求したからです」(中野氏)という、至って“正直な”答えが返ってきた。

 たしかにShieldPROの外観は、頑丈に見えるゆえに重そうにも感じるのだが、実際に持ち上げると意外にも軽い。標準状態で2.5キログラムという値は、12.1インチの液晶ディスプレイを搭載したノートPCとして重いと言い難い。それでいてShieldPROは、フルスペックの堅牢ノートなのである。中野氏によれば、軽量化を優先させつつ堅牢性を追求した結果なのだという。

 余談になるが、ShieldPROの筐体フレームは、見事なまでに“穴”だらけだ。前モデルは重いという意見もあり、ShieldPROはなるべく軽くしたかったそうだが、技術的にはかなりの困難を伴う。それを2.5キログラムにまとめたのが、NECの「軽さと堅牢性能のトレードオフにかけた」思い入れであり、何事にも凝ってしまう日本人の習性があったからだという。

こちらは旧モデルの内部。CPUにはPentium Mを搭載している
そして、こちらがShieldPROの内部。筐体に軽量化を図るための「穴」が多数設けられているのが分かる

 液晶パネルに関しても、動作温度について興味深い話を聞くことができた。気温が摂氏零度を下回るような環境では液晶パネルを動作させるのも困難になる。ちなみにShieldPROの液晶パネルはNECグループ関連会社の製品だが、共同開発の段階で1つのブレークスルーとなったのがバックライトを蛍光管ではなくLEDにした点だという。

 蛍光管のバックライトにすると、低温環境で輝度がかなり暗くなってしまう。摂氏マイナス20度に近い環境で輝度は実測で40%ぐらいまで落ちるのだという。これを解消するためにLEDの出番となったわけだが、LEDには衝撃に強いというメリットもある。もちろん液晶パネルも軽量化したのだが、それでも強化ガラスを使っているところあたりは、さすが堅牢ノートである。

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提供:日本電気株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年8月13日