田中氏によれば、MDT241WGの画面サイズ、解像度、コントラスト感、画面の質感には満足し、液晶ディスプレイとしての完成度に驚かされたという。それでは、液晶ディスプレイがCRTに比べて不利となる動画の表示性能については、どのような感想を抱いたのだろうか。これは、MDT241WG最大の特徴であるMPエンジンによる動画ブレ低減技術が威力を発揮する部分だ。
――液晶ディスプレイが得意ではないと言われる動画の表示性能はいかがでしょうか?
私はCRTをずっと使い続けているわけですが、その大きな理由は液晶ディスプレイで動画を表示した場合のぼやけ感にあります。プラズマディスプレイは動画性能が比較的よいとされていますが、価格が高く、大きなサイズしかないのが現状です。こうした中、このサイズでフルHDに対応した解像度があり、動画の性能もここまで上がってきているのなら、いよいよ買い替えられる時期が来たかと思いました。
実際にプレイしてみると、背景の木々など細部のスクロールでぼやけ感が少ないのが分かりました。比較用に同じサイズの液晶ディスプレイ(MPエンジン非搭載)と見比べてみたのですが、やはり動画の表現はMDT241WGが美しかったです。CRTの表示を再現する仕組みを入れているとのことですが、表示のチラツキもほとんど感じませんね(MPエンジンの設定はレベル2)。
――MDT241WGはゲーム用ディスプレイとして、FFユーザーにおすすめできますか?
短い間ですが、実際に触ってみた率直な感想では「現時点で最高峰のゲーム用ディスプレイ」と言えるのではないかと思いました。正直、CRTからの買い替え時期に来ていることもあって、触っているうちに「これを買わない手はないか」と思ったほどです。
また、この画面サイズと性能で、2つのHDMIやD5の端子もそろえているので、てっきり20万円以上はするのかと思いましたが、10万円台前半で購入できると聞いて驚きました。少し前の液晶ディスプレイでこれくらいのサイズと解像度を実現していたら、それこそ50万円以上したものですが、ずいぶんと安くなりましたね。これは会社としての事情ですが、この価格なら消耗品扱いになるので、導入もしやすいです。
今回は現在発売中のゲームということでFFXIをプレイしましたが、発売当初から時間が経ち、ゲームにおけるグラフィックス表現は大きく進化しました。これからも進化し続けるでしょう。私たちは今、Windows Vista、プレイステーション 3、Xbox 360をサポートする次世代MMORPGを開発中です。そこでは、グラフィックスが現実世界と変わらないくらいに大幅に強化されるので、各機器と接続してフルHDの動画をしっかりと表示できるMDT241WGの性能が、さらに生きるのではないでしょうか。私も次世代MMORPGをこのディスプレイでぜひプレイしてみたいです。
ゲームの動画を美しく表示することにこだわり、今でも複数台のCRTを使い続けているという田中氏。インタビューを始めたときには、長年愛用してきたCRTに信頼を置いている様子が言葉の端々から伝わってきた。そもそもスクウェア・エニックスは、数あるゲームメーカーでも常に最高峰のグラフィックスを追求することで知られており、画質に対する思い入れは業界一といっても過言ではない。そんな彼らにとって、従来からのディスプレイ環境をおいそれと変えるわけにはいかないのだ。
しかし、田中氏は今回MDT241WGに触れてみて、その動画性能、発色やコントラスト感、画面サイズ、豊富な入力系統、そして価格に食指が動かされたという。現状でCRTを使い続けているユーザーは、非常に強いこだわりを持っているケースが多いわけだが、MDT241WGにはそれを覆すだけのインパクトがあるのだろう。田中氏は、とくにMPエンジンが支えるMDT241WGの動画表示性能には、ほかの液晶ディスプレイとは違う価値を認めたそうだ。取材中、画面をうれしそうに見ながらFFXIをプレイしている姿がとても印象的だった。
2回に渡って紹介してきた通り、MDT241WGは最新ゲーム機をはじめ、PCやAV機器もまとめて接続できる大画面ワイド液晶ディスプレイとして、非常に優れた実力を備えている。とくにハイビジョンでゲームを存分に楽しみたいユーザーにとっては、最上級の体験が得られる液晶ディスプレイと言えるだろう。
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提供:三菱電機株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年9月30日