ColorEdgeの遺伝子を持つ“高色再現”ディスプレイ現る――「FlexScan SX2461W/SX2761W」(2/3 ページ)

» 2007年11月16日 09時30分 公開
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デジタルユニフォミティ補正回路と16ビット演算の12ビットガンマ補正を搭載

 高解像度、大画面ワイド、広色域といった性格を持つSX2461WとSX2761Wだが、さらにColorEdgeシリーズに迫るほど、画面表示の均一性や階調表現力に力を入れている。この部分こそがFlexScan SXシリーズ全体を通じた最大の特徴だ。

 周知の通り、液晶パネルの輝度や色度は画面全体で均一ではなく、画面の左右で色が少し違ったり、画面の端で輝度が落ち込んでしまうことがある。昨今は製造技術が向上したため、一昔前のようにムラが目立つものは少なくなってきたが、24インチを超えるような大画面のワイド液晶パネルでは構造上、部分的に輝度や色度のムラが発生しやすく、正確な色再現を妨げる原因となる。

 そこでナナオが投入したのが独自開発の「デジタルユニフォミティ補正回路」だ。これは、ColorEdgeシリーズに採用している回路で、輝度と色度を画面の各ポイントで測定し、画面全体で表示が均一になるように補正する役割を持つ。その効果は絶大で、SX2461WとSX2761Wではサイズの割に画面全域でフラットな表示が可能だ。

 デジタルユニフォミティ補正回路の実装は、生産工程において輝度と色度の測定作業および補正作業が必要になり、生産に時間やコストがかかってしまうことから、これまではColorEdgeシリーズだけのプレミアム機能だったが、製造ラインを変更しつつ測定と補正の作業を効率化したことで、価格を抑えたFlexScan SXシリーズにも採用できたという。これは、ナナオの技術開発力と生産現場での高い調整能力、そしてこの2つを融合する土壌となる国内一貫生産体制が生かされた好例といえる。

画面全域の表示ムラのイメージ。デジタルユニフォミティ補正回路を搭載した場合(写真=左)と非搭載の場合(写真=右)。上の2枚の写真は表示ムラを強調するために同一のレベル補正を行っており、実際にはこれほどムラが目立つことはない

 階調特性に関しては、内部12ビットのルックアップテーブル(LUT)に対してガンマ補正を16ビットもの細かい演算精度で行っているのが見どころだ。最終的な液晶パネルの表示はRGB各8ビット(約1677万色)となるため、12ビットものLUT(約680億色)から最適な8ビットの色を出すことに意味があるのかと疑問に思うかもしれないが、実際の表示では10ビットのLUTより全体的な階調の正確性が高まり、特にシャドウ部の階調がさらによくなっている。モノクロ写真や全体に暗いトーンの写真を扱うフォトレタッチの作業では、その違いが感じられるだろう。

 ちなみに、デジタルユニフォミティ補正回路を搭載した機種では、輝度や色度の補正を部分的に行って画面全体を均一に表示する処理も加わるため、16ビットの内部演算による12ビットLUTの装備が必須で、14ビットの内部演算による10ビットのLUTでは階調性に問題が出てしまうという。デジタルユニフォミティ補正回路と16ビットの内部演算による12ビットのLUTが組み合わさることで、高い均一性と階調性を両立できるというわけだ。

SX2761Wにカラーとモノクロのグラデーションを表示したサンプル。写真はJPEG圧縮の関係で、一部表示が崩れて見えるが、実物は暗部から明部まで自然に再現できている

 液晶ディスプレイとしての基本スペックも簡単に触れておこう。いずれもコントラスト比は850:1、応答速度は黒−白−黒が16ms、中間階調が6ms、視野角は上下/左右ともに178度。輝度はSX2461Wが300カンデラ/平方メートル、SX2761Wが320カンデラ/平方メートルだ。

 最新機種としては輝度やコントラスト比が若干控えめに見えるかもしれないが、クリエイティブワークに使う液晶ディスプレイに液晶TVやAV入力モデル並みの輝度は不要で、300カンデラ/平方メートルもあれば十分に明るい。逆にDTPなどでは輝度を100カンデラ/平方メートル前後にセットするのが当たり前なので、低輝度でもきちんと表示できるほうが重要だ。その点、SX2461WとSX2761Wは低輝度設定時や電源投入から短時間でも輝度を安定させるナナオ独自の調光機能が組み込まれていて使い勝手がよい。

 コントラスト比はスペック上は850:1だが、これは部分的に輝度をコントロールするデジタルユニフォミティ補正回路を搭載したことと、黒から白まで正確な階調性を重視したチューニングによるものだろう。実際の見た目は、VA方式の液晶パネルを採用したこともあり、黒の締まりがよく、明暗のメリハリと階調性の高さがうまく共存できている。

6色独立調整機能を含む多彩な設定メニュー

 高画質を支える調整機能も充実している。用途別の画質モード「FineContrast」は、Text、Picture、Movie、sRGB、Customを用意。色温度(500K単位で4000〜10000K、および9300K)、ガンマ、色の濃さ、色合い、RGB各色のゲインといった調整はもちろん、部分的な色調整が可能な6色(RGBCMY)独立調整機能も持つ。

 これらは本体のOSDメニューから調整できるほか、PCとUSBで接続すれば、付属ソフトの「ScreenManager Pro for LCD」を使った設定も可能だ。ScreenManager Pro for LCDを利用することで、起動するアプリケーションごとにFineContrastの各モードを自動的に切り替えることもできる。電源のオン/オフ時間を8つまで設定できるタイマー機能、本体の設定ボタンにキーボードのホットキーを割り当てる機能なども利用可能だ。

「ScreenManager Pro for LCD」はアプリケーションごとにFineContrastの各モードを関連付けできる(写真=左)。色温度やガンマなど、各種調整をまとめて行える(写真=中央)。6角形のグラフの各点をドラッグすることで、RGBCMYの6色を独立して補正可能だ(写真=右)

 1920×1200ドット未満の低解像度は、ドットバイドット表示、アスペクト比を維持した拡大表示、アスペクト比を無視したフルスクリーン拡大表示から選ぶことが可能だ。輝度センサーを内蔵し、環境光に応じて輝度を自動調整するBrightRegulator機能も用意している。ユーザーが意識せずとも、目にかかる負担を軽減してくれるのはうれしい。

前面の操作ボタンは標準的なプッシュ式を採用(写真=左)。左側には調整ロックボタンも備えている。OSDの設定メニューはFlexScanシリーズでおなじみの構成だ(写真=中央)。OSDメニューからBrightRegulator機能のオン/オフを切り替えられる(写真=右)

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提供:株式会社ナナオ
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2008年3月31日