PIXUSシリーズが磨き上げてきたスキャン、コピー、ダイレクトプリントの機能はPIXUS MX860にも継承されている。機能は豊富にそろっており、枚挙にいとまがないほどだ。ここでは主要な機能にフォーカスして取り上げよう。
スキャナは光学解像度2400×4800dpiのCISタイプを搭載しており、ADF使用時の光学解像度は600×600dpiとなる。高解像度が必須となるフィルム(透過原稿)用スキャナではなく、紙焼き写真や文書などの反射原稿用なので、通常は300〜600dpiの読み取り解像度で満足できる品質が得られるだろう。
スキャンしたデータは自動でPCへ保存したり、メールへ添付できるほか、PCと接続しなくても、本体に装着したUSBメモリやメモリカードにJPEG/PDF形式で直接保存可能で、PDF形式で保存する場合、最大100ページのファイル保存が行える。ADFを使った自動両面スキャンや、ネットワーク経由でのスキャン、最大10枚までの反射原稿を一度に読み取れるワンパスマルチスキャン、ゴミ傷低減など各種の画像補正、複数ページのPDF作成、パスワード付きのPDF作成、OCR機能によるテキストデータ変換など、スキャンしたデータを活用するための機能は盛り沢山だ。
コピー機能については、1枚の用紙に2面を割り付ける2 in 1、4面を割り付ける4 in 1に対応し、先に紹介した自動両面印刷の機能と使い分けることでコピー枚数を節約できる。ADFで複数枚の原稿を複数部コピーする際、1部ずつ電子ソートして仕分けの労力を省いてくれる機能も便利だ。また、日付やページ数を印刷しながらのコピーや、とじ代のスペースを自動で空けて印刷する「とじ代コピー」、指定した幅を空白にしてパンチ穴を消す「パンチ穴消しコピー」も行える。印刷の向き、とじ方向、表/裏面といった印刷位置の設定も柔軟にでき、コピーの使い勝手はオフィスのレーザー複合機並みだ。
デジタルカメラやメモリカードからのダイレクトプリント機能も充実している。デジタルカメラを直接つないで印刷できるPictBridge対応インタフェースのほか、SDメモリーカード(SDHC対応)/MMC、メモリースティックPRO、コンパクトフラッシュの各種メモリカードスロットを装備しており、2.5型の液晶モニタで画像をプレビューしながら印刷設定が行える。
さまざまなレイアウト印刷をはじめ、4分割や16分割などのシールプリント、35ミリフィルムで一般的なベタ焼き風の35面インデックス印刷、EXIFの撮影情報(カメラ名、レンズ名、撮影モード、シャッター速度、絞り値など)を付加した20面インデックス印刷といった機能が利用できるため、PCを使わない家族でも写真印刷が存分に楽しめるだろう。おまけに、ノートや方眼紙などのけい線があるフォーム紙をPCいらずでダイレクトプリントできる機能まで備えている。
このようにPIXUS MX860の特長を一通りチェックしてみると、PIXUSシリーズで好評を博してきたスタイリッシュなボディや、ホームユースでの便利さというDNAを受け継ぎながら、高機能なADFやFAXを搭載することで、ビジネスユースでも活躍できる“懐の深い”インクジェット複合機に仕上がっていることに感心した。ADFとFAXを装備したPIXUSは、2006年に発売された「PIXUS MP830」から世代を重ねてきただけあって、外観も中身も洗練されている。
最後に気になる価格だが、キヤノン直販サイト「キヤノンオンラインショップ」での販売価格は3万4980円に設定されている(標準価格はオープンプライス 2009年5月11日現在)。多様な機能を網羅しつつ、スタイリッシュなボディをまとったA4インクジェット複合機としては手ごろな価格で、コストパフォーマンスは高い。この低価格は、深刻な不況が叫ばれる昨今でも財布に優しい1台といえるだろう。
低コストでビジネスを中心に、家庭での写真印刷やファンプリントにも利用できるとあって、まさにSOHO環境や自宅で仕事をする場合にうってつけの複合機だ。特に、家庭内のインクジェットプリンタを仕事にも使っているが、ADFやFAXを搭載した製品ではないというユーザーは、PIXUS MX860を導入することで作業効率の改善が図れるに違いない。
A4インクジェット複合機「PIXUS MX860」で“家でも会社並み”仕事術
ビジネスパーソン1人1人にも生産性の向上が求めらている昨今、会社だけでなく自宅作業にもクオリティーが求められている。できるビジネスパーソンが選ぶべき自宅用プリンタとはどういったものなのだろうか。
[Business Media 誠]
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