MSIのノートPCで最高スペックを誇るGT660の性能は、どれほどの性能を発揮するのだろうか。GT660の製品出荷はまだもう少し先の予定で、現時点では量産前の最終サンプルの段階であるが、PCMark Vantage、PCMark05といったPCの総合力を測定するベンチマークテストと、3DMark Vantage、3DMark06、そして、ゲームベンチマークのStreet Fighter IVとTHE LAST REMNANTでGT660のパフォーマンスを検証した。なお、通常状態におけるGT660とともに、TDE+を有効にした状態もあわせて測定している。
比較対象としては、同じMSIのGTシリーズで、すでにレビューでも紹介している「GT640」もあるが、搭載するCPUは同じだが、GPUはミドルレンジのGeForce GTS 250Mであったり、メモリの容量が異なっているなどシステム構成がそろわないので、値は並べないが、さすがにグラフィックス性能はGT660が飛びぬけて優れた結果を示している。また、TDE+を有効にした効果は、特にCPUのパフォーマンスでよく表れている。CPU-ZでCPUの動作クロックをチェックすると、Core i7-720QMでTurbo Boost Technologyを有効にして最高クロックとされる2.8GHzを超える3GHzまでクロックがアップしていた(ベースクロックを133MHzから144MHzにアップ。倍率は21倍のまま)。ゲーミングノートPCとしてはMSI最強の実力を発揮するモデルといえるだろう。
ベンチマークテストの結果 | GT660 | GT660&TDE+ | |
---|---|---|---|
PCMark Vantage Build 1.0.2.0 | PCMark | 6153 | 6407 |
TV and Movies | 4179 | 4360 | |
Gaming | 5944 | 6136 | |
Music | 5905 | 6003 | |
Communications | 4300 | 4443 | |
Productivity | 4932 | 5075 | |
HDD | 4088 | 3820 | |
PCMark 05 Build 1.2.0 | CPU | 7022 | 7204 |
Graphics | 11245 | 11248 | |
3DMark Vantage Build 1.0.2(Graphics/CPU) | 1366×768ドット、Peformance | 7234/10769 | 7254/11347 |
1366×768ドット、High | 6756/10672 | 6816/11265 | |
1366×768ドット、Extreme | 6408/10797 | 6441/11323 | |
3DMark 06 Build 1.0.2 | 1280×768ドット、nonAA、nonAniso | 12291 | 13179 |
1366×768ドット、4XAA、8XAniso | 10012 | 10124 | |
Street Fighter IV(FPS/Score) | 1280×768ドット、nonAA、nonAniso | 189.9/20926 | 179.98/20094 |
1366×768ドット、4XAA、8XAniso | 112.63/10776 | 104.98/10298 | |
THE LAST REMNANT | 1280×768ドット | 108.68 | 103.1 |
MSIが2010年に打ち出した「Exquisite Quality; Exquisite Delight!」を最も象徴するGT660は、MSI自ら「今年最も力をいれてプッシュする」と宣言する、“戦略的”ノートPCだ。そして、その位置付けにふさわしい実力と機能を備えている。NetbookのWind U100シリーズ、スリムなCULVノートPCのX-Slimシリーズと1年ごとに革新的なノートPCを投入してきたMSIは、強力なスペックと充実したサウンド環境を実装したGT660で2010年は勝負をかける。正攻法にでたMSIを占う主役は、もう間もなく日本でも登場する予定だ。
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