第1回 世界初「WiMAX2動態デモ」よりひもとく、“WiMAXが2年進んでいる”理由本田雅一のハイスピード・ワイヤレス・チャンネル(2/2 ページ)

» 2010年10月27日 10時00分 公開
[本田雅一,PR/ITmedia]
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最大330Mbps+モバイルWiMAXの経験値を生かした、「WiMAX2」への期待 一方、LTEはこれからスタート地点に立つところ

photo CEATEC JAPAN 2010のUQコミュニケーションズブース

 “日本のモバイルWiMAXが進んでいる”と感じるのは、既存のモバイルWiMAX網の整備が進み、都心部や県庁所在地などでの利用エリアが急速に拡がってきているからだ。しかし、本質的には次世代へ向けた通信網整備の中で経験を積み重ねてきたという側面も無視できない。

 単に基地局を適切な場所に建てるだけでなく、アンテナを向ける角度や基地間の相互干渉を防ぐための出力の最適化など、通信方式が変われば効率よく運用するためのノウハウが蓄積されている事が大きい。先行して経験を積んできた事こそが、UQコミュニケーションズのアドバンテージなのだ。

 例えば今では当たり前のように使われている3Gネットワークが、世界で初めて商用サービスになったのは2001年10月、NTTドコモによるFOMAが正式にサービスインしてからのことだ。あれから9年が経過し、その間に各国でのサービスも開始。日本の3G網も各社が整備を続けた結果が2010年現在だ。FOMAが当初、サービスの品質が低いと批判されたのと同じように、これから登場する新しいサービスも立ち上げ期の厳しい洗礼を受けることになる。

 UQコミュニケーションズが提供するUQ WiMAXは、2008年から事業化準備を開始、2009年7月に有料サービスを開始した。その後、首都圏や県庁所在地を中心に過去に例がないほどのスピードでエリアを拡大してきている。この経験は何にも代え難いものだ。

 すでに都心部ではエリア内か否かを意識せずに使えるほど、サービス品質が充実してきている。屋内や地下も、駅や大規模地下街を中心に使える場所を増やしてきており、こちらも、実際に利用している感覚からすると“時間の問題”と言えるまでになってきた。

 UQコミュニケーションズが提供するモバイルWiMAXは規格上、最大40Mbpsの速度が出るとされているが、実際の速度は基地局の配置や電波の品質などに依存する。とはいえ、当初は10Mbps程度の実効速度だったモバイルWiMAXは、2010年10月現在、改良を重ねて条件のよい時には20Mbpsを大きく越える下り速度を記録するようになってきた。すでにPCユーザー向けとして、データ通信を行うユーザーが増えている都心部であっても、このぐらいの速度が出るのである。

 さらに、2010年10月に行われたCEATEC JAPAN 2010では、IEEE802.16mというモバイルWiMAXの次世代規格の動態試験が披露された(現行のモバイルWiMAXはIEEE802.16e-2005)。IEEE802.16mは、3Gネットワークに対するHSPAやEV-DOのようなもので、同じ技術の延長線で高度化を図ったものだ。


photophotophoto CEATEC JAPAN 2010で行った、世界初のWiMAX2動態デモ

 UQコミュニケーションズは、この次世代規格を「WiMAX2」として2012年から展開する予定だが、デモでは実際の機材を見せつつ約330Mbpsという超高速通信が端末と基地局の間で“現時点で”行えていた。数100Mbpsという数値は、確かにスペック上では何度も目にしてきた数値だが、実際に展示会で動いているところを見せられるレベルにあるというのは驚きだ。

 この半分のレートでもワイヤレスで実サービスが行われるようになれば、無線では使われていなかったアプリケーションが、モバイルPC、スマートフォン、タブレット端末などでも当たり前に使えるようになる。年内にNTTドコモがサービスを始めるLTEも、“最終的には”300Mbpsを越える通信速度を実現するとされているが、これから高速化を目指してスタート地点に立つところだ。

 IEEE802.16mにはほかにも、通信遅延が現状の半分になったり、ハンドオーバー可能な移動速度が時速350キロを越えたりと、現在すでにある特徴がさらに磨き込まれている。さらに重要なことは、このWiMAX2を展開するまでの間に、現行UQ WiMAXでの経験値を高めながら、爆発的な基地局増加とエリア拡大を続けていることだ。これらすべてが、すぐにWiMAX2に更新されるわけではないが、下位互換性があるため順次更新していくことで、シームレスにWiMAX2のエリア展開を行っていける。

 本当にWiMAX2への移行がスムースに行くのだろうか? と訝(いぶか)しむ声もあるだろうが、実はこの点はUQコミュニケーションズがもっとも得意とするところと言っていい。

 UQコミュニケーションズの主要株主でもあるKDDIは、国際回線と国内通信回線、それに携帯電話も含めたすべてのノウハウと設備を持つ総合通信企業である。このためモバイルWiMAXのバックホール(基地局の背後にある通信回線)にはKDDIの大容量光通信網が控えており、基地局の無線設備の置き換え(あるいは近い将来の無線設備ではファームウェアのアップデート)で、WiMAX2のパフォーマンスを生かしたスムーズな移行が行える。

photophotophoto 新世代「WiMAX2」の仕様とサービスインまでのロードマップ

 実際に1年半、ユーザーとしてモバイルWiMAXを使い続けてきた立場から言えば、このサービスを3Gを基礎にしたサービスと比べるのはナンセンスだ。エリア充実で使えるシーンが増えてきたとはいえ、自分の行動範囲でどこまで使えるかは要チェックであるが、使える環境にいるのであれば、今すぐ手に入る未来をみすみす見逃す手はない。

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提供:UQコミュニケーションズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2010年10月31日