スマートフォンやタブレット端末の普及が進む中、モバイルインターネット接続の“新しい手段”として話題になっているサービスがある。それが「低価格SIMサービス」だ。
SIM(SIMカード)とは通常携帯キャリアが提供し、電話番号や固有の識別番号が記録された小型のチップ。3Gサービス(およびLTEサービス)では、端末にこのSIMカードを端末に差すことで契約状況を管理し、通話やデータ通信が利用できるようになる。通信事業者ごとに融通性は少し異なるが、SIMカードによりユーザーは同じキャリアの端末を購入してSIMカードを差して使ったり、あるいはこのSIMカードを差し替えることで1つの契約で複数の端末を使えるようになるというわけだ。
このSIMカードのメリットを活用するかたちで展開するのが「SIMカードのみ」を提供する通信サービスが「低価格SIMサービス」である。MVNO(仮想移動体通信事業者)と呼ばれる通信事業者が、ネットワークサービスを構築している大手通信事業者(MNO/NTTドコモなど)から回線を借り受けて通信サービスを提供する仕組みで、特に大きなポイントとして大手通信事業者のサービスと比べ「低料金」で、「ユーザーニーズに合わせたきめ細かい」サービスを提供するのが特徴である。
大手通信事業者のプランはデータ通信量が7Gバイト/月まで速度制限を設けない定額のサービスが一般的。その定額データプランは5700円/月(税抜)前後でほぼ横並びの高止まりな傾向にある。一方、MVNOが展開する低価格SIMサービスは、データ通信量の上限にバリエーションを持たせたり、最大通信速度を抑えるなど、柔軟でバリエーション豊かな利用プランを用意し、利用料金に幅を持たせている(比較的低価格に利用できる)点が大きく異なる。
大手通信事業者のプランはメインのスマートフォンやタブレットなどにて、動画なども含めて十分に楽しめる範囲という考え方で大多数のユーザーをあまねくカバーできるような料金プランとしているが、メール/Web/SNS利用が中心であれば7Gバイト/月ほどのデータ通信量まで使わない人もいるだろうし、“たまに”しか使わないのでもう少し安ければな……などと思う人も多くいるはずだ。
そういう人に向くサービスが「低価格SIMサービス」である。データ通信量の上限や最大通信速度の設定など大手通信事業者には用意されない細かいプランを用意することで、ユーザーの「こうだったらうれしいのに」のニーズをカバーする。これをうまく使えば、大手通信事業者の料金プランよりずっとリーズナブルに抑えられるようになる。また、そんなMVNOが工夫して展開するサービスは、多くの会社がサービスを提供することで競争原理が働き、より低料金で魅力的なサービスがどんどん生まれていることも人気を後押ししているといえるだろう。
「何だかよさそう」──そんな低料金SIMサービスに興味を持った人にまずお勧めしたいのが、「プリペイド」型のプランだ。
プリペイド型プランは、月単位で契約する(月額基本料が毎月発生する)月額制プラン(ポストペイド型プラン)に対し、一定期間/一定データ通信量まで使えつつ、原則として購入価格以上の出費が発生しない安心感がある。購入価格にデータ通信料金も含まれているので、簡単な手続きで、手にしたらすぐに使い始めることが可能だ。こちら、最近は量販店などでの扱いも増えており、スマートフォン契約時などと違い、購入においても特別な手続きがいらないので、Web通販などでも手軽に入手することができる。
プリペイド型プランに向いている人はこんな人だ。
などである。たいていのプリペイド型プランは、購入時ではなく初回利用時に利用開始手続きをしてから何カ月間有効──といったように利用期間が始まるので、パッケージを購入だけしておいて、いざ使う時のために備えておける。一応、購入から利用開始までの期限も最長で1年ほど(※期限は購入パッケージごとに異なる)に設定されるが、使わない期間はまったく料金が発生しない運用ができるのは大きなメリットだ。特に年に数回の帰省時、旅行時、出張時にだけモバイルインターネット接続手段がほしい人に向くのがお分かりいただけるだろう。
そんなプリペイド型プランの代表的サービスの1つが、IIJ(インターネットイニシアティブ)が展開する「IIJmioプリペイドパック」だ。IIJmioプリペイドパック(500MB)は、利用開始手続きから最大4カ月間(正確には、利用開始手続き日より3カ月後の月末まで。以下同)、500Mバイトまでのデータ通信が可能な低価格SIMサービスである。電気量販店や著名なWeb通販サイトで手軽に買える入手性のよさに加え、開通手続き(利用開始手続き)も電話をかけるだけで済む。
また、NTTドコモのFOMA(3G)/LTE(Xi)のネットワークを利用するので、最大速度や利用可能なエリアもFOMA/Xiエリアと同じのため、こちらも安心できる。このほか、(利用期限の4カ月までであれば)同社の月額制プランへ新規契約料金不要で移行できるのが可能なのもうれしい。まずはプリペイド型プランで使ってみて、自分に合うサービスであることが分かったら低価格SIMサービスの月額制プランに変更するとよいだろう。
そして、このIIJmioプリペイドパックを特に有効に活用できるデバイスの1つが、「3G内蔵タブレット」である。7〜8型クラスの小型タブレットは、大きすぎず、小さすぎず、これまでのPCや10型クラスのタブレットと異なり、使う場所を選ばない小型ボディが魅力だ。持ち出しに便利な小型タブレットだからこそモバイルでのインターネット接続は欲しいけど、月額6000円ほどとなるとちょっと……という人に勧めたい製品が、「YOGA TABLET 8 3G内蔵モデル+IIJmioプリペイドパック(500MB)セットパック」(以下、YOGA TABLET 3Gセットパック)である。
YOGA TABLET 3Gセットパックは、それぞれが魅力的な「IIJmioプリペイドパック」と、レノボ・ジャパンのタブレット「YOGA TABLET 8 3Gモデル」をセットにして販売されるものだ。単に一緒にしただけでなく、より簡単に、すぐ使えるようセットモデルならではの配慮がなされているのが特長だ。まずはYOGA TABLET 8 3Gモデルからチェックしてみよう。
YOGA TABLET 8 3Gモデルは、インターネット接続にWi-Fiを使用するYOGA TABLET 8のWi-Fiモデルに3Gデータ通信機能も追加した8型サイズのAndroidタブレットだ。立ったままでも机上でも使いやすい小型・軽量ボディによる手軽さと、その条件下で得られる最大クラスの画面サイズとなる8型ワイドの液晶ディスプレイを採用している。
さらに、よくある普通のタブレットにはない使い勝手を実現する「マルチモードスタンド」も魅力。ボディの下部をシリンダー状としたデザインにヒンジ機構を設け、折りたたんで収納できる仕組みで内蔵される。これにより、スタンドを出すと横位置で自立する「スタンドモード」、角度を付けて平置きできる「チルトモード」、そしてシリンダー部分をグリップにして持ちやすい「ホールドモード」に変形する。シリンダー部を除くと3〜7.9ミリととてもスリムなほか、このシリンダー部に大容量のバッテリーを組み込むことで最大16時間(Wi-Fi利用時)と長時間の動作も実現している。
基本仕様は、最大1.2GHz駆動のクアッドコアプロセッサ、1Gバイトのメインメモリ、16Gバイトのストレージを備え、ディスプレイは1280×800ドットの表示が可能な8型ワイドのタッチパネル付きIPS液晶パネルを搭載する。ディスプレイの縦横比は16:10で、多くのAndroidタブレットと同様にハードウェアボタンを持たない(タッチ操作で実施する)本機では16:9のコンテンツも邪魔にならない表示でホームボタンなどを表示できるメリットがある。また、スタンドモードにすると正面の左右にスピーカーが位置するのも動画再生シーンで特にうれしい理想的なレイアウトであり、シリンダー部をうまくに活用していることが分かる。リア500万画素/フロント160万画素のカメラも備え、Skypeなどのビデオ通話/ビデオ会議なども快適に行える。
通信機能は3Gに加え、IEEE802.11b/g/n準拠の無線LAN(Miracast対応)とBluetooth 4.0もサポート。イヤフォン端子はマイク兼用端子になっており、スマートフォン向けのマイク付ヘッドフォンを利用してSkypeなどのIP電話アプリで使う通話にも活用可能。充電端子を兼ねるMicro USBは、ホスト機能対応ケーブル/変換ケーブルを組み合わせるとスマートフォンなどの充電も可能。電源ボタンはボディの左側に、イヤフォン端子は右側、ボリューム調整ボタンは右側に位置しており、縦向きでも横向きでもど合理的にアクセスできる配置になっている。
OSはAndroid 4.2を採用する。ホーム画面はそのままアプリ一覧メニューを兼ねるシームレスタイプで、背景画面やアイコン配置場所、ウィジェット配置などのカスタマイズももちろん行える。ドロワーや設定画面、タスク一覧などはAndroid 4.2のほぼ標準仕様になっており、こちらはよい意味でオリジナルに近い安心感がある。動作も十分に軽快だ。このほか、Wi-FiモデルをベースにしたYOGA TABLET 8の詳細はこちらも参照していただければ幸いだ。
さて、YOGA TABLET 8 3Gモデルにしかない機能は「3Gデータ通信機能の搭載」である。SIMカードスロットはスタンドの裏側にあり、アクセスは簡単。カードサイズはMicro SIMサイズだ。また、SIMロックは施さないSIMロックフリーの仕様であり、W-CDMA(3G)は900M/2GHz帯での通信をサポートする。また、海外ではGSM/EDGE(2G)の900M/1800M/1900MHz帯での通信も可能だ。
IIJmioプリペイドパックは、2GHz帯で全国をカバーするFOMA(3G)ネットワーク(およびNTTドコモのXi)を利用でき、日本全国の広いエリアで3Gでのデータ通信を利用できる。さらに、YOGA TABLET 8はテザリング機能も使えるので、本機での通信をベースにスマートフォンをWi-Fi接続し、スマートフォンの月額量を抑える工夫もできる。
さて、低価格SIMサービス+SIMロックフリー端末で使う場合、これまでの大手通信事業者が販売する端末では不要だったAPN(Access Point Name:データ通信のために必要な事業者別の接続設定)の設定が必要になる。ただ、本セットは「IIJmioプリペイドパック向けの設定」がプリセット済みなので、面倒な設定作業なしにすぐに利用できるのがうれしい。APN設定は、慣れている人であればなんてことはない作業だが、はじめて低価格SIMサービスやSIMロックフリー端末を使う人であればちょっと分かりにくいもの。単にセットにするだけはなく、こういったより簡単に使うための工夫が盛りこまれているのは、「はじめての低料金SIMサービス」な人にとてもありがたい部分だと思う。
IIJmioプリペイドパック(500MB)は、まず「開通作業」という初期作業を行ってから使用する。作業といっても難しくはない。パッケージに記載されている電話番号に電話をかけ、自動ガイダンスに従ってSIMカードの電話番号と、同封されている「START PASS」カードに記述されている固有の番号を入力すればほんの1分ほどで完了する。自宅の固定電話や自身の携帯電話など、番号通知ができる電話で作業してほしい。
開通作業完了後、IIJmioプリペイドパック(500MB)は最大4カ月、あるいは500Mバイトのデータ通信量を使いきるまで使用できる。最大データ通信量に達したら、(開通手続きから4カ月以内であれば)945円/月のプランなどを用意する月額プラン「IIJmio高速モバイル/D」へ、使用するSIMカードはそのままに移行することができる。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2014年3月4日