それではベンチマークでパフォーマンスを確認しておこう。
PCMark 10 Extendedのスコア | |
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Extended Score | 6381 |
Essentials | 6593 |
App Start-up Score | 4694 |
Video Conferencing Score | 7840 |
Web Browsing Score | 7788 |
Productivity | 6260 |
Spreadsheets Score | 8810 |
Writing Score | 4449 |
Digital Content Creation | 7823 |
Photo Editing Score | 9230 |
Rendering and Visualization Score | 10816 |
Video Editing Score | 4796 |
Gaming | 13875 |
Fire Strike Graphics Score | 21410 |
Fire Strike Physics Score | 20597 |
Fire Strike Combined Score | 5620 |
システムパフォーマンスを見るPCMark 10のExtendedでは、Overallが6381とまずまずのスコア。内訳は、Essentialsが6593、Productivityが6260、Digital Content Creationが7823、Gamingが13875だった。
さらに詳細を見ていくと、おおむねどのテストも7000ポイント以上のスコアだが、いくつか4000ポイント台に落ち込むのは、App Start-upをはじめ、ストレージが絡むテストだ。本製品の標準構成ではHDDを採用しており、アプリケーションの起動などではワンテンポ待つ印象がある。標準のままHDDとするか、BTOでSSDを選ぶかという点は、購入の際に検討したいところだ。
主にグラフィックスカードの性能を測る3DMarkの結果も見ていこう。指標として用いられるFire StrikeではGeForce GTX 1080の威力で17478と、高いスコアを記録している。DirectX 12テストのTime Spyも7406と十分なスコアで、最新のグラフィックスを楽しむのに不足のない性能だ。
4KテストとなるFire Strike Ultraは5250、DirectX 12版のTime Spy Extremeは3353というスコアだ。こちらは十分なスコアではあるが、実際のゲームプレイではある程度の画質は狙えるものの、最高画質となると多少負荷の軽いタイトルが中心になるだろう。そのあたりを実ゲームタイトルによるベンチマークテストで見ていこう。
ゲーミングパフォーマンスは、負荷が高めのタイトルでテストした。まずはFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク。フルHDでは、高品質でも8277ポイントのスコアを出し、「快適」評価が得られた。4Kでは、軽量品質が5752ポイントの「やや快適」で、標準品質が4020ポイントの「普通」、高品質が3500ポイントの「普通」という評価だ。実際の映像を見る限り、軽量品質ならそこまで引っ掛かりを感じることはなく遊べる印象だ。
続いてAssassin's Creed Origins。フルHDのウルトラ画質は8833ポイントの76fpsで、ログを見る限り60fpsを割り込むシーンは見られず、かなり快適に楽しめる。一方、4Kに関しては、ウルトラ画質のままでは4504ポイントの37fpsまで落ちた。ギリギリ快適ラインの30fpsに対して余裕が少なく、時折、ガクッと1桁fpsまで落ちるシーンも出ている。
ただし、極端な落ち込みについてはGPU側よりも他にボトルネックがある際の症状だ。本製品の場合で考えられるのはHDDだろう。テクスチャの読み込みが間に合わなかったのではないかと思われる。なお、画質プリセットの設定を2つ落とした高画質のスコアは5039ポイントの42fps、評価も「安定」となるため、「4Kを高画質で楽しめる」という評価はできるだろう。
最後はTom Clancy's Ghost Recon Wildlands。Assassin's Creed Originsとゲームエンジンは同じで、画質を最大とした場合の負荷は現行タイトルでもトップクラスだ。
フルHDでウルトラ画質の場合は、平均57.63fpsで最小47.62fps。30fpsは満たせるが60fpsは割り込む結果だ。4Kのウルトラ画質では平均28.5fps、最小22.46fpsと、30fpsを満たすことができなかった。
ただし、ウルトラよりも下の画質プリセットは、Assassin's Creed Originsと異なる。4Kでも、ウルトラよりも1つ下の「非常に高い」プリセットなら、平均40.68fps、最小32.2fpsと、ギリギリだが30fpsを満たすことができた。この点、こちらも4Kを高画質で楽しめるという評価でよいだろう。
本製品はゲーミングデスクトップPCであり、購入者の多くはその用途にゲームを見据えているだろう。現在スタンダードなフルHD解像度であれば、このようにほとんどのタイトルをそのタイトルの最高の画質で楽しめるのが分かる。
また、4K液晶を入手した方も、最高の画質は難しいが、30fpsを快適ラインと見れば「高」以上のプリセットを適用できそうだ。クロスタイトルで同じゲームがコンシューマー機とPC版とでリリースされる現在、PC版でコンシューマー機以上の解像度と画質を狙うゲーマーにとって、本製品のパフォーマンスは太鼓判を押せる。
さて、3Dグラフィックスパフォーマンスがメインではあるが、本製品で特に優れているのがやはり8コア・16スレッドのRyzen 7 2700XによるCPUパフォーマンスだ。3DレンダリングベースのベンチマークテストであるCINEBENCH R15では、マルチスレッドテストのCPUが1753cb、シングルスレッドテストのCPU(Single Core)が172cbと高いスコアだ。3D映像制作では出力に要する時間を短縮できるだろう。
また、同じようにマルチスレッド時のパフォーマンスが求められるのが映像データの編集、そしてエンコード処理だろう。映像編集ソフトのTMPGEnc Video Mastering Works 6では、4K・60pのx264映像を4KのままYouTubeに出力するトランスコーディングにおいて、およそ毎秒17.5フレームで出力できた。4K録画機器が増えてきた現在、その映像をできるだけ低コストかつできるだけ短時間に編集できるPCをお探しなら、本製品がその答えの1つに挙げられるだろう。
NEXTGEAR-MICRO am540PA2は、現在の最新ゲームタイトルの最高画質設定を、フルHDディスプレイで楽しめるゲーミングデスクトップPCだ。この高い性能に加え、標準構成なら送料税込みで20万円以内に収まる突出したコストパフォーマンスが目を引く。
冷却性能向きのケースなので、プレイ中の安定性を重視される方にも向いている。一方、そこまで大きな音量ではないが、より静かにゲームを楽しみたい場合は、CPUクーラーを交換するだけで大きく改善できるはずだ。
ゲームを4Kで楽しむ場合は、ワンランク上のGPUを搭載するグラフィックスカードが欲しくなるかもしれない。ただ、さらにランクが上のエンスージアスト向けGPUを搭載すると、20万円ではとても収まらない。本製品はバランスを重視したモデルである。最高画質とはいわないまでも、本製品なら高画質までは引き上げることができるので、むしろ大多数のゲーマーにとっては“ちょうど良い”選択ではないだろうか。
なお、AMD CPU搭載モデルとなるとIntel系モデルとの価格差も気になるところだが、ほぼ同等の構成で探してみると、「NEXTGEAR-MICRO im600PA1」がIntel Core i7-8700とGeForce GTX 1080、B360チップセットという構成で税別17万9800円。一方の本製品は税別17万4800円であり、5000円ほど本製品のほうが安く、さらにSocket AM4のCPUとしては最上位の8コアCPUを手にすることができるのもポイントだ。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2018年6月7日