仕事は「自らの方法で」する時代 企業でMacの利用が増えている理由(2/2 ページ)

» 2019年06月04日 10時00分 公開
[林信行PR/ITmedia]
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Apple製品をWindows同様に管理する「Jamf Pro」

 そんなMacの企業利用において、ほぼ業界の実質標準となりつつあるのが「Jamf Pro」という製品だ。

 Apple製品の組織での利用の利点は、MDM(Mobile Device Managment)を利用して遠隔にあるデバイスのシステム構成やアプリを配信できることが挙げられる。

 Jamf Proも、まさにAppleのMDMのフレームワークに準拠し、iOS、tvOSおよびmacOSのデバイスを管理するツールだ。

 ただし、macOSというユーザーの自由度が極めて高いOSの管理において、MDMで制御できる範囲は限界がある。そのためJamf Proでは、企業向けWindowsと同等レベルの強固なセキュリティ管理を実現するため、彼らが「Jamfバイナリ」と呼ぶエージェントを利用してさらに詳細な管理を可能にしている。

 MDMならではのモダンな機器管理技術の筆頭と言えば「ゼロタッチ」導入だろう。買ってきたばかりの新品のMacやiOS機器、Apple TVなどを電源につなぎ、ネットワークに接続すれば、会社の運用にあった各種設定が自動的に行われる。社員に自らセットアップさせる場合でも、教える必要があるのはADなどのIdPによる認証のような最小限のアクションのみ。キッティングセンターで作業を行うとしても従来の工数が劇的に削減される。

 自動設定が完了したMacには、Jamfが提供する「Self Service」というアプリケーションもインストールされるので、ここを通してPDF形式の操作方法のマニュアルを提供したり、必要なアプリを配布したり、社内のサポートサイトに誘導することもできる。

業務に必要なアプリを配布できる「Self Service」。操作マニュアルの配布やサポートサイトへの誘導も行える

 これまでMacを、既にWindowsの利用が広まっている企業などで活用しようとすると、最新のMicrosoftのEMS条件付きアクセスにMacを統合できないことが課題になっていた。しかし、Jamf Pro管理下のMacであれば構成済みのEMS条件付きアクセスに、Microsoft Intuneを通じて統合可能になった。

 既に欧米の企業で、Macの利用が広がってきたこともあり、よく見渡してみると、ビデオ会議システムやSlackなどのコミュニケーションツール、グループウェア、Microsoft Officeをはじめとするビジネススイートに至るまで、今日、MacとWindowsで利用できるアプリやサービスにはほとんど差がなくなってきている。

 唯一、障害となり得るのは、かなり前に導入されてそのままになっているInternet Explorerの古いバージョンに依存したイントラネット系サービスであったり、ExcelやWordの独自のスクリプトやVisual Basicアプリくらいだ。

 そして、上に挙げたものはいずれも、進化の早い現代を企業が生き抜いていく上で、(例え今後も社内で利用するPCをWindows機だけしか許さない方針を続けた場合でも)そろそろやめないといけない古い因習ばかりだ。

 これからAIの時代に突入し、社会はさらに大きく変容する。これまでのようなゆっくりとした技術進化の時代は終わり、私たちは今まさに「VUCAの時代」(「Volatility」「Uncertainty」「Complexity」「Ambiguity」の頭文字。つまり変化が激しく、不確実で、複雑性に満ち、暖昧性が増した時代のこと)に入ろうとしている。そして、こうした時代を生き抜く上で大事なことの1つが「多様性」だといわれている。

 これからの企業が受け入れるべき「多様性」の中には、身体機能の多様性やジェンダーの多様性、働き方のスタイルの多様性に加えて、「使う道具の多様性」もあるはずだ。毎日仕事で長い時間をともに過ごす道具は、社員たちが働くときの精神状態にも大きな影響を与えるのだ、という気付きを与えられればというのが本稿の狙いだ。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2019年6月10日