中身を一新してより快適に! Windows Server IoT 2019搭載NAS「LAN DISK Z」ハイエンドモデルを試す(1/2 ページ)

 アイ・オー・データ機器のWindows Server搭載の法人向けのNAS「LAN DISK Z(HDL-Z)シリーズ」は、さまざまな規模や用途に対応できる豊富なラインアップが特徴だ。そのハイエンドモデルに「Windows Server IoT 2019」を搭載する新モデルが登場したことを受け、第1弾の4ベイモデルをチェックする。

» 2020年06月24日 10時00分 公開
[山市良PR/ITmedia]
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 アイ・オー・データ機器の「LAN DISK Z(HDL-Z)」シリーズは、組み込み機器向けのWindows Serverを搭載した、企業のWindowsベースのネットワークと特に親和性の高いNASである。2019年5月に登場したミドル/ローエンドモデルに続き、2020年6月に上位モデルもOSを最新の「Windows Server IoT 2019 for Storage」搭載のものに刷新された。その実力を見ていこう。

新モデル LAN DISK Z HDL4-Z19SI3Aシリーズ(4ドライブモデル)

規模や用途に合わせて選べる法人向けNAS「LAN DISK Z(HDL-Z)」

 LAN DISK Zシリーズには大きく「2ドライブモデル」「4ドライブモデル」「4ドライブラックマウント(1U)モデル」の3つがあり、それぞれに4種類のディスク容量を用意している。最大同時接続(クライアント)数は50または100台を想定しており、「小規模なオフィスでコストを抑制したい」というニーズから、「大企業において大容量かつ高速なファイルサーバインフラがほしい」というニーズまで、柔軟に対応できることが特徴だ。

 企業では今、インフラ部分を含めてクラウドの利用が進んでいる。しかし、セキュリティ面や法的な理由、あるいはデータの読み書き速度(I/O性能)の都合からクラウドに置けないデータというものは存在する。

 LAN DISK Zが採用するのは、NASデバイスでの利用を想定した、組み込み機器用Windows Serverだ。サーバライセンスやクライアントアクセスライセンス(CAL)といった追加のライセンスを用意することなく利用できるため、大容量、高性能、かつコスト効率の良いファイルサーバーをオンプレミスで用意する際に有力な選択肢となる(※1)。

 特にWindowsベースのネットワークに設置して利用する場合、既存のクライアント環境、「Active Directory」を始めとするWindows Serverの機能や運用管理環境との親和性が高い。「SMB v3」によるセキュアで高速なファイルアクセスはもちろんのこと、通常のWindows Serverと同じ使い慣れた管理手法と管理ツールでシームレスかつ効率よく管理できる。

(※1)企業内で構築した既存のActive Directoryドメインに参加させることもできます。ドメインユーザーおよびグループによる共有フォルダーへのアクセス制御も可能ですが、この場合はユーザーまたはデバイスごとに「Windows Server CAL」が必要です

画面1 LAN DISK Zシリーズは、Windows Server用の管理ツール「Windows Admin Center」を使って管理できる
画面2 「Windows Admin Center」の「Windows Update」を使えば、コンソールに接続しなくても更新プログラムの確認やインストール、再起動のスケジューリングが可能だ

OSの刷新にとどまらない機能強化

 LAN DISK Zシリーズのうち、ローエンドおよびミドルレンジモデルについては、2019年5月にOSを最新の「Windows Server IoT 2019 for Storage Standard」または「Workgroup」搭載の最新モデルに刷新した。

 そして2020年、ハイエンドモデルがWindows Server IoT 2019 for Storage Standardを搭載して新しい「HDL4-Z19SI3A」シリーズとなり、6月にその第1弾として4ドライブモデルの販売を開始した。Windows Server IoT 2019に関する詳細は2019年の記事を参考にしていただくことにして、ここからはHDL4-Z19SI3Aシリーズの特徴をチェックしていこう。

新NASのラインアップ Windows Server IoT 2019 for Storageを搭載する法人向けNASのラインアップ。ハイエンドモデルが「HDL4-Z19SI3Aシリーズ」として刷新され、その第1弾として4ドライブモデルがリニューアルされる

 HDL4-Z19SI3Aシリーズは、単にOSを最新バージョンに入れ替えただけではない、幾つかの強化点がある。4ドライブモデルの外観は、2019年5月から販売されているミドルレンジ向けの「HDL4-Z19SCA」シリーズやWindows Storage Server 2016搭載の旧モデル「HDL-Z4WPIシリーズ」の4ドライブモデルと変わらないが、その中身は大幅に刷新されている。

 そのポイントは「さらなる高速性」「信頼性」、そして「拡張性」である。

正面背面 HDL4-Z19SCAシリーズの4ドライブモデル。一見すると、従来の4ドライブモデルから変化のないように見えるが、外観からは分からない大きな機能強化が施されている

 CPUは、旧モデルがIntelの第3世代Core i3プロセッサ(3.30GHz、2コア)だったが、新モデルでは第8世代Core i3プロセッサ(3.10GHz、4コア)に変更され、大幅にパワーアップしている。メモリの容量は8GBで変わりないが、ECC(エラー訂正)対応のものに変更し、より安定した稼働を実現した。

 注目したいのが、チップセットの変更だ。旧モデルではローエンドデスクトップ用の「Intel H61チップセット」を採用したが、新モデルではサーバ用の「Intel C246チップセット」を採用している。サーバとしての性能を存分に発揮できる上、PCI ExpressポートがGen 2の4レーンからGen 3の8レーンとなり、世代交代とレーン数の倍増を果たした。この変更を生かして、PCI Express(NVMe)接続のM.2 SSDを搭載するオプションアダプターの提供も検討されているようだ。

システム情報 HDL4-Z19SI3Aシリーズ(4ドライブモデル)のシステム情報
マザーボード CPUは第3世代から第8世代のCoreプロセッサに、メモリはECC対応品に変更されるなど大きなスペックアップを果たしている(※マザーボードは開発中のものであり、量産品とは異なります)

 ストレージは、新旧モデル共にホットスワップに対応するカートリッジタイプの4ドライブ構成だ。RAIDの構成は、RAID 0とRAID 5(工場出荷時設定)に対応しており、RAID 5構成では、ディスクのうち1台が故障しても、電源を切らずに(オンラインのまま)交換し、自動的に正常な状態へと戻すことができる。

 LANポートも旧モデルと同様で、10GbEのLANポート×1と1GbpsのLANポート×2口を標準搭載している。LANカードを増設することなく、大容量化するデータの高速転送や企業のバックボーンネットワークへの高速な接続、アプリケーションデータの格納用途など、さまざまな用途に活用できる。

ホットスワップ対応 ストレージはカードリッジ式で、ホットスワップに対応している。1台のドライブに障害が発生した場合でも、シャットダウンせずに対応を行える

 ストレージやネットワーク回りの変化は少ないように見えるが、CPUなどのスペックアップによってシステム全体のパフォーマンスは向上している。アイ・オー・データ機器の社内テスト結果によると、共有フォルダーからの1GBのファイルの読み出しは毎秒約1109MB、書き込みは毎秒約579MBとなったという。また、この製品が推奨する最大同時接続数は100台であるが、128台の同時接続負荷テストでは十分な余力を見せたという。どちらのテストも、NASとクライアント間は10GbEで接続して行われたものだ。

 Windows Updateなどの更新管理を始めとするメンテナンス作業や、NASにインストール可能なアプリケーション(バックアップソフト、セキュリティ対策ソフト、UPS監視ソフト、管理ツールのエージェントなど)の実行は負荷が大きい。例えば、Windows Updateに想定外の時間を要してしまうと、それだけでクライアントからアクセスできない時間帯が発生してしまう。新モデルの強化されたスペックは、負荷にまつわる課題を解消してくれるはずだ。

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提供:株式会社アイ・オー・データ機器
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2020年6月30日