中身を一新してより快適に! Windows Server IoT 2019搭載NAS「LAN DISK Z」ハイエンドモデルを試す(2/2 ページ)

» 2020年06月24日 10時00分 公開
[山市良PR/ITmedia]
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新モデルのパフォーマンスを検証

 ここからは、LAN DISK Zの新モデルのパフォーマンスを旧モデルと比較しつつチェックする。

 まず、Windows Serverを稼働するマシンとしての性能改善を見るため、新旧モデルでWindows Updateによる更新プログラムのインストールにかかる時間も計測した。このテストでは、2020年4月までの全ての更新プログラムがインストールされている状態から、2020年5月のセキュリティ更新プログラムをインストールする際に要した時間とパフォーマンスデータを計っている。更新のためのメンテナンス時間の目安や運用環境への影響、NASで実行する各種アプリケーションの性能の目安にもなるはずだ。

 テストの結果は、以下の表に示した通りである。Windows 10の初期バージョンやWindows Server 2016では、Windows Updateに時間がかかることがあるという課題がある。比較的新しいバージョンでは配信方法の最適化、再起動に伴うダウンタイムの短縮といった更新プロセスの改善が継続して行われているが、その違いが如実に表れている。

Windows Updateにかかった時間 LAN DISK Zシリーズの新旧モデルで2020年5月のセキュリティ更新プログラムのインストールにかかった時間。圧倒的な差が見られる

 次に、一般的なファイルサーバとしての利用を想定したテストを行う。テストでは、LAN DISK Zの新旧モデルとクライアントとなるWindows 10搭載PC(CPUはCore i3-9100、メインメモリ16GB)を10GbEスイッチに接続した。リンク速度は、LAN DISK Zは新旧共に10Gbps、Windows 10搭載PCは1Gbpsとなっている。

 NASとクライアント側共に、Windowsのネットワーク関連の設定やLANドライバーの設定には変更を加えていない。Windows Server 2016/2019やWindows 10はIPv4とIPv6のデュアルスタックに対応しているが、どちらのIPプロトコルを使ったかどうかは考慮していない(通常はIPv6が優先される)。設置するだけですぐに使い始めることができることもNASの利点だからだ。リンク速度は最大1Gbpsとなるため、ピーク時を想定したメーカーテストとは条件が大きく異なることは注意してほしい。

 クライアントはLAN DISK Zに作成した共有フォルダー(物理パスとして「Dドライブ」に割り当て)と、ローカルのCドライブ(M.2 SSD NVMe)内に作成したフォルダとの間で、100MB、1GB、5GBのファイルのダウンロード(読み出し)とアップロード(書き込み)をそれぞれ複数回、1秒の待ち時間を挟んで連続実行し、そのスループットの平均を算出した。BitLocker(ドライブ暗号化)は、NASでは「無効」、クライアントでは「有効」の設定としている。

 これとは別に、さらに6台のクライアントを追加し、計7台で同時接続してLAN DISK Zに負荷をかけるテストも実施した。追加する6台もWindows 10 PCであるが、その通信スペックは1Gbps、100Mbpsの有線LAN、Wi-Fi経由での接続、IPv6とIPv4の利用……と、さまざまなものが混在している。計7台のテストでは、100MB、1GB、5GBのダウンロードとアップロードをランダムな順番で繰り返し実行するようにした。ダウンロードおよびアップロード中のNAS側のCPU、メモリ、ディスク、ネットワークのパフォーマンスデータも計測している。

検証環境 ベンチマークテストの実施環境

 クライアントPC1台によるテストでは、意外なことに新モデルの性能向上が数値に表れることはなかった。新旧モデル共にほぼ同等の性能を示しているが、5GBのアップロードのみ、新モデルは旧モデルの最低値で4割、平均値で7割ほどの速度にとどまった。

1台テストの結果 クライアント1台によるダウンロード/アップロードテストの結果。1Gbpsのリンク速度では、数値上は新モデルに期待される性能向上は見えない(※2)

 そこで、10GbE接続における性能を測るべく、10GbEリンクを利用できる新旧のLAN DISK Z同士で同じテスト方法で相互にベンチマークを実施した。すると、新モデルの方が読み取り性能において3〜5割ほど高速だった。Windows Serverのバージョンの違いによるネットワークスタックの変更や、10GbE LANアダプターのデバイスドライバーの違いなどが影響しているのかもしれない。同じテストのセットを複数回行ったが、いずれも同様の結果を示した。

 これに対して、7台による負荷テストでは、新モデルにおけるダウンロード性能が旧モデルと比べて平均値で1〜7割ほど高速だった。アップロードの速度がそれほど出ていないのは、他の6台のランダムな負荷が集中したものと思われる。

 ここで注目したいのは、テスト中のパフォーマンスである。単体テストと複数台(負荷)テストのどちらも、新モデルは旧モデルと比較して、CPU使用率が圧倒的に低く抑えられている。総テスト時間は単体テストでは旧モデルに少し劣るものの、新モデルは少ないシステムリソースで高いスループットを提供できているということになる。

7台での計測 クライアント7台による負荷テストの結果。少ないシステム負荷で同等のスループットを見せた(※2)

(※2)ファイルの転送速度の計測には、筆者の自作スクリプトを利用しています。計測は秒単位であるため、100MBファイルの800Mbps(転送時間1秒)は計測できる最大値であって、実際にはそれ以上の性能がでている可能性があります

大規模環境でこそ発揮できる真の能力

 今回のテスト結果から、LAN DISK Zシリーズの新モデルのスペックや挙動は、サーバとしての利用に最適化されているといえる。同時接続するクライアントがより多い環境では、より安定して高いスループットを提供できるものと期待できる。

 製品カタログが示すように100台規模の同時接続環境でこそ、その秘めたる能力を発揮できるのではないだろうか。今後登場する予定の2ドライブモデルや1Uモデルにも期待が持てそうだ。

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