これまで見てきたように、ZFSはエンタープライズ用途として最適のファイルシステムだといえる。
では、なぜ全てのNASメーカーがZFSを採用しないのか――そんな疑問を持つかもしれない。理由は簡単で、ZFSが備える高度な機能が高速なプロセッサと潤沢なメインメモリを前提として設計されているからだ。ディスクの読み書き速度を上回る速度でデータを圧縮/伸張できるプロセッサ、膨大なハッシュ情報をページングなしでさばけるメモリ――これらが無ければ、オーバーヘッドによって速度はかえって逆に低下してしまう。ZFSはプロセッサとメモリによってストレージの限界を乗り越える、ハードウェアに対するスペック要求の高いファイルシステムでもあるのだ。
そこでお勧めしたいのが、ZFSに最適なハードウェア構成となっているQuTS heroプリインストールモデル「TS-h1283XU-RPシリーズ」「TS-h1277XU-RPシリーズ」「TS-h977XU-RPシリーズ」である。プロセッサはXeon E2236(3.4GHz〜4.8GHz、6コア12スレッド)もしくは「Ryzen 7 3700X」(3.4GHz〜4.4GHz、8コア16スレッド)を搭載し、メインメモリは標準で32GBまたは128GBを備える。ネットワークインタフェースには標準で2〜4基の1000Base-Tポートに加え、SFP+ SmartNICと10GBase-Tポートを4基搭載している。
ZFSの高いパフォーマンスを引き出せる、ハイスペックな設計となっていることが魅力だ。
QuTS heroは大容量、パフォーマンス、データ保護といったNASに求められる要件を妥協なく実現するOSだ。要求するハードウェアスペックも高いものの、そのハードウェアのポテンシャルを限界まで引き出す、まさに新世代のOSといえる。
クライアント数が多く、アクセスが頻繁に行われるといったエンタープライズ用途だけでなく、VDIなど仮想基盤のプラットフォーム、ビデオ監視システムのようなロストが許されない連続するデータ書き込みでの利用や動画編集など、容量が大きいデータにも最適な、1つ上のステージのNASのためのOSと言えるだろう。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2020年9月10日