マウスコンピューターがクリエイター向けに渾身(こんしん)のモデルを投入した。今ある最高のパーツでノートPCを作ったら……という夢のようなスペックのモンスターPCだ。「DAIV 7N」の実力をチェックした。
マウスコンピューターのクリエイター向けブランド「DAIV」シリーズから、フラッグシップクラスの17.3型ノートPC「DAIV 7N」がリニューアルして登場した。
ノートPCの枠を超えたモンスター級の基本スペックとプロユースのディスプレイに加えて、サブウーファー付きステレオスピーカーや、ひときわ鮮やかさなRGB LEDキーボード、2.5GBASE-T対応の有線LAN、Thunderbolt 3端子、UHS-III対応SDメモリーカードリーダーなど、先進のプレミアムな装備を全身にまとう。
標準構成の基本スペックは、デスクトップPC向けの第10世代Core i7-10700、32GBのメモリ、1TB NVMe SSD、そしてGPUにNVIDIA GeForce RTX 2080 SUPERを搭載する豪華仕様で、BTOで最大128GBのメモリを選べるなど、さらに強力な仕様へとカスタマイズ可能だ。
実際にどれだけのパワーがあるのか、どんなPCなのかは大いに気になるところである。標準構成の評価機を入手したので、さっそくレビューしよう。
17.3型という、ノートPCとしては最大クラスの大画面、そしてデスクトップPC向けのCPUを搭載するだけにボディーは大きめだ。具体的なサイズは約399(幅)×319.8(奥行き)×44.5(厚さ)mmあるが、画面の上や左右が狭いスリムベゼルデザインを採用するおかげでフットプリントは抑えられており、画面サイズのわりに圧迫感は感じない。
重量は約4.65kgと、ずっしりとした重厚感がある。剛性も非常に高く安定感があり、広いパームレストに手を置いてみると、厚みがあるぶん手が高い位置で安定する。処理のレスポンスの良さ、画面やキーボードのクオリティーの高さ(詳細は後述)も手伝って、使用感は通常のノートPCとは明らかに異なる。例えるならば、高級車の乗り心地に近い感覚と言えるだろう。
電源については、280W仕様のACアダプターを2つ利用するという特殊仕様だ。デスクトップPC向けのCore i7-10700(TDPは65W)に加えて、NVIDIA GeForce RTX 2080 SUPER(グラフィックスメモリは8GB)という、妥協のないGPUを搭載していることを考えればこのような仕様となるのも十分に理解できる。
室内でも気軽に持ち運べるとはいえないサイズと重量なので据え置きでの利用が前提となるが、大容量のバッテリーを内蔵しており、公称の駆動時間も約4.5時間(JEITAバッテリ動作時間測定法)を確保している。
出先でのプレゼン作業はもちろん、停電などの緊急時にはスマートフォンに電力供給できるバッテリーとして使うこともできるのは心強い。
DAIV 7Nの特徴の1つが、デスクトップPC向けの強力なCPUを搭載することだ。
デスクトップPC向けのCPUは、CPU自体のサイズが大きく、消費電力や発熱も大きい一方、ノートPC向けのCPUよりも性能を上げやすく、相対的に低コストだ。
本製品は、ボディーのサイズが大きくなることを承知の上で、あえてデスクトップPC向けのCPUを採用し、通常のノートPCでは実現できないようなレベルの高い性能とリーズナブルなプライスを両立している。
標準構成では、8コア16スレッドで最大4.8GHz駆動のCore i7-10700を備える。BTOでは、より高速なCore i7-10700K(3.8GHz〜5.1GHz)や、10コア20スレッドのCore i9-10900K(3.7GHz〜5.3GHz)も選べるというから驚きだ。
クリエイティブ用途でも重要度が増しているGPUには、NVIDIAのGeForce RTX 2080 SUPERを装備する。ノートPC向けとしては最高峰といえるGPUであり、リアルタイムレイトレーシングなどに対応した最も重い部類の3Dゲームも高画質で楽しめる3D描画性能を備える他、クリエイティブアプリケーションでも、NVIDIA GPUのGPGPU機能(CUDA)を利用し、描画処理の高速化やレイトレーシング、AI推論の高速化が行える。
近年、NVIDIAはGPUのクリエイティブ活用、特にRTXシリーズのクリエイティブ活用を推進していることもあり、プロユースのアプリケーションを中心にGeForce RTXならではのレイトレーシング性能やAI推論性能を生かした高速化機能を利用できるアプリも出てきている。
特にクリエイターの多くが使っているPhotoshopでは、AIが自動的に意図された対象を認識してマスクを作成したり、画像に対する複雑な調整を簡単に行うニューラルフィルターが創作活動を強力に支援してくれる。
標準搭載のメモリは32GB(16GB×2)だが、BTOでは最大128GB(32GB×4)まで選択できる。ストレージは、1TBのPCI Express SSD(M.2)を採用する。本体内部にはM.2ソケットが3基あり、SSDのトリプル搭載や、RAID 5構成も選べるようになっている。
このRAID 5は、複数のストレージにデータを分配することにより、書き込み速度の高速化とデータの冗長性を担保できるなど、速度と安定性の両方を必要とするクリエイター用途に適している。一般的には複数のドライブを搭載できるデスクトップPCなどでの利用例が多いが、本機であれば最大3基のストレージを内蔵可能なため、ノートPCとしては群を抜く選択肢が用意されている。
続いて、インタフェース回りを見ていこう。
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提供:株式会社マウスコンピューター
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2021年1月28日