ここまでの話を総合すると、「メッシュWi-Fi対応」かつ「Wi-Fi 6対応」のWi-Fiルーターを探せば広い空間でも快適かつ高速に使えるということになる。ただ、「3階建て以上の鉄筋コンクリート」「L字形の間取り」といった建物だと、電波を行き届かせることが難しいこともある。
そこでお勧めしたいのが、TP-LinkのWi-Fi 6対応メッシュWi-Fiルーター「Deco X90」だ。Deco X90は親子兼用の高性能メッシュWi-Fiルーターで、想定販売価格は、1台版が2万8380円、2台版が5万4780円(いずれも税込み、以下同)となる。2台版は6月15日に発売済みで、1台版も7月15日に発売された。
「TP-Linkって?」と思った人のために、先にメーカーであるTP-Linkについて紹介しておこう。同社は1996年に創業したネットワーク機器メーカーで、日本市場に参入したのは2016年である。
日本では「新人」という扱いのメーカーかもしれないが、同社は米IDCの「Worldwide Quarterly WLAN Tracker Report」において、2011年から10年連続で世界ナンバーワンの無線LAN機器プロバイダーとして認定されている最大手メーカーだ。最新のネットワーク規格も積極的に採用していることでも知られている。
話をDeco X90に戻そう。Deco X90の想定販売価格は、同等の機能を搭載するルーターの中では比較的手頃だ。ホワイトを基調とした筒状のデザインで、どこに置いてもマッチする。専用アプリ「Deco」を使って簡単にセットアップできることもうれしいポイントだ。
Deco X90のメリットはこれだけではない。もう少し掘り下げてチェックしていこう。
Deco X90はトライバンド(3波)の同時通信に対応していることが強みだ。
一般的に、メッシュWi-Fiルーターは親子間の「バックホール通信」を行うために専用帯域(電波のエリア)を確保する。例えば2.4GHz帯で1本、5GHz帯で1本という構成のデュアルバンドモデルだと、どちらか片方の帯域をバックホール回線としても利用する。例えば5GHz帯をバックホール回線に利用する場合、5GHz帯で通信するPCやスマホなどの通信速度はどうしても落ちてしまう。
それに対して、Deco X90は2.4GHz帯で1本(最大574Mbps)、5GHz帯で2本(最大4804Mbps+1201Mbps)の計3本の帯域で同時に通信できる。そのため、5GHzの1帯域をバックホール回線に専念させれば、もう片方の5GHz帯や2.4GHz帯を余す所なくPCやスマホなどの通信に割り当てられる。バックホール回線も高速化する上、PCやスマホの通信速度も改善するので、まさしく“Win-win”である。
トライバンドの恩恵もあり、Deco X90はWi-Fiデバイスを最大で200台同時に接続できる。PC、スマホ、タブレット、ゲーム機やスマートデバイスなど、たくさんのWi-Fiデバイスがある家庭やオフィスでも、通信の快適さを保てる。
Deco X90は、同社初となるAI(人工知能)を活用した「AIメッシュ」というユニークな機能を搭載している。
AIメッシュは、接続される端末の種類やユーザーの行動傾向などを学習し、親子間の通信経路の選択や、端末のローミング(接続先の変更)を誘導するタイミングの最適化を自動的に行ってくれる。簡単にいうと、AIがより快適な通信を行えるように自動的に調整してくれるということである。
メッシュWi-Fiでは、子機の先に子機を接続する「ホップ接続」をサポートしている。ホップ接続の場合、親機と子機、その先にある子機同士の位置関係によってはスループットが低下してしまうことがある。その点、Deco X90なら、Wi-Fi 6とAIメッシュの両輪で通信品質を向上できる。「L字型の間取り」「3階建ての鉄筋コンクリート」といった、Wi-Fiの「鬼門」となりやすい間取りの建物でも、快適に通信可能だ。
なお、AIメッシュの最適化処理は、全てルーター内で行われる。クラウド(インターネット)で処理することはないため、プライバシー上の問題もない。
Deco X90のLANポートはWAN(外部接続)ポートとの兼用で、1000BASE-T(1Gbps対応)と2.5GBASE-T(2.5Gbps対応)を1基ずつ備えている。
最近は「フレッツ 光クロス」や「auひかり ホーム 5ギガ」のように最大通信速度(理論値)が1Gbpsを超えるインターネットサービスも増えている。1000BASE-Tポートしか備えないルーターではそのポテンシャルを生かせないが、Deco X90なら、より高速なインターネット回線のポテンシャルをより引き出せる。
両ポートは子機として利用している場合も有効だ。例えば、インターネットのONU(光終端装置)から離れた部屋に有線LAN環境を構築したい場合に、Deco X90を2台用意すれば離れた部屋(子機側)でも2.5Gbpsの有線LAN環境を構築できる。最近は、ゲーミングPCを中心に2.5GBASE-Tポートを備える家庭用PCも増えている。「高速な有線LAN環境を構築したいけれど、部屋と部屋の間に有線LANケーブルを引くのは難しい……」という場合に効果てきめんだ。
Deco X90のカバーできるエリアは、1台当たり最大280平方メートルとなる。2台セットなら最大560平方メートルをカバー可能だ。560平方メートルを坪換算すると、約169坪。4〜6LDK以上の広い間取りに相当する。
広い家屋や事務所でも、Deco X90を2台設置すれば十分にカバーできる可能性がある。搭載しているアンテナも高性能なので、先述したL字形の建物や3階建て以上の建物のように、エリアカバーの難しい間取りでも快適に使える。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2021年8月19日