「G-Tune HP-Z」は、マウスコンピューターのゲーミングデスクトップPCでハイエンドに位置する製品だ。同社が「ユーザーのあらゆる希望をかなえるハイエンドモデル」とうたう、本製品のパフォーマンスをチェックした。
「G-Tune HP-Z」は、マウスコンピューターのゲーミングブランド「G-Tune」に属するフルタワー型デスクトップPCだ。
最高級のフルタワーボディーに、Core i9-11900KやGeForce RTX 3080 Tiを搭載したヘビーゲーマー向けのシステムで、BTOによる豊富なカスタマイズにも対応する。標準構成の実機を入手したので、早速レビューしよう。
ゲーム体験を大きく左右するグラフィックス機能には、NVIDIAの最新ハイエンドGPU「GeForce RTX 3080 Ti」(グラフィックスメモリは12GB)を搭載する。多くのゲームで最上位のGeForce RTX 3090(同24GB)に迫るパフォーマンスを持っている。
光の軌跡の綿密な計算によってリアルな陰影、水面やガラスへの映り込みなどを再現する「リアルタイムレイトレーシング」、超解像度技術「DLSS 2.0」、明暗差の激しいシーンでも階調を維持して鮮やかに表現できる「HDR」など、先進機能に対応したタイトルを含め、現行のほぼ全てのゲームタイトルを高画質かつ高フレームレートで快適に楽しむことが可能だ。
一方のCPUは、Intel最新の第11世代Coreプロセッサ(開発コード名:Rocket Lake-S)の最上位モデルとなるCore i9-11900K(3.5GHz〜5.3GHz)だ。パワフルなマルチスレッド性能(8コア16スレッド)に加え、最高のシングルスレッド性能を備えており、現行トップクラスのゲーミング性能を持つ。
高性能なシステムは発熱も激しいが、本製品はその対策も万全だ。
グラフィックスカードは、3スロット分のスペースを有する超大型GPUクーラーを備える。大型のヒートパイプ、ヒートシンクと3連ファンで効率良く放熱してくれる。
CPUにも、360mmラジエーター付きの水冷クーラーを装備する。水冷システムは、熱伝導効率が空気の20倍以上もある冷却液を利用して熱を移動させることで効率の良い放熱が可能だが、3連ファンを搭載した大型のラジエーターをPCケースの上部に設置することで、その効率をさらに高めている。
Intelの第11世代Coreプロセッサ、それも最上位のCore i9-11900Kとなるとかなり強力な冷却を必要とする(TDPは125W)が、この水冷システムにとってはさほど問題でないようだ。CPUに大きな負荷をかけるCINEBENCH R23のCPUテスト(10分間)を実行してもすぐには風切り音や排気音が大きくならず、途中でゴォーと回り出すのが分かる程度の音にとどまっていた。
ゲームプレイ中はCPUとGPU両方に負荷がかかることになるが、グラフィックスカードのファンはアイドル時にファンが停止しており、高負荷時でも音の上がり方はマイルドだ。全体の動作音としても、机の上でかなり体に近い位置に設置していても耳障りに感じないレベルで、足元への設置なら意識しないと分からない程度の音にとどまっていた。
優れた静音性の実現に大きく貢献しているのが、フルタワー型ボディーのエアフローだ。
暖められた空気が上昇していく性質を利用し、底部に大きく吸気口を開けて、底面からファンのある上方へと流れるエアフローを効果的に作り出し、システム全体とグラフィックスカードの放熱を効率化している。
また、電源と水冷ラジエーターは、他の熱源と分離して上部に設置スペースを用意する。底部からのエアフローに加えて、両サイドパネルにも吸排気口を設けることで、さらに効率の良い放熱ができるようになっている。
ボディーのデザインも目を引く。クリアブラックの強化ガラスと、レッドのアルマイト塗装が施されたアルミニウムを組み合わせたフロントパネルは高級感が抜群だ。底部の吸気口を効果的に機能させるため、かさ上げするスタンドもしっかりとした作りでぐらつかない。一般的なPCケースとは、ひと味もふた味も違う仕上がりで、所有欲を刺激してくれる。BTOオプションでは、サイドパネルに中身がほんのりと見えるライトスモーク仕様の強化ガラスを選ぶことが可能だ。
ケース内部には、2基の2.5インチベイと3.5インチベイ(評価機構成ではHDDに利用済み)があり、拡張性も優れている。
続いて、内部システムを見ていこう。
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提供:株式会社マウスコンピューター
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2021年9月21日