―― フリップの活用シーンのイメージなどはありますか?
Felix氏 画面を人に見せたいときにはとても便利だと思います。商談相手にプレゼン、デモ画面を見せたい場合、上司やクライアントに制作作業の進ちょくを報告する際など、大きな画面でありながら、スッとスタイルを変えて見せられるのは大きな強みです。
ペンで手書きメモをするにはタブレットスタイルが便利ですし、机が狭い場合でもタブレットスタイルであれば、手に抱えたまま操作できます。プライベートでネット動画などを視聴する際には、前にキーボードがないテントスタイルやスタンドスタイルの方が没入感が高まります。キーボードに食べ物のカスやゴミなどが落ちる心配もありません。
―― 付属のMSI Penについて教えてください。
渡邉氏 Microsoftのプロトコル(MPP2.0)に対応した「MSI Pen」が付属します。筆圧感知は4096段階で、USB Type-Cで充電でき、マグネット内蔵で本体側面に固定することができます。さらにペン先も、樹脂製の「POM」と呼ばれるタイプと、誘電繊維タイプの2種類が付属するので、お好みに合わせて使っていただけます。
―― 一般的にはどちらがクリエイティブ向きなのでしょう?
渡邉氏 あくまでも使う方の好み次第ではありますが、一般に繊細な描画を行いたい場合は、POMタイプの方が好まれると思います。誘電繊維タイプは文字通りペン先が繊維になっていて、当たりが柔らかく、文字などを滑らかに描けるため、手書きメモやラフなイラストなどを描くのに向いているとされています。
―― なるほど。確かに適度な摩擦感があってすいすい描けますね。替えのペン先は用意されるのでしょうか?
渡邉氏 直販サイトのMSIストアでの取り扱いを検討しています。
―― Summit E16 Flipは、CPUにCore i7-1195G7、NVIDIA GeForce RTX 3050 Laptop GPUを搭載しています。こちらの狙いを教えてください。
Felix氏 万能なPCというコンセプトなので、やはり独立型GPUは必須です。現状、内蔵GPUではどうしてもできることが大きく制限されてしまいます。ゲームやクリエイティブ用途まで幅広くこなせる独立型GPUの搭載を前提に、性能、機能、持ち運びができるフォームファクター、当社の冷却/電力設計技術、静音性、使い勝手などのバランスを考慮した結果、このようなスペックとなりました。
―― NVIDIA GeForce RTX 3050 Laptop GPUは、従来のGTX 1650と同じくらいの熱設計、電力設計で搭載できているのでしょうか?
Felix氏 そうですね。当社の技術であれば、薄型のフォームファクターでも十分に放熱でき、GPUの性能を引き出せます。GTX 1650に比べると、3D描画性能は1ランク、いや2ランク上です。さらに、RTコア(レイトレーシング専用)やTensorコア(AI推論に最適化)も加わっているため、クリエイティブシーンで利用できるアクセラレーション機能も大幅に増えています。ハードウェアエンコーダーのNVENCも統合されており、動画編集でもスムーズに活用していただけると思います。
―― Core i7-1195G7についてはどうでしょうか。
Felix氏 Intelの第11世代Coreプロセッサ(開発コード名:Tiger Lake)は、内部構造的にも製造技術的にも旧世代から進化しています。4コア8スレッドですが、さまざまなベンチマークテスト結果などを見ると、2世代前の6コア12スレッドに相当するくらいのパフォーマンスを見せています。GPUも含めた体験として、Core i7-9750HとGTX 1650の組み合わせに対して、本製品はしっかりアドバンテージが実感できると思います。
―― 放熱設計について詳しく教えてください。
渡邉氏 GPUのノートPCへの実装、放熱設計に関しては、当社が最も得意とするところです。今回は最新のCPU/GPUの搭載を前提に薄型のフォームファクターに最適化した新しいスタイルの冷却機構「Dynamic Cooler Boost」を新たに設計しました。ファンを内側に配置しているのが特徴で、ヒートパイプでヒートシンクに熱を移動させ背面へ一気に放熱するスタイルとなっています。
―― これは珍しいスタイルですね。性能よりも静音性を重視したい人もいると思いますが、そのあたりを調整する手段は用意されていますか。
渡邉氏 性能を引き出すためには強力な冷却が必要ですので、性能と動作音(静音性)は究極的にはトレードオフとなりますが、そのあたりのバランス調整はユーザーが選択していただけるように「MSI Center PRO」というユーティリティーを用意しています。デフォルトで性能と静音性のバランスのとれた設定になっていますが、クリエイティブな作業中などより性能が必要であれば「パフォーマンス」、ミーティングの際など音が気になるような状況であれば「サイレント」を選択していただければ、静かに使っていただけます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2021年10月7日