DAIVとEIZOのコラボはなぜ生まれたのか? クリエイターが安心してクリエイティブワークに集中するために(2/3 ページ)

» 2022年04月08日 10時00分 公開
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基本的な表示確認から内製ツールで色の正常性も検証済み

―― 今回、セットモデルについては4種類、互換性検証については、DAIVの4モデルに、EIZOのモニター4モデルという組み合わせが公開されています。保証される内容、互換性検証について、Webページでは「※実際のお客さまの機材環境での動作を保証するものではありません。」という注釈がありますが、実際のところをお聞かせください。

川原氏 該当のDAIV製品とEIZOモニターを1対1で接続する状態での互換性は間違いなく検証しておりますので、本セットについては保証されると考えていただいて問題ありません。ただし、実際のお客さまのご利用環境というのは、接続形態、運用方法などさまざまです。それらを全て再現しての互換性検証ではありませんので、万が一のための注釈です。

―― 互換性検証項目について、「FlexScan」「ColorEdge」とも「正常な色で表示される」とありますが、これはどういう基準での「正常」でしょうか 。

稲熊氏 テスターの目視での確認です。内製ツールを使い、RGB3色を表示して異常がないことの確認に加え、ColorEdgeについては、入力信号のカラーフォーマットや入力レンジに合わせて正しく表示されることを確認しています。この場合は色だけでなく階調も対象ですので「正しい色表示」というよりも「正しい表示」がふさわしいかもしれません。

―― DAIVのデスクトップモデルの動作検証OSはWindows 10ですが、こちらについてはどのような理由でしょうか?

川原氏 検証を行ったタイミングで、Windows 11と一部のソフトウェアにおける表示や機能の問題が出ていたこと、色再現性を求めるクリエイターさんの現状の環境としてはWindows 10が多数であることなどを踏まえて、Windows 10での互換性検証となりました。今後、タイミングを見て情報をアップデートしていきたいと考えています。DAIV 4PとFlexScanの組み合わせに関しては、先進性、機能性を主眼においた組み合わせであることもあり、Windows 11での検証となっています。

DAIV EIZOモニターセットモデル ColorEdgeシリーズの検証項目は、表示解像度やリフレッシュレートの認識だけでなく、色の正常性、10bit表示の可否なども検証されている。
DAIV EIZOモニターセットモデル DAIVとFlexScan、ColorEdgeの互換性検証結果

EIZOモニターならではの細部に渡るこだわり

―― セットモデルに含まれる、EIZO製のモニターについてお聞きします。ColorEdgeとFlexScanの違いについて簡単に教えてください。

稲熊氏 ColorEdgeは、クリエイティブワークをされる方に向けたカラーマネジメントモニターです。正しく色を表示できることに徹底してこだわり、高性能広色域のパネルを採用し、工場出荷前に階調やムラなどの補正も厳密に行っています。

 一方、FlexScanは多用途に使えるスタンダードモニターという位置付けです。フレームレスやホワイトカラーなどデザインに個性があるモデル、USB Type-C経由でデイジーチェーン接続ができるモデルなど、バリエーション豊富なラインアップをそろえています。

―― ColorEdgeはハードウェア・キャリブレーションに対応しています。工場出荷前に調整されているのであれば、購入後のキャリブレーションは不要ではないかと考える方もいると思うのですが、その必要性を教えてください。

稲熊氏 「正しい色」を表示するためには、定期的なキャリブレーションは必須です。モニターに個体差がありますので、個体差を吸収して同じ色に調整する必要があります。その調整に使うのがモニターの特性情報をまとめた「プロファイル」で、キャリブレーションの際に作成されます。このプロファイルと「sRGB」や「Adobe RGB」といったそれぞれの用途に合わせた基準を組み合わせることで正しい色の表示が可能になります。また、バックライトの経年変化などの理由で、モニターの表示はじわじわと変わっていきます。常に正確な状態を保つには、一度だけではなく、定期的なキャリブレーションを行って補正することが必要です。

―― ColorEdgeでハードウェア・キャリブレーションを行うのと、市販の一般的なモニターでキャリブレーションするのとではどのような違いがありますか?

稲熊氏 一般的なディスプレイでは「ソフトウェア・キャリブレーション」での対応となります。この場合、PCからの信号を調整して補正します。例えば少し乱暴な説明をすると、色を青補正する場合には赤の信号を間引くというような処理を行います。引き算での調整しかできないため、特定の色の階調が滑らかに表示されない(トーンジャンプ)など劣化した表示になってしまいます。

 一方のColorEdgeは、ハードウェアレベルでモニターの色表示を調整するハードウェア・キャリブレーションに対応しています。モニター内部の出力を変更することで求める色表示を実現するため、補正後も階調情報は失われず、映像が劣化することはありません。

 また、画面に実際に表示される情報は各色8bit(24bit)または各色10bit(30bit)ですが、ColorEdgeは内部で16bit(一部機種は24bit LUT)多階調化して再割り当てしているため、より高精度で豊かな色再現を実現しています。

 キャリブレーションの手順が簡単という点でもColorEdgeにはアドバンテージがあります。汎用(はんよう)的なツールは、いろいろな製品に対応する関係でどうしても設定や手順が複雑になり、設定するための知識も必要です。ColorEdgeでは専用のソフトウェアとセンサー(別売のオプション)を用意していますので、こうした作業に不慣れな方でも簡単な手順で完了します。

 細かいですがFlexScanとColorEdgeともに、一部のモデルを除き、箱から取り出したらスタンドの取り付けなどが不要ですぐにご利用いただけるというのもこだわりのポイントです。

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