ThinkPad X13 Gen 4とThinkPad X13 Yoga Gen 4のデザインにおいて、もう1つ大きなアクセントとなっているのが、新しいコミュニケーションの機能にもつながる「コミュニケーションバー」だ。
コミュニケーションバーは、ディスプレイ上部のWebカメラモジュールを搭載するためのエリアで、天板側が少しふくらんでいる。このバー自体は2022年から一部のモデルで搭載されているが、Xシリーズのメインストリームモデルとしては今回が初採用となる。
元嶋氏は「コロナ禍を通じてテレワークが当たり前になり、あらゆる場所でPCの内蔵カメラを利用したビデオ(オンライン)会議が行われるようになった。そのため、カメラの画質に注目が集まっており、それを強化するデザインとしてコミュニケーションバーを採用した」と搭載の狙いを説明する。「多くのお客さまから、ビデオ会議時のカメラ画質を上げてほしいという声をいただいた。その声にお応えするため」でもあるという。
ThinkPad X13 Gen 4/ThinkPad X13 Yoga Gen 4では、Webカメラを以下のスペックから選択できる(いずれもプライバシーシャッター付き)。
注目は「500万画素&IRカメラ」で、従来モデルの「IR&1080p FHDカメラ」と比べて約2.5倍の解像度で撮影できるようになった。解像度的な意味において、よりきめ細かい画像を送りたいというニーズに応えた格好だ。
さらに、この新しいカメラには字面からは分からない変更点もある。RGBセンサー(通常の撮影用)とIRセンサー(赤外線センサー:顔認証用)を“分離”したのだ。
従来モデルのIR&1080p FHDカメラは、RGBセンサーとIRセンサーが共用となっている。この場合、カメラモジュール全体の面積を小さくできるというメリットがある一方で、RGBセンサーとして撮影する映像が若干暗くなってしまうというデメリットもある。そこで、新モデルの500万画素&IRカメラではIRセンサーをあえて分離することで、RGBカメラがより明るい映像を捉えられるようにしたのだという。
RGBセンサーの画素数が増え、IRセンサーが独立するとなると、モジュールのサイズは大きくなる。しかし、新設のコミュニケーションバーによって無理なく収められたという。
RGBセンサーとIRセンサーの分離は、想像以上に画質面でのメリットが大きい。ビデオ(Web)会議において「より画質の高い映像を送りたい!」と考えている人は、ぜひ500万画素&IRカメラの構成をチェックしてみてほしい。
そして3つ目のポイントである環境負荷の軽減は、サステナブル(持続成長可能)な社会を作るための取り組みでもある。ThinkPad X13 Gen 4/ThinkPad X13 Yoga Gen 4では、従来モデルと比べて再生可能な素材の利用率を意識的に引き上げたという。
例えば、ThinkPad X13 Gen 4の底面カバーはアルミニウム素材だが、55%がリサイクル材由来となっている(質量ベース:以下同)。バッテリーやACアダプターのケースのプラスチックも、90%リサイクル材由来のものを採用している。他にも多くの部分にリサイクル素材、あるいはリサイクルが容易な素材が利用されている。
このような環境への配慮は、製品のパッケージにも行われている。出荷時に利用される化粧箱や内部の梱包(こんぽう)材、封筒はプラスチックフリー素材で作られている。
さらに、レノボでは「SDGs(持続可能な開発目標)に取り組む必要性を感じつつも、どう取り組めばいいか分からない」という企業などを対象に、PC1台分から購入できる「CO2オフセット。サービス」を用意している。このサービスは、PCのライフサイクルで発生する二酸化炭素(CO2)の総量を算出した上で、国際連合が支援する環境プロジェクトをサポートするための「カーボンクレジット」を購入できるという仕組みだ。
CO2オフセット・サービスは法人ユーザーを対象としている。CO2の排出量を削減する意味でも、ぜひ選びたいオプションだ。
最後に、ThinkPad X13 Gen 4/ThinkPad X13 Yoga Gen 4のボディーカラーについて触れておきたい。
両モデルで採用されているのは「ディープブラック」で、従来モデルの「サンダーブラック」よりも濃いめの黒色となった。元嶋氏によれば「ThinkPadらしさを体現する『黒』とは何か?」という議論があり、ユーザーからのフィードバックも踏まえてこの色を採用したのだという。
今回のThinkPad X13/X13 Yoga Gen 4はそうした「ThinkPadの変わらない価値」を体現しながら、より高い性能や高画質なカメラを備えつつ、小型化、薄型化、軽量化を実現している。従来のThinkPadユーザーはもちろん、そしてより生産性の高いツールとしてのモバイルノートPCを探しているユーザーにとっても要注目の製品だ。
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