ワークステーション級の高い性能と信頼性! ハイスペックタワー型モデル「Endeavor Pro9200」のこだわりを開発者に聞く(2/3 ページ)

» 2023年07月12日 10時00分 公開
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専用設計のマザーを採用 10GBASE-Tや最大4基のM.2 SSDも対応

―― マザーボードは独自設計なのでしょうか?

北村 もちろんです。当社のPCはBTOができるということで、いわゆる自作PCや組み上げ代行サービスを利用して作ったPCのように思われがちなのですが、完全なオリジナル設計です。

 Endeavor Pro9200については、シャシーは先代から継承していますが、マザーボードは熱源部に装着するヒートシンクに手を加えて放熱を強化しているなど、このモデル専用に新規開発したものです。ハイエンドのグラフィックスカード(PCI Express 5.0 x16対応)とM.2拡張カード(PCI Express 4.0 x8対応)、そして10GBASE-T対応の有線LANカードの同時搭載を想定し、拡張性やエアフローなどの最適化を図っています。

―― PCI Express SSD用のM.2ソケットがオンボードで2基と拡張カードで2基、合計4基搭載できるようになっています。それだけ需要が高いということしょうか。

北村 そうですね。起動など体感速度に直結するOSのシステムドライブにM.2(PCI Expressインタフェース)の高速ストレージを使うというのは一般的ではありますが、一部のお客さまからはデータを保管するストレージにも高い性能が望まれていますし、SATAインタフェースのSSDが徐々に少なくなってきているという理由もあります。一方で、RAIDが必要だというお客さまも多くいらっしゃいます。M.2ソケットはオンボードで2基ありますが、それではRAID 1しか組めませんので、拡張カードという形で追加できるようにしています。

―― Serial ATA(SATA)も6ポートあり、M.2も含めてストレージは8基までメニューで選択できるようになっていますね。なかなかここまで選べるPCは珍しいです。

北村 まだSATAの需要、HDDの需要もありますので、SATAについても6ポート搭載しています。ゲーム開発やコンテンツ制作のお客さまからは、PCケースを開けずにストレージを増設/交換できるフロントアクセス機構も好評です。

PCケースを開けずにストレージの増設/交換ができるフロントアクセス機構も健在だ。大容量データを扱う企業からは好評を博しているという PCケースを開けずにストレージの増設/交換ができるフロントアクセス機構も健在だ。大容量データを扱う企業からは好評を博しているという

―― 有線LANは標準で2.5GBASE-Tに対応しています。

北村 一般家庭で、2.5GBASE-T有線LANの環境がある方はまだ少ないと思いますが、社内にその環境があるというお客さまは少なくありません。今回はフラッグシップモデルですし、最近は2.5GBASE-Tに対応するコントローラチップも増えていますので、標準で搭載しています。さらに高速な10GBASE-Tについても一部のお客さまから需要があり、オプションとして用意しています。

―― 今回は無線LANのオプションも加わりました。

北村 このEndeavor Proシリーズでは、初めてのオプションとなります。特にお客さまから無線LANを欲しいという要望があったわけではないのですが、我々技術部の方から意思表示をして加えました。一般家庭では無線LANが普通だと思いますし、速度的にもむしろ無線の方が高速な場合もあるくらいで、無線のオプションもあるべきではないかと思っています。

―― Endeavor Pro9200にはThunderbolt 4ではなくUSB 3.2 Gen 2 x2が搭載されています。この仕様になった経緯を教えてください。

北村 ここは議論があったところですが、PCI Expressのレーン数確保や実装コストとのバランスを考慮してこのUSB 3.2 Gen 2 x2という仕様になりました。Thunderbolt 4については、デスクトップPCだと現状ノートPCほどの需要はないと認識しています。ノートPCにおいても、Thunderboltネイティブプロトコルの需要というよりは、データ転送と画面出力、ノートPCの充電がUSB Type-Cケーブル1本でできるというところが大きいという認識です。コストをかければできることで、技術的な問題でできないというわけではありませんので、お客さまのご要望や状況が変わってくれば対応することも考えていきます。

GeForce RTX 40シリーズのサポートにこだわった理由

―― グラフィックスカードについてですが、NVIDIA GeForce RTX 40シリーズは今後追加される形になるのでしょうか。

西澤 NVIDIA GeForce RTX 40シリーズの搭載については、お客さまからもたくさんご要望、お問い合わせをいただいています。現在は安定動作、信頼性を確保するための検証作業中で、GeForce RTX 40シリーズの展開に合わせて徐々に投入できるよう準備している最中です。

北村 GeForce RTX 40シリーズの上位モデルは、ATX 3.0電源規格で規定されている12VHPWRケーブルが必要になります。そこで電源変換ケーブルのみ開発して対応することも考えたのですが、利便性や信頼性を高めるべく、現在新しくATX 3.0に準拠した電源ユニットを開発、検証している最中で、それが完了次第、BTOの選択肢に加えることになっています。

―― 搭載できるGeForce RTX 40シリーズの最上位はどれになりますか。また、電源出力はどのくらいになりますか。

北村 現状、グラフィックスカードの最上位はGeForce RTX 4080で、電源ユニットは1100Wで進めています。グラフィックスカードの電力(TGP)が320Wと従来のGeForce RTX 3090(350W)よりも省電力で、パフォーマンスはほとんどの処理でGeForce RTX 3090はもちろん、GeForce RTX 3090 Ti(450W)をも上回ります。

―― BTOの選択肢を見ますと、NVIDIAのGPUはTシリーズやAシリーズも用意されていますね。一方、AMDのRadeonシリーズは選べないようです。

西澤 NVIDIA TシリーズやAシリーズについては、工業デザインや建築関係など、CADを利用するお客さまからの引き合いがありますので、継続してラインアップに加えています。

北村 現状、我々がメインターゲットとしているお客さまがNVIDIA GPUを好まれる傾向にあるので、現在NVIDIA GPUを中心にそろえていますが、AMD GPUを最初から選択肢から外しているわけではありません。常にリサーチはしており、お客さまからの需要があるようでしたら今後選択肢に加える可能性はあります。

―― グラフィックスカードと、CPU内蔵GPU両方から同時出力できるということですが、どういう運用を想定しての仕様でしょうか。

北村 特に特定の用途を想定したわけではありません。従来のCore-Xシリーズは画面出力機能がありませんでしたが、第13世代CoreではGPUを内蔵していて、単体のグラフィックスカードがなくても画面出力が可能です。一画面でも多く使いたいというお客さまもいると思いますので、機能として持っているのだから生かしておいた方がよいだろうという考えです。

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