現場のニーズに応えたら開発が“過去最高”に難しくなった! 技術者入魂の11.6型PC-POS向け「Endeavor JT70」は何がすごいのか(1/3 ページ)

エプソンダイレクトのPC-POS用途に向けた新モデル「Endeavor JT70」が登場した。顧客の声に応えた上で、さらなる機能や利便性を詰め込んだ意欲的なモデルに仕上がっている。開発メンバーにお話を伺った。

» 2023年08月30日 10時00分 公開
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 キャッシュレス市場の拡大が進む中、Windows PCを活用したPOSソリューション「PC-POS」が注目を集めている。中でも小型軽量のタブレットを使うソリューションは、自由度の高さと省スペース性を兼ね備えており、注目度が高い。

 エプソンダイレクトから登場した「Endeavor JT70」は、このPC-POSをメインターゲットとした「特定用途向け」の最新11.6型タブレットだ。先代機を使っている現場の声を製品に反映させるべく、オプションも含めて新規開発した意欲的な製品となっている。

 このEndeavor JT70と新開発のオプションには、どのようなこだわりが込められているのだろうか。長野県塩尻市にあるエプソンダイレクト本社で製品開発担当の中村氏と上原氏、そして企画を担当した藤井氏に伺った。

エプソンダイレクト EPSONDIRECT Endeavor JT70 タブレット 業務用 POS PC お話を伺ったEndeavor JT70の開発メンバー。左から、藤井隆氏(技術部 技術一グループ)、中村雅史氏(技術部 技術一グループ)、上原秀央氏(技術部 技術一グループ)
エプソンダイレクトの11.6型タブレット「Endeavor JT70」 エプソンダイレクトの11.6型タブレット「Endeavor JT70」

エプソンダイレクト史上最高難度!? 現場の声を形にしたPC-POS

―― Endeavor JT70の位置付けを教えてください。

藤井 特定用途、特にPC-POS用途をターゲットとして強く意識した11.6型タブレットです。先代機にあたる「Endeavor JT40-2」の後継であり、オプションの新規開発を含めた大規模なフルモデルチェンジを行っています。先行して投入した10.1型タブレットの「Endeavor JT50」とは兄弟機という関係にあります。

―― 今回のフルモデルチェンジの経緯を教えてください。

藤井 先代機のEndeavor JT40とJT40-2を出したことで、PC-POSを運用されるお客さまからたくさんのご意見、ご要望をいただきました。その内容は非常に多岐に渡るのですが、それにお応えすべく、設計を見直し、オプションも含めたPC-POS向けに適したタブレットシステムの構想を準備してきました。それを今回、ようやく形にすることができたという経緯です。開発の2人(中村氏、上原氏)、特にメイン担当の中村は「エプソンダイレクト史上最高難度かもしれない無茶振り」によく応えてくれたと感じています。

―― その構想、開発テーマはどんなところだったのでしょうか?

藤井 我々が目指したのは、単一の製品だけにとどまらないシリーズとしての展開です。より小さくて気軽に扱える10.1型か、画面が相対的に大きくてパフォーマンスも良い11.6型なのか、お客さまの課題解決に適したソリューションとして選択肢を用意し、より適した方を選んでいただける環境をそろえたいということがありました。

中村 具体的な開発テーマとしては「簡単な操作の追求」というのが言えると思います。現場のお客さまからの声を基に、オプションの大きな機能追加や仕様変更に加えて、着脱や付け替えも含めて、細かいところまで1つ1つ、実際の運用を想定した状況での使いやすさを徹底的に追求し、製品に反映させています。

エプソンダイレクト EPSONDIRECT Endeavor JT70 タブレット 業務用 POS PC Endeavor JT70の企画を担当した藤井隆氏。本製品の製品企画については「エプソンダイレクト史上最高難度かもしれない無茶振りだった」と話す

自由度の高さと省スペース性がPC-POSの魅力

―― 基本的なところですが、POS向けには専用機もあります。PCタブレットでPOSシステムを構築するメリットはどこにあるのでしょうか。

藤井 我々の認識ですと、POSシステムの市場というのは大きく3つのセグメントがあると思っています。コスト的にもサイズ的にも大がかりな専用機の市場と、AndroidなどのPOSアプリを利用したシンプルなタブレットPOSの市場があり、その中間の市場が、我々の製品の主戦場だと捉えております。専用機に比べると省スペースかつ低コストでありながら、汎用(はんよう)性のあるWindows OSが動いて柔軟な使い方ができるというところです。そのあたりで、価値を認められていると感じています。

中村 タブレットでPOSシステムを構築するメリットとしては、使い方の自由度と省スペース性にあると思います。専用機だと、どうしてもサイズが大きく気軽に移動などもできませんが、小さく軽いタブレットゆえ、場所を選ばず使っていただけます。

藤井 例えば、アパレル業界でデパートの催事場(イベント会場)に出店されるお客さまが、臨時で設置するPOSシステムに使われていることがあります。キャッシュレス決済の普及で、現金を使われないお客さまもかなり増えてきていて、小売業者さまはPC-POSを用意しないと商売が成り立たないという状況になってきているようです。とはいえ、高コストな専用機をたくさんは入れられない。スポット的に導入するPOSなどは、我々の強みが生かせるところだと考えます。

―― 一般的なタブレットと特定用途向けのタブレットではどんなところに違いがあるのでしょうか。

中村 違いとしては、まずOSがあります。長期サポートのIoT向けOS(Windows 10 IoT Enterprise 2021 LTSCまたはWindows 10 IoT Enterprise 2019 LTSC)を採用しています。通常のWindows OSと違い、定期的な機能追加のアップデートがなく、安定した長期運用が可能なOSのため、機能追加のたびに互換性の検証などをしていただく手間が省けます。

 また、プラットフォームとして今回はPentium N6415/Celeron N6210(開発コード名:Elkhart Lake)のCPUを採用しているのですが、こちらは産業用プラットフォームとして長期供給されており、OSと同様に製品を長期安定して提供できることが強みになります。

―― ソフトウェアとハードウェア両面で、長期安定供給の体制が整っているわけですね。

中村 もう1つが、本製品の重要なポイントである多様なオプションです。一口にPC-POSといっても、お客さまが求める運用形態はさまざまです。携帯しやすいタブレットのフォームファクターを維持したまま、ドッキングユニットや充電クレードル、マルチジャケット、ハンドホルダーやショルダーベルト、VESA対応スタンドといったオプションを用意することで、多様な運用形態のニーズにお応えするというアプローチをとっています。

エプソンダイレクト EPSONDIRECT Endeavor JT70 タブレット 業務用 POS PC 中村氏はタブレット本体、およびドッキングユニットの開発を担当。タブレットでPOSシステムを構築するメリットについては「自由度の高さと省スペース性」を挙げる

―― 具体的にどのような活用を想定されていますか。

中村 例えば店舗ですと、営業時間内はドッキングユニットに装着してレジ業務に使い、営業終了後はタブレットにハンドホルダーやショルダーベルトを取り付けて、バックヤードで在庫の管理に活用できます。また、据え置きで使う場合も、周辺機器をたくさん接続して使いたいからドッキングユニットが必要というお客さまもいれば、充電できればよいというお客さまもいらっしゃいますので、そういった多様なニーズにしっかり対応できるようになっています。

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提供:エプソンダイレクト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2023年9月10日