現場のニーズに応えたら開発が“過去最高”に難しくなった! 技術者入魂の11.6型PC-POS向け「Endeavor JT70」は何がすごいのか(2/3 ページ)

» 2023年08月30日 10時00分 公開
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「簡単な操作」にこだわってたどりついた答えは「片手で操作できること」

―― タブレット本体の基本スペック、端子類などは先代機のEndeavor JT40-2と変わらないようです。PC-POS用途ではパフォーマンスの要求というのはあまり高くないのでしょうか。

藤井 高速なレスポンスは必要にはなりますが、タブレットPC-POSとしてはこの仕様で十分という判断です。ただ、Endeavor JT50と同じCPUではあるのですが、画面サイズが一回り大きくなることで、熱設計にも余裕が出ています。そのぶんパラメーターを少し変えて、同じCPUでもよりパフォーマンスを引き出せるようになっています。POS用途だけでなく、バックヤードでの管理や事務にも使いたいという方は、より快適に使っていただけると思います。

 なお、さらに大画面が必要な場合や、Pentium/Celeronでは不十分だというお客さまにはデスクトップPCとスタンドを組み合わせたタッチパネル液晶一体型PCをご提供しており、製品のすみ分けを行っております。

―― ドッキングユニットついて教えてください。

中村 開発に一番苦労したのが、このドッキングユニットですね。先代機でもドッキングユニットはあったのですが、完全に別物になっています。改良点はたくさんありますが、機能面で大きなところといえば、タブレットの画面に加えてもう1画面を追加できるデュアルディスプレイに対応したことです。

―― やはり要望が多かったのでしょうか。

中村 そうですね。POSでもセルフレジのスタイルでしたらデュアルディスプレイは不要ですが、対面操作の場合は店舗スタッフ用とお客さま用、両方の画面が必要になります。利用していない時に広告を表示させたいというニーズなどもありまして、デュアルディスプレイへの対応はご要望が多かったところです。

藤井 お客さまの使い方によってシングルディスプレイで十分なのか、デュアルディスプレイが必要かは変わってきますので、シングルで利用した時に裏から見られても違和感のないようデザインに配慮しているのもポイントです。

―― 他にも特徴はありますか。

中村 タブレットの出し入れを、片手でできることが大きなポイントです。先代機は両手で抱えて作業する必要があり、もっと簡単にしてほしいというご要望がありました。本製品の新ドッキングユニットでは、トップカバーを外して上から差し込むだけで装着が完了するようになりました。「簡単な操作」というものを追求していくと、やはり「片手で作業できる」というのが答えではないかと判断しました。片手で簡単に、ストレスなく出し入れできるようにしたことで、オプションの付け替えによって据え置きでも単体でも使えるタブレットのメリットを、より生かせるようになっていると思います。

藤井 タブレットを強力に保護し、持ち運びに便利なマルチジャケットがあるのですが、スペーサーを取り外すことでマルチジャケットを装着したままでも、ドッキングユニットや充電クレードルに設置できるようになっています。マルチジャケットの付け外しが不要なので、レジ用途からバックヤード用途へ、バックヤード用途からレジ用途へと、スムーズに移行できます。

エプソンダイレクト EPSONDIRECT Endeavor JT70 タブレット 業務用 POS PC タブレット本体とドッキングユニットの開発を担当した中村氏。「簡単な操作」を追求した結果、タブレットのドッキングユニットへの着脱は片手でできるようになった

検証は「人の手で」実施、こだわりはタッチ操作時の安定感や耐久性にも 

―― 確かに、それは使う側にとってうれしいポイントです。オプションでいろいろな活用ができるといっても、着脱操作が面倒だと付けたり外したりがおっくうになってしまうということはありそうです。

中村 ドッキングユニットは、着脱だけでなく片手のレバー操作で画面角度の調整も簡単にできます。簡単に角度変更できるということは、柔軟性を持たせた支点などがどうしても弱くなりがちになるので、重心の調整、機構をミリ単位で見直すことで、簡単な操作と頑丈さ、そしてタッチ操作時の安定感を両立させています。タッチした時に多少の揺れはありますが、通常のタッチの力加減であれば、揺れも気にならない程度で、安定感のある構造を実現できたと思います。

―― POS用途ですと、いろいろな人が使うものなので強度の確保は重要ですね。

中村 耐久性については、これまでとは違う評価方法を導入しています。従来は、全自動のロボットを使ってタッチ操作をシミュレーションしてきましたが、やはりロボットだと力が一定だったり、単純なものだったり、人の目で見ていないと見抜けないような不具合の可能性もあります。それらを踏まえて、本製品では実際に人の手でタッチ操作を繰り返すような評価を行いました。

藤井 お客さまによっては感圧式(強めに押さないと反応しない)の慣習から結構強めにタッチする方もいらっしゃるので、その動作も想定して評価や確認を行いました。

―― 改めて、人力操作でやってみて結構違ったなということがありましたか。

中村 そうですね。例えば、一瞬画面がちらつくといったところは、やはり人の目で見ていないと見抜けないところでした。そのような細かいところの気付きは、人の目でしか確認できない部分だと思います。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2023年9月10日