今、企業で「Chromebook」「Chromebox」の活用例が増えているワケ レノボ・ジャパンに聞く(1/2 ページ)

学校や個人での利用が広がる「Chromebook」だが、最近はデスクトップ版に当たる「Chromebox」を含めて企業での導入が進んでいるという。企業がChromebookやChromeboxを使うメリットはどこにあるのか、レノボ・ジャパンの担当者に聞いた。

» 2024年04月08日 10時00分 公開
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 デバイスの手頃さを背景に、2010年代に入ってから教育市場やコンシューマー市場を中心に、Googleの「Chromebook」がじわじわとシェアを拡大している。今や、その動きがビジネス市場にも波及しつつある。

 ビジネス市場で圧倒的なシェアを誇るのは、今も昔もMicrosoftの「Windows」であり、現時点でChromebook、あるいはそのデスクトップ版である「Chromebox」が大きなシェアを獲得しているわけではないが、その“メリット”に着眼した導入事例は着実に増えている。

 今、ChromeOSデバイスの企業利用を巡って何が起こっているのか――現状について、レノボ・ジャパンの元嶋亮太氏(製品企画部マネージャー)から話を聞いた。

レノボ・ジャパンの元嶋亮太氏 レノボ・ジャパンの元嶋亮太氏

企業で「Chromebook」「Chromebox」を使うメリットとは?

 そもそも、企業システムにおいて一般的なWindows PCではなく、あえてChromeOSデバイスを使う“意義”はどこにあるのだろうか。

 OSによって使い勝手や特徴は異なるが、ChromeOSは「Chrome ブラウザ」の利用を中心としてクラウド時代に向けて設計されている。ゆえに、ChromeOSの適性に合致する使い方を意識することで、企業や組織はそのメリットを最大限に発揮できる。この点について元嶋氏はこう説明する。

 日本においても少しずつ、ChromebookやChromeboxを導入する法人のお客さまは増加傾向にあります。

 その理由の1つは管理性です。ChromeOSデバイスはハードウェアだけでなく、OSや動作するアプリ、セキュリティ機能を始めとするデバイス周辺からソリューションに至るまで、全てに一貫性があります。管理にかかるコストや工数が削減できることもあり、活用を検討するケースが増えているのです。ChromeOSは2010年以降に登場したモダンなOSということもあり、安全性が高い設計となっているのも大きな理由です。

 また実際の管理面でも、Chrome Enterprise Upgrade(CEU)を利用することで「Google 管理コンソール」から直感的に管理できます。Webブラウザベースで扱いやすいUIということもあり、管理工数の削減につながります。管理のしやすさと、高いセキュリティレベルを保ちやすいことに着目して選ばれるケースが増えているのです。

 情報システム担当者や、それに近い立場で仕事をしている人なら、「管理性」という部分にうなずける人も多いだろう。ここに掛かる手間や工数を減らせるなら、それに超したことはない。

シンクライアントの代替としての導入が増えている

 だが、普段はWindows PC上で行っている業務を、そのままChromeOS上で実践しようとした場合、現状では既存のアプリは動作しない。ファイル操作にまつわる“作法”も、WindowsとChromeOSでは大きく異なる。このあたりについて元嶋氏は次のように言及する。

 日本政府の「GIGAスクール構想」の影響で、教育分野ではChromebookのシェアは高いです。それに加えて、一部の量販店で「Chromebookコーナー」が展開されるなど、コンシューマー分野でもChromebookの認知度は段々と高まっています。

 ではビジネス分野ではどうかというと、「まだまだこれから」という面もあります。その理由の1つがWindows PCと“全く”同じように使うことが難しいことがあります。まずChromeOSではWindowsアプリが動きません。また、ローカル(PC)にファイルをためるような使い方にも向いていません。全く同じように使えるかというと、それは厳しいです。

 現状ChromeOSデバイスを導入する企業を見てみると、シンクライアントのリプレースとして採用するケースが増えています。ChromebookやChromeboxからWindowsベースの仮想デスクトップにアクセスして、そこからWindowsアプリや各種サービスを利用する、という方法です。著名な仮想デスクトップソリューションの多くには、ChromeOSの上で動作するクライアントアプリが用意されているので、キーボードショートカットを含めて仮想環境のWindowsを違和感なく操作できます。

 アプリや業務環境を含めてWindowsにおける蓄積も生かせることもあり、まずは「シンクライアント」としての利活用というのも1つの手ではあります。

 企業がシンクライアントとしてChromeOSデバイスを使う理由の1つに、コストパフォーマンスはもちろんだが、やはりChromeOSのアップデートポリシーを買っている面も大きい。

 シンクライアントでも、クライアントPC側のOSアップデートはセキュリティの観点から欠かせない。しかし、企業によっては端末のOSがタイムリーにアップデートされずに“放置”されてしまうことも珍しくない。

 その点、ChromeOSには「自動でアップデートを行うことで常にOSを最新に保つ」という概念が存在するので、OSのアップデートの漏れがない。その上、OS自体も安全かつ安定性が高いため、「安心安全」と「管理工数の削減」という命題を両立しやすい。いわゆる「バージョン管理」からの解放も、ChromeOSデバイスを導入する理由の1つなのだという。

ChromeOSならではのユースケースも

 元嶋氏によると、シンクライアント以外にも用途に合わせてChromeOSデバイスを導入する事例も検討してもらいたいという。

 例えば、各種文章の作成や業務上のコミュニケーションといった日常業務を「Google Workspace」で行っている場合は、Google関連のサービスとの親和性が高いChromebookの真価を最大限発揮できるという。

 ただし、このようなChromeOSネイティブなユースケースでは、「Chrome ブラウザ」の開いているタブ数が増える傾向にあるため、これまでのPCと同様にメモリ容量などに気を配る必要がある。しかし、ストレージに関しては、クラウドへのデータ保存を基本としていることから、通常のPCと比べると少ない容量で問題ない場合も多い。

 さらに元嶋氏は、「ChromeOSデバイスをどこから導入すればいいのか迷ったら、先に紹介したシンクライアント端末の代替もいいですが、デジタルサイネージ用のデバイスなど、通常業務から切り離されたシーンで使われる端末として導入することを検討してみると良いのではないか」と語る。特にChromeboxについては、デジタルサイネージ用に導入されるケースが増えてきそうだ。

デバイス さまざまな側面から、ChromeOSデバイスの導入は進んでいる
元嶋さん 元嶋さんも日々の業務でChromebookを活用しているという

 企業がChromeOSデバイスを使う場合、Google 管理コンソールからの管理が基本だ。その際はデバイスに対して「Chrome Enterprise Upgrade(CEU)」という管理ライセンスを割り当てる必要がある。

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