オンライン会議の普及やオフィスアプリのリッチ化もあり、最近はビジネス用途のPCでも一定水準以上のCPU/GPUパワーが求められる。その点、ThinkPad T14 Gen 5(AMD)はパワフルな処理性能と高い電力効率を兼ね備える、AMD最新のプロセッサ「AMD Ryzen™ PRO 8040 シリーズ モバイル プロセッサ」のUシリーズを採用している。
Ryzen PRO 8040Uシリーズは、Zen 4アーキテクチャのCPUコアと、RDNA 3アーキテクチャのGPUコアを備え、高度な企業向けセキュリティ/管理機能「AMD PRO」にも対応している。オンライン会議とオフィスアプリのマルチタスク処理を快適にこなせるのはもちろん、ビデオ編集などの高負荷処理もパワフルにこなすパワーを備えている。
パワフルでいながらも、本機は長時間のバッテリー駆動時間も実現している。大容量バッテリー構成の場合、公称値(※1)で動画再生時は最長約10.2時間、アイドル時は最長約21.6時間の駆動に対応している。
(※1)JEITAバッテリ動作時間測定法(Ver. 3.0)による測定値
なお、本機で選択できる最上位プロセッサ「AMD Ryzen™ 7 PRO 8840U」には、AIアクセラレータ「AMD Ryzen™ AI」も搭載されている。つまり、NPUが内蔵されているということだ。
Ryzen AIがあると、Windows 11における「Windows Studio Effects」を利用できる他、対応アプリケーションにおいて推論ベースのAI処理を高速にこなせる。元嶋氏によると「AMDは(Ryzen AIを利用するための)開発環境の提供を積極的に行っているので、Ryzen AIを利用できるアプリは増えていくことになるでしょう。CPUやGPUから処理をNPUにオフロードできれば、電力効率の面でも有利です」と語る。
ThinkPadの伝統的なストロングポイントであるインプット体験(キーボード/ポインティングデバイス)も、本機においてさらに進化している。キーボードの打ち心地の良さはそのままに、主な以下のポイントが変更されている。
「Fnキー」と「Ctrlキー」の入れ替えは、他社のノートPCが混在する環境で使うユーザーからの要望で入れ替えたという。従来からThinkPadを使っているユーザーは違和感を覚えるかもしれないが、UEFI(BIOS)設定で従来通りの配列に戻すことも可能だ。
キートップの突起の追加は、誰のとっても使いやすいキーボードを目指し、アクセシビリティーを向上させるための取り組みの一環として行われた。また、本機を含むThinkPadでは、点字入力に用いられる「6点入力」に標準対応していることも見逃せない。
6点入力は「パーキンス式入力」とも呼ばれ、6つのキーのみを利用して“同時押し”の組み合わせで点字を表現できるというものだ。誰にでも使いやすいPCを目指す、レノボの姿勢の表れといえる。
もちろん、指1本にかける力の調整だけで自在なポインティング操作ができる、ThinkPad伝統のスティック型ポインティングデバイス「TrackPoint」も搭載している。
誰にでも使いやすいノートPCを目指して、打ちやすいキーボードにさらなる改良を加えた。なお、Copilotキーの実装に伴い、「Print Screen(PrtSc)キー」は独立キーではなくなり、F9キーとの兼用となった本機はアスペクト比16:10の14型ディスプレイを搭載している。数年前まで主流だったアスペクト比16:9のディスプレイと比べると縦方向の解像度が増えているため、Webブラウズはもちろん、オフィスアプリの利用時に表示できる情報量が多くなっている。
直販サイトで購入できる「CTOモデル」では、ディスプレイパネルの種類/解像度と機能を以下の中から選択できる(※2)。
(※2)構成オプションの組み合わせによっては選択に制限が加わる場合があります
注目したいのは、ベーシックな(≒オプション価格の安い)非光沢/最大400ニト/NTSC 45%カバー/輝度向上フィルム付きの1920×1200ピクセルIPS液晶でも、公称で最大400ニトと明るい設定となっていることだ。この明るさは、3Mが開発した液晶パネル用フィルム「Dual Brightness Enhancement Film(DBEF5)」の効果が大きい。
このフィルムはLEDバックライトの効率を高めるべく開発されたもので、消費電力を上げず、画質にも影響を与えることなく、最大輝度を引き上げられるという。「そこまで明るい画面でなくてもいい」という人もいるかもしれないが、経年でバックライトが劣化していくことを考えると、元々の最大輝度の向上は歓迎すべきことでもある。
なお、ブルーライト抑制機能付きのパネルは、全てハードウェア制御によってブルーライトを抑えている。ソフトウェア的にブルーライトを軽減させる機能と異なり、色味に影響を与えることがない(黄色っぽくならない)ことが魅力だ。
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