Yoga Slim 7i Aura Editionは、PCをより安全に便利に使うための独自のインテリジェントな機能も搭載している。それが「スマート・モード」と呼ばれる機能で、「シールド」「アテンション」「コラボレーション」「ウェルネス」と4つのモードが用意されている。
「シールド」は文字通り、セキュリティを高める機能だ。カメラを活用した覗き見検出や自動VPN接続の設定などができる。
「アテンション」は、集中作業を行うのに便利なモードだ。設定した時間中に通知をオフにしたり、集中力を乱す原因であるSNSへのアクセスを制限したりできる。
「コラボレーション」はカメラを利用したビデオ会議時に便利だ。電子シャッターによるカメラの有効/無効をカメラアプリの起動の有無で自動で行える他、低照度な環境での画質を向上させる機能の設定ができる。
そして「ウェルネス」は健康を保つための機能だ。目の負担を減らすため休息を促すリマインダーの設定やカメラに映った姿勢の乱れなどを指摘してアラートを出す機能の設定ができる。
この他にも、マイクとスピーカーのノイズキャンセルとWi-Fiの自動接続の設定について、PCの作業別に指定(AI分析による自動設定も可能)できる「シナリオ・モード」、パフォーマンスとバッテリー駆動時間のバランス調整を行う「電源モード」も用意されている。
これらの機能は人によって必要かどうかは別れるだろう。しかし、PC作業を行う上で生じる課題の解決に役立つものばかりだ。「これは便利」と感じるものが誰でも1つ2つはありそうで、うまく使いこなせれば、かなりの作業効率アップにつながりそうだ。
Yoga Slim 7i Aura Editionの実力を、ベンチマークテストを通してみてみよう。今回、電源モードの設定は「パフォーマンス」、Windows 11の電源設定は「最適なパフォーマンス」で統一している。
比較対象にはクリエイティブユースを意識し、少し“手ごわい”相手を用意してみた。2019年発売の旧世代PCながら、TDP45WのCPUと外部GPUも搭載した重量2.4kgのゲーミングノートPCだ。
CPUのパワーがダイレクトに反映される「CINEBENCH 2024」(最低実行時間10分)では、CPUスコア(マルチスレッド性能)、CPU(シングルコア、シングルスレッド性能)いずれも比較対象に完勝。特にCPU(シングルコア)のスコアが高く、最新世代ならではの進化が伺える。
実際のアプリを使った総合テストの「PCMark 10」でも、クリエイティブ処理を想定したDigital Content Creation(コンテンツ制作)を含め、全ての項目で比較対象に完勝。総合的な性能の高さを見せつけている。
ゲーム向けの3D描画性能を測定する「3DMark」では、さすがに外部GPUを備える比較対象には及ばないが、それも“少し”であって思った以上に健闘している。息抜きにゲームをプレイするくらいであれば十分な性能がある。
FINAL FANTASY XIV:黄金のレガシーベンチマーク(1920×1200ピクセル、ノートPC標準)でも9163ポイントと「快適」評価のスコアが出ている。
バッテリー駆動時間のテストは、PCMark 10に内包された「Modern Office Battery Life」テストを利用して実施した。画面輝度は最大、Windows 11の電源設定を「バランス」、30%以下で省電力モードへ移行する設定で、バッテリー残量100%から残り2%までかかった所要時間は19時間30分だった。思った以上に“長持ち”だ。
実際のクリエイティブアプリを使ったテストも実施してみた。
ビデオ編集ソフトの「Adobe Premiere Pro」では、4K(3840×2160ピクセル)で撮影したビデオクリップをソースを編集して作成したYouTube用の動画(1080p/H.265:完成後約3分半)の書き出しと、「After Effects」で作成したモーショングラフィックス(30秒)のレンダリング時間を測定した。どちらも、比較対象よりも短い時間で処理を終えている。
「Adobe Lightroom Classic」では、約4240万画素のミラーレス一眼で撮影したRAWデータ500枚に現像パラメータを設定した上で、長辺3000ピクセルにリサイズし、JPEG形式で出力する処理を行い、その後にAIを活用してRAWデータ(2400万画素)50枚のノイズを除去するのに要した時間を測定した。GPUを積極的に使う処理ということもあり、比較対象には少し及ばなかったが、それでも外部GPUのないノートPCとしては高いパフォーマンスを備えている。
クリエイティブ適性の高さは、しっかり備えている。
これまで見てきたように、Yoga Slim 7i Aura Editionは、インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 258Vの特徴を存分に生かし、スタイリッシュな薄型ボディーとパワフルなパフォーマンス、そして長時間のバッテリー駆動時間を数年前の時点では考えられなかったような高いレベルで兼ね備えている。
さらに、色再現性の高い大画面や迫力のクアッドスピーカー、ユーザビリティを高める独自のインテリジェンスも付加価値として上乗せしており、これにCopilot+ PCならではの新しいAI体験が加わる。ローカルAI、NPUの活用はこれから拡大していくことがほぼ確実だけに、今後楽しみが増えるというポジティブな要素もある。
なお、本製品の購入者には、Adobe Creative Cloudの「コンプリートプラン」が2カ月間無料で使える特典が付与される。既に契約している人も対象なので、これからクリエイティブに取り組みたい人はもちろん、既存のクリエイターにとってもうれしい特典といえる。
本製品の直販価格は25万円前後と、コストパフォーマンスも上々だ。最先端のAI体験をしつつ、エンタメやクリエイティブも楽しみたい学生や、若い社会人、ロケ撮影やスタジオ撮影など外に持ち出せるPCが欲しいアクティブなクリエイターなど、多くの人にお勧めしたい。
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